質問

感染症や花粉症対策でマスクをつけたいのですが、肌が赤くなったり、かゆみがでたりしてしまいます。できものができることもあり、困っています。
マスクによるかぶれの対策方法があれば教えてください。

回答
矢込 香織

マスクによるかぶれの原因は、蒸れ・摩擦・接触です。
その対策として大切なポイントは、①こまめに汗を拭き取る、②ジャストサイズのマスク を選ぶ、③保湿をする、④自分に合った素材を選ぶの4つです。

ここではマスクかぶれ対策の4つのポイントについて、詳しく解説していきます。 矢込 香織(看護師/ライター)

【目次】
  1. マスクかぶれの原因は蒸れ・摩擦・接触
  2. ①マスク内の余分な水分を拭き取る
  3. ②ジャストサイズで摩擦を防ぐ
  4. ③保湿成分の含まれたクリームを使う
  5. ④マスクの素材にも注意!直接触れないための工夫も


マスクかぶれの原因は蒸れ・摩擦・接触

肌には本来、細菌やウイルス、紫外線や化学薬品から私たちの身体を守るバリア機能が備わっています。しかしこのバリア機能は、マスクによる蒸れや摩擦によってダメージを受けてしまいます。

これに加えて、蒸れは肌本来の保湿成分を減少させるため、マスクを外したときに肌が乾燥してバリア機能がさらに低下します。また、摩擦はそれ自体が皮膚への刺激となることから、これらが相乗効果を起こして、肌トラブルが一層起こりやすくなります。

これとは別に、マスクと肌が接触してかぶれることがあります。その場合、マスクの素材にアレルギー反応を起こしていることが考えられます。

このように、マスクかぶれなどの肌トラブル対策には、蒸れ、摩擦、接触を避けることが重要です。ここからは、具体的な4つ対策についてご紹介します。


①マスク内の余分な水分を拭き取る

お手洗いに行ったタイミングなどに一度マスクをはずし、ハンカチなどを肌に優しく押し当てるようにして、余分な水分を拭き取ります。

その後しっかりと保湿を行って、蒸れによって失われた保湿成分を補ってからマスクを着けるようにしましょう。


②ジャストサイズで摩擦を防ぐ

摩擦を減らすためには、マスクの縁以外が肌に触れないよう、サイズの合ったものを選ぶことが大切です。一方、触れる面積を少なくしようと小さすぎるマスクを使うと、肌とマスクの間に隙間が生じて、マスクが本来の効果を発揮できませんので注意しましょう。

また、摩擦対策にも保湿は有効です。クリームなどで肌の上に膜を作ることで、摩擦を軽減することができます。


③保湿成分の含まれたクリームを使う

「保湿」と一言でいっても、その効果には2つあります。

一つは肌に水分を与える「モイスチャライザー効果」。蒸れて失った保湿成分を補います。保湿成分として、セラミドや尿素、ヘパリン類似物質などが入ったものを選びましょう。

もう一つが、肌の上に膜を作って水分の蒸発を防ぐ「エモリエント効果」。摩擦対策としても重要です。クリーム状の保湿剤が最適ですが、もし2種類以上の保湿剤を使う場合には、エモリエント効果の高いクリームを最後に使うようにしましょう。


④マスクの素材にも注意!直接触れないための工夫も

マスクの素材にアレルギー反応を起こしてかぶれてしまった場合は、同じものは使わないようにしましょう。かぶれない素材でできたマスクを選ぶことが大切ですが、なかなか手に入らないときには、マスクの間にカーゼを挟むなどして、肌とマスクが直接触れないようにするとよいでしょう。

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マスクかぶれが悪化した場合は治療が必要です。

肌トラブルを起こしたところが赤くなっている、腫れている、熱を持っている、痛みがある場合は炎症が起きていることがあるので、一度皮膚科を受診しましょう。

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イラスト:安里 南美

このQ&Aに回答した人

矢込 香織
矢込 香織(看護師/ライター)

大学卒業後、看護師として大学病院やクリニックに勤務。その後、メディカル系情報配信会社にて執筆・編集に携わる。現在は産婦人科クリニックで看護師として勤務をするかたわら、一般生活者のヘルスリテラシー向上のための情報発信を行っている。