- 質問
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老人ホーム入居のため、実家の群馬から父を呼び寄せたのですが、こちらに父の友人はおらず、ホームで楽しく過ごせるか心配です。
入居後に友達はできるものでしょうか?他の入居者の方と交流する工夫があれば教えてください。
- 回答
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老人ホームの入居のなかには、積極的に話しかけたり集団でコミュニケーションを取ったりするのが苦手、という方も少なくありません。
しかし、入居者同士が触れ合えるイベントが開催されたり、スタッフが交流を深められるよう誘導してくれたりするなど、友達が作れるチャンスや仕組みがたくさんあります。そのため、日常生活を共に過ごすなかで、自然に話しの合う相手が見つかることでしょう。
ここでは、老人ホームで入居者同士の交流が深まるための機会や仕組みについてご紹介します。共同生活における不安などを解消するために参考にしてください。
- 【目次】
1.入居者同士が交流するイベント
老人ホームでは、いつまでも元気で楽しく過ごしてもらえるよう、また、入居者が退屈しないよう、レクリエーションやイベントなどを実施しています。
レクリエーションでは、毎朝の体操、月曜日は脳トレ、水曜日はネイルケア、金曜日は書道・写経など、曜日ごとに決まっているもの。月1回の映画鑑賞会や音楽会、ゲーム大会など多種多様です。1ヶ月ごとに予定表が作成され、廊下の掲示板などに貼り出されています。
その他、お正月は餅つき、2月は節分の豆まき、3月はひな祭りと、毎月、もしくは季節ごとにホーム内でイベントが開催されたり、春はお花見、秋は運動会に紅葉散策、日帰りバス旅行など、外出をしたりして楽しむ企画もあります。
基本的に参加は任意ですが、一緒に時間を過ごすことで自然とコミュニケーションもはかれます。友達を作れる絶好の機会と捉えて参加してみるのもいいでしょう。下記も併せてご覧ください。
2.老人ホームのサークル活動で盛り上る時間、深まる交流
元気なうちに入居する「自立型」の老人ホームでは、気の合う入居者が集まり、サークルや同好会活動を盛んに行っているところもあります。
男性陣に人気の囲碁・将棋・麻雀サークル、女性陣に人気のコーラス、ダンス、フラワーアレンジメントのほか、男女共通で盛り上がるカラオケ大会やビリアード、太極拳、俳句、フォトサークルなど種類は豊富です。
ホームの職員が、サークルのまとめ役をしている入居者を紹介してくれたり、初めて参加するときは付き添ってくれたりするところもあるので、興味のある活動が見つかったら、まずは、職員に相談するとよいでしょう。
趣味の合う入居者同士、自然と会話も弾み、スムーズに打ち解けられるはずです。友達になるのにそう時間もかからないでしょう。また、色々なサークルを体験してみることで、新しい趣味や意外な才能を発見できるかもしれません。
3.老人ホーム内だけでなく地域交流も盛んに
入居者だけでなく、入居者の家族や地域住民と交流できる場を作っているところもあります。
例えば、お誕生日会や、納涼会、クリスマスパーティなど、季節のイベントでは、家族にも案内し、参加を呼び掛けているところもあります。家族に囲まれて穏やかな時間を過ごしながら、家族同士、さらには入居者同士の交流も深まります。
また、老人ホームの共有スペースを開放し、地域住民の方が参加できるセミナーを開催するなど、入居者も地域の一住民という考えから、町内会に加入し、地域行事に参加することで、積極的に外部との交流を深めているところもあります。入居者だけでなくご近所の方とお友達になれるチャンスです。
4.無理に友達を作らず、ひとりの時間を大切にするという考え方も
そもそも、人と交わるのが苦手だったり、ひとりで気楽に過ごしたいという方もいらっしゃいます。例えば、図書ルームで読書に没頭される方、菜園スペースで園芸を楽しむ方、愛犬と一日を共に過ごされる方、また、お元気な間は、町歩きを楽しまれたり、ふらっと風景や花の写真を撮りに出かけられる方など様々です。
ただし、どこの老人ホームでも、図書ルームや菜園スペースがあったり、動物が飼えるわけではありません。ひとりの時間を大切にしたいという場合は、老人ホームを選ぶ際、どのような共有スペースがあるのか、どのような周辺環境が理想かなど、条件を盛り込んでおくとよいでしょう。
まとめ
老人ホームで、入居者同士の交流が深まる機会や仕組みがあることをご紹介しました。
なお、レクリエーションやイベントの開催頻度や内容は老人ホームによって異なります。事前に、スケジュールやこれまでの実績を確認しておきましょう。
また、入居者年齢が離れている方が多かったり、介護度が重い方が多く、話し相手となる方があまりいなかったことに入居してから気づくということがないよう、年齢層や介護度別の入居者数も聞いておくと安心です。
一般的に、老人ホームの入居者は女性の比率が7~8割と高くなっています。特に、男性の場合は、同性の比率や、同じような趣味を持っている方がいるか、一日をどのように過ごされているのかなど、入居前にスタッフに聞いてみるとよいでしょう。
おひとりの時間を大切にしたい方は、ついつい居室に籠りがちになることも考えられます。気分転換にくつろげる空間や共有スペースがあるか、しっかりと確認しておきましょう。