老人ホーム選びで会っておきたい施設長|こんな人には要注意

施設長はホームの舵取り役でありとても重要な人物です。ホーム入居を検討する際は必ず施設長と会って話す機会を設けましょう。

ここでは、施設長の役割、施設長と会うことでわかること、要注意な施設長とは、良い施設長を見極めるポイント、施設長の資質を浮き彫りにする質問などを解説します。

老人ホームの管理者|施設長の役割

施設長には、事業計画に基づいた施設運営の統括責任者としての役割があります。

具体的には下記のようなホーム運営におけるマネジメント業務を行います。

施設長の業務内容

サービス管理
介護サービスなどの提供状況・品質の把握
・感染症などのリスク管理
・指導、改善、体制構築
・トラブル・クレーム対応
財務管理
月額利用料や介護報酬などの収益と、人件費・光熱費・食材費・消耗品などのコストを管理し、適切な収支を保持
・入居者獲得促進
人事・労務管理
スタッフの採用
・教育研修
・適切な人員配置の調整
・労働時間や残業時間・休日休暇の取得状況・福利厚生などの把握

老人ホーム選びで施設長に会うべき理由

老人ホームに入居を検討する際には、契約の前に必ず施設長と会うことが大切です。

なぜなら、サービスを提供するスタッフの上司にあたるのが施設長だからです。施設長の人柄や、施設運営やスタッフに対する考え方がサービスの質に影響を与えると言えます。

施設長と会って話をするときは、下記について探ってみましょう。

経営効率バランスの考え方

介護現場では経営効率だけを求めすぎると十分なサービスが提供できず、スタッフにとって不満やモチベーションが下がる原因になることがあります。

一方で、経営効率を無視しすぎると施設運営がうまく回らなくなり、そのバランスの取り方が重要と言えます。

「施設運営で利益を出すのは難しいと聞いたことがありますが、やっぱりそうですか?」などと世間話のように話題を出してみると、本音が見えてくることがあります。

「介護に利益を求めるなんてナンセンス」または「スタッフには経費や時間効率について厳しく指導している」など極端な回答だった場合は、利益を出さずに回るのか、スタッフに不満が起こらないかなど、突っ込んだ質問をしてみるとよいでしょう。

仕事にプライドとやりがいが持てる職場づくり

サービスの質を決める要因として「スタッフは仕事を楽しんでいるか(仕事にプライドとやりがいを持って取り組んでいるか)」「スタッフ同士の仲は良いか(意見を活発に言い合えるか、チームワーク・協調性のある職場か)」の2点が特に重要です。

そのようになっているか、それに向けてどのような工夫や取り組みを行っているかを聞いてみましょう。

スタッフを大切に思う気持ち、愛情

スタッフを大切に思う気持ちや愛情を持っているかは、施設長の施設に対する気持ちのバロメーターでもあります。

プライベートも含めてスタッフに悩みはないか、困っていることはないか、体調はどうかなど細かな目配り心配りをしているか、そういう余裕があるかなどを探ってみましょう。

「スタッフの方々の仕事は大変ですよね。体調管理などはどうされてるんでしょう?」などの質問に、スタッフから聞いている具体的な方法などが返ってくればコミュニケーションをしっかり取っているということがわかります。

こんな施設長は要注意!

介護や施設の知識が足りない

施設長の中には、親会社からの出向や他業界から転身してきたなど、現場を経験していないため知識不足の人もいます。

施設長になってどのくらいの期間が経つのか、今後頼りになる施設長になれるかを見極める必要があります。

目の前でスタッフを怒鳴る

入居検討者であるお客様の前でスタッフを怒鳴るのは言語道断です。周囲や入居者への配慮ができない、感情のコントロールができないことの現れです。

入居者が施設長に対して笑顔を見せない

入居者は、良いサービスを受けていれば、その施設の管理者である施設長のことも信頼しているはず。自然に施設長に向ける表情は笑顔になります。

そのため、施設長に対して笑顔を向ける入居者が少ない場合は、満足度が低いと考えられます。

スタッフに対する信頼や愛情が感じられない

施設長が施設の特長やサービスの説明をする時は、スタッフの素晴らしさや彼らに厚い信頼を寄せていることに言及するものです。

そのような発言がなかったり、施設長に対するスタッフの態度がよそよそしいと感じる場合は、サービスの質も低下していることがあります。

上から目線の言動が目立つ

「施設運営はサービス業である」という心得がなく「お世話をしてやってる」といった内容の発言をする場合は、スタッフにもその考え方が伝播しているものです。

あるいは、サービス業と心得ているスタッフからは信頼を得られず、結果として質の高いサービスにはつながりません。

良い施設長の見極めポイント

良い施設長とは「施設長として信頼に足る人」であり、それを見極めるには以下のポイントを押さえることが大切です。

施設長の業務内容

サービス管理
介護サービスなどの提供状況・品質の把握
・感染症などのリスク管理
・指導、改善、体制構築
・トラブル・クレーム対応
財務管理
月額利用料や介護報酬などの収益と、人件費・光熱費・食材費・消耗品などのコストを管理し、適切な収支を保持
・入居者獲得促進
人事・労務管理
スタッフの採用
・教育研修
・適切な人員配置の調整
・労働時間や残業時間・休日休暇の取得状況・福利厚生などの把握

これらを見極めるためには、いろんな質問や要望を投げかけてその回答や姿勢から読み取ることが有効です。下記5つの質問を参考にしてください。

1.「過去に起きたクレームとその対処事例を教えてください」

クレーム事例などの施設にとっての弱みを突っ込む質問は、その回答で施設の体質がわかります。

失敗事例も含めて内容を開示する姿勢は、誠実であることはもちろん、都合の悪いことを隠す隠匿体質はなく、問題の芽が出たときは早いうちに摘み取れる可能性を示唆します。

逆に「特にクレームはない」と答えた場合は問題があります。老人ホーム運営において大なり小なりクレームが起こらないなどありえないからです。

印象の悪いことを隠そうとしているか、施設の状態が見えてない・悪い情報が届かないなど、いずれも施設運営責任者としての資質が問われます。

2.「施設の長所短所を3つずつ教えてください」

施設を常に良いものにしていきたいと思っている施設長は、この質問についてはすぐに回答が出てきます。良いところはさらに伸ばし、悪いところは改善するという意識が強い証拠となります。

3.「短所をどう補っているかを教えてください」

短所についての対応策は、体制づくりやアイディアを募集するなど、職場での取り組みとなります。

その回答内容でチームワークや積極的に意見が出ているかなどの職場の様子を垣間見ることができます。

活気のある職場づくりはやりがいにつながり、施設長の大切な役割の1つです。

4.「入居者に対して注意していることは何ですか」

この質問に対しては、「家と同じような気持ちで過ごしていただく」「入居者様の気持ちに寄り添ってお世話をさせていただく」など綺麗な言葉で返ってくると思います。

その時は、さらに「具体的には何をしているのか」を突っ込んでみましょう。本当に深くそれについて考えているかが浮き彫りになります。

5.「スタッフへの対応で注意していることは何ですか」

スタッフの仕事環境を整えることが、サービスの質を左右することを、理解しているかがわかります。

研修などスキルアップができる体制の充実、仕事にやりがいやプライドが持てるような声かけ、休みがきちんと取れる労働環境整備などの回答は、スタッフを大事に思っていることがわかります。

施設長が施設の良し悪しを左右する

施設長はホームの舵取り役であり、施設長のキャラクターや考え方でホームの雰囲気は変わります。ホームの入居検討をする際には、必ず施設長との面談の時間を設けましょう。

いくつも展開している大手の有料老人ホームなどは、異動で施設長がたびたび変わることがあります。

それでも、施設長と面談することでその運営企業の採用力や教育研修のレベルがわかりますので、施設に関する情報として有効であり大切です。

老人ホームの見学予約する際は、施設長に同席してもらうよう伝えておきましょう。

それが叶わなかったけれど、見学した結果そのホームへの入居を前向きに検討したいと思った時には、契約前に必ず施設長と会う機会を持ちましょう。

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著者

武谷 美奈子

武谷 美奈子(シニアライフ・コンサルタント)

学習院大学卒 福祉住環境コーディネーター 宅地建物取引士
これまで高齢者住宅の入居相談アドバイザーとして約20,000件以上の高齢者の住まい選びについての相談を受ける。 「高齢者住宅の選び方」「介護と仕事の両立」等介護全般をテーマとしたセミナーの講師をする傍ら、テレビ・新聞・雑誌などでコメンテーターとして活躍。 また日経BP社より共著にて「これで失敗しない!有料老人ホーム賢い選び方」を出版。

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