入居相談員から見極める|よい老人ホームの選び方

老人ホームを見学する際、案内や説明を行うのが入居相談員です。多くの場合、特定の人が入居するまでの担当者となります。

入居相談員によって、良くも悪くも受けるホームの印象を左右され、受け取る情報の質も変わってきます。

ここでは、入居相談員の役割、入居相談員に確認すべき項目、ホームの現状を引き出す質問方法、良い入居相談員の見極めポイント、要注意な入居相談員などを解説します。

入居相談員の役割

老人ホームにおける入居相談員の役割とは、入居を検討している方にサービス・特徴・メリットなどをPRし、入居を促進させる「営業マン」です。

老人ホーム選びをしている方にとっては、「窓口としてさまざまな相談や質問に対応してくれる人」で、最初に出会う「ホームの顔」とも言えるでしょう。

具体的な業務は、入居検討している本人や家族の入居相談、ホームの見学案内、契約業務などがあります。

入居相談員には特に資格要件はありませんが、介護全般の知識が問われる業務の性質上、現場経験や資格を持っている人も多いです。

入居相談員は入居するまでの相談窓口で、一般的に入居後に関わることはそれほど多くはありません。入居後は「生活相談員」や「ケアマネジャー」が相談窓口となります。

入居相談員に確認すべきこと

老人ホームの見学時には、入居相談員が案内を担当します。説明を聞いて疑問に思ったことは必ず確認しましょう。

例えば、食事は食べられないものが多くので好きなもので対応してほしい、毎日晩酌をしたい、入居後もお稽古事に通いたいなど特別な希望がある場合は、それを叶えてもらえるかの確認も必要です。

質問するときには事例を聞く、条件をつけて聞くなどし、漠然としたものではない具体的な回答を引き出します。

また、過去のクレームやトラブルの有無など施設側が嫌がるような質問をしてみると、回答の内容により入居相談員の資質だけでなくホームの姿勢そのものが垣間見えることがあります。

下記の内容を参考にしてください。

老人ホームを見極める!入居相談員に確認しておく項目

費用について
・入居予定者と同じ要介護度の場合、月額費用の平均はいくらくらいか
・入居者で費用の最も高い人・低い人はそれぞれいくらか
介護・医療体制について
・痰吸引ができる介護スタッフはいるか
・看取りはしてもらえるか、その条件は
・リハビリは誰が提供するか(有資格者か否か)
・リハビリの回数や頻度は希望をきいてもらえるか
食事について
・好き嫌いに対して対応してくれるか(代替え食など)
・小食、偏食の人には、具体的な対応をしているのか
・ソフト食など食事形態への対応はしてくれるのか、追加費用は必要か
入浴について
・決まった曜日以外にも入浴させてもらえるか
・もしも入浴拒否をする入居者にはどのような対応をしているか
レクリエーション・イベントについて
・本人が参加を嫌がった場合はどのように対応するか
・長く続けてきた趣味を続ける方法はあるか
クレーム・トラブルについて
・過去にあったクレームやトラブルの内容
・それに対する対応事例
退去要件について
・入院が長引いた場合、退去させられてしまうのか
・認知症が進んでしまった場合どうなるのか
・医療行為が必要になった場合どうなるのか
・今までの、退去になった具体的な事例とホーム側はどのように対応したのか
契約について
・事前に重要事項説明書等の書類はもらえるか、もらえない場合に納得のいく説明はあるか
・財務諸表など経営状況がわかる書類を提示してもらえるか、もらえない場合に納得のいく理由はあるか

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こんな相談員は要注意!

入居相談員はホームの顔であり、ホームの中で優秀なスタッフが配属されることもあります。

そのため、入居相談員のレベルでスタッフの教育体制や人材不足の状況等、ホームの質がわかるとも言えます。

下記のような入居相談員は要注意と言えるでしょう。

言葉づかいや身だしなみなど、マナーが悪い

業種問わず、社会人としてこれができていないのは問題外です。

介護の知識に乏しく「相談」にならない

必ずしも施設入居だけが正解ではありません。早すぎる入居だと判断したときは在宅介護の選択肢も提示することも「相談業務」の一環といえます。

パンフレットに書いてあること以上の説明ができない

自分の施設の特長を理解していない相談員は要注意。「入居相談員にこの知識レベルの人しか配置できない」という事実は、人材が不足している、または、施設マネジメントが稚拙であると見ることができます。

こちらの要望に対し何でも「できます」と簡単に言い契約を急がせる

何でもできると簡単に言う理由として、現場への理解不足、あるいは、入居者獲得に焦りがあることが考えられます。

後者の場合、契約を急かされることも起こります。それにはノルマがきつい、あるいは経営がうまく回ってないなどの事情が隠れています。

「できる」ことの根拠、契約を急ぐ理由を聞いてみましょう。

良い相談員の見極めポイント

良い入居相談員とは、入居検討者に、「そのホームに入居すべきかどうかの正しい判断材料を十分に与えられる人」と言えます。

その資質として、下記のような人であるかが見極めるポイントとなるでしょう。

こんな人は要注意

前項でも述べましたが、下記のように社会人としての基本的な部分ができないような入居相談員には、大切な身内の相談などできないと考えてよいでしょう。

・質問に対して回答が曖昧である
・嘘と思われることを平気で言う
・質問に対する回答が適当(一度言ったことを後から訂正することも多い)
・間違えたことに対して謝罪がない
・対応が遅い

介護全般や現場の知識を十分に持っていること

さまざまな相談に対応するには十分な知識が必要です。その範囲は、そのホームの現場だけでなく、競合他社の状況や、介護保険制度、医療に関する知識や在宅介護サービスの特徴まで、多岐に渡ります。

良い入居相談員とは継続的に情報収集を行い、勉強を続けている人です。

入居検討者の立場になり、客観的な判断ができること

例えば医療依存度の高い方や認知症が進行している方などに対して、状態が進んだ場合対応ができないのであれば、その旨を伝え、その先の選択肢にはどういうものがあるのかまで情報提供をするなど。

さまざまな身体状況や経済状況などに合わせて、客観的な判断のもと最適な提案や情報提供ができる人です。

また、入居検討者はデリケートな心持ちであるケースも多いので、ご家族の気持ちを汲み取りながら言葉選びに注意してコミュニケーションができる人です。

ホームに愛着を持っていること

自分が担当しているホームが好きだからこそ、表面的ではない特長を見つけることができ、情報の量や質を高めることができます。

入居相談員の仕事にプライドを持っていること

仕事にプライドを持つことが、努力を続け自分を高めようとするモチベーションを保ちます。

解決策を示すことができる

個別の要望や医療対応など対応が困難なケースでも、福祉用具・機器の導入や外部サービスを利用すれば対応できるなど、解決策を一緒に考え提案してくれる。

より良い施設に入居するために

入居相談員は、その老人ホームに対する印象の多くを作る人であり、誰が担当になるかで受け取る情報も変わってきます。

正確な情報を得て的確な判断をするには、入居相談員を見極めて対応することが大切です。

入居相談員とコミュニケーションがうまくいかない、何だか信用できないと感じた場合は、遠慮せずに担当を変わってもらうことを要求しましょう。

運営会社の本部に相談すれば変更もできます。それでも代わり映えがしない時は、別のホームを検討する余地があります。

【あわせて読みたい】老人ホーム選びで施設長と会うべき理由をプロが解説!

著者

武谷 美奈子

武谷 美奈子(シニアライフ・コンサルタント)

学習院大学卒 福祉住環境コーディネーター 宅地建物取引士
これまで高齢者住宅の入居相談アドバイザーとして約20,000件以上の高齢者の住まい選びについての相談を受ける。 「高齢者住宅の選び方」「介護と仕事の両立」等介護全般をテーマとしたセミナーの講師をする傍ら、テレビ・新聞・雑誌などでコメンテーターとして活躍。 また日経BP社より共著にて「これで失敗しない!有料老人ホーム賢い選び方」を出版。

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