質問

要介護3の母親が入居する有料老人ホームを探しています。
いくつか気になる老人ホームのパンフレットを取り寄せましたが、見比べても目立った違いが分かりませんでした。
サービス内容の違いは、どういった部分から分かるのでしょうか。

回答
西村 英記

老人ホームは数も種類も増加しているうえに、老人ホームの比較サイトや介護関連の書籍など巷に様々な情報が氾濫しています。
パンフレット・ホームページ上の画像や映像では、ホームの外観や内部設備等の様子についてはよく分かりますが、細かいサービス内容については、重要事項説明書等の書面を比較することで各ホームの特徴が明確化させることができます。

ホーム選びの際には、実際に自分の目で確かめた情報を整理し、冷静に判断することが大切です。では実際にどのようなポイントに着目していけばよいのかを見ていきましょう。 西村 英記(NPO法人あい・ライフサポートシステムズ/事務局長)

【目次】
  1. 1. 老人ホームのパンフレット等を見て分かること
  2. 2. 老人ホームで提供されるサービスの違いとは
  3. 3. より詳細な特徴を知る方法は「施設見学」や「体験入居」
  4. 4.入居者本人がどんな生活を送りたいかがポイント
  5. まとめ

1. 老人ホームのパンフレット等を見て分かること


老人ホームの情報を知ることができる主な書類としては入居契約書、重要事項説明書、管理規程、パンフレットなどがあります。
これらは無料で資料請求ができたり、老人ホームの公式ホームページからダウンロードできる場合もあります。具体的にパンフレットやホームページからどんなことが分かるのか、一例を挙げてみましょう。

事業主体 ホームの種別(介護付き/住宅型など)や所在地、代表者など
ハード 建物の概要(居室の間取り、面積、構造など)
サービス内容 運営方針、生活支援・生活相談サービスの大まかな内容と種類
価格 入居時費用、月額利用料、オプションサービス費用など
人員体制 要介護者とスタッフの人数比率を表すもの(有料老人ホームでは3:1が最低基準)
看護師や機能訓練指導員等の配置について
健康管理 医療連携(協力医療機関、夜間の対応)について
共用施設・設備 浴室やラウンジ、リハビリルームなどの設備情報
食事 レストランの様子、食事の内容
レクリエーション 日常行われるレクの内容。お花見などのイベントや外出行事など
周辺環境 アクセス、近隣の公園や商業施設。名所など


2. 老人ホームで提供されるサービスの違いとは


老人ホームで提供される主なサービスは、「食事・介護医療支援・アクティビティ・生活支援・健康管理・生活相談」があります。
もちろん、全ての老人ホームがこれらすべてを提供している訳ではありません。
職員の配置数、生活相談サービスの種類や費用、協力医療機関との連携度合、レクリエーションの種類等については、上記の入居契約書、重要事項説明書、管理規程の記載から客観的に理解できることがほとんどです。

その中でも、例えば

①リハビリ
週に何回利用可能なのか?
個別対応は可能か?
どんな内容でどんな効果が期待できるのか?

②レクリエーション
内容と頻度は?
有料・無料?
一人で出来るものか他の入居者と一緒でないと出来ないのか?

③入浴について
週に何回入浴できるのか?
毎日入りたい場合対応してもらえるか?追加料金は必要なのか?

というように、興味をもったり老人ホーム側に希望する内容があれば、さらに掘り下げて確認していくとよいでしょう。


3. より詳細な特徴を知る方法は「施設見学」や「体験入居」


上記で述べた内容をより詳細に知る方法ためには以下のような方法があります。

①施設見学

自分の目で事実を確かめることが一番の根拠づけになります。自分が実際に入居することをイメージして見学しながら、気になる点を老人ホームの施設長等にその場で都度質問し、疑問点を解消することができます。

②体験入居

実際に一日の流れを体験することで、具体的に入居後の生活がイメージできます。共用部分の手すりの高さや居室内の動線など、利用するまで分からない部分についても意識できます。

③福祉サービス第三者評価事業

福祉施設などで提供されるサービスの質を、外部の評価委員が専門的な視点で客観的に評価する取り組みです。特にホームのアピールポイントになる点は、この第三者評価のデータを参考にするのが良いでしょう。

全国社会福祉協議会 第三者評価事業
http://shakyo-hyouka.net/

すべての老人ホームの評価が掲載されているわけではありませんが、もしも希望するホームがあれば、その情報を比較してみると良いでしょう。

④老人ホームの口コミサイト

実際にサービスを利用された方や見学した方の声なので非常に具体的ですが、投稿者の主観によるところが大きいため、書いてあること全てを鵜のみにしてしまわないように注意が必要です。また、口コミ投稿時に行っていたサービスやレクリエーションでも、現在は中止している場合があります。


4.入居者本人がどんな生活を送りたいかがポイント


家族として、本人にどういった生活をしてもらいたいか、という希望があると思います。
しかし、まず一番に考えていただきたい点は、本人がどんなふうに暮らしたいと考えているか、という視点です。
居室の面積や設備の有無といった老人ホームのハード面(建物)だけで入居を判断するのではなく、入居する本人が希望する生活のイメージに合致するホームであるかどうか
、が大切です。

 

まとめ


インターネットで検索したり、資料請求などと平行して、本人が、どのような暮らしをしたいか、いつ頃入居したいか、サービスのどういった部分を重視しているのか、といった点を明確にすることが必要です。

そのうえで、
①ビジュアルイメージが湧きやすい情報(パンフレットやホームページ)
②重要事項説明書等の客観的データ書類
③第三者評価の内容
④実際に自分の目による事実確認(見学、体験入居)

などから総合的に判断すると良いでしょう。

上記の内容を踏まえて、まずは予算や希望エリアから3~4か所のホームに絞ります。そこからは実際に見学し、こちらの要望に叶うホームであるかどうか、各ホームの特徴を表して検討することをおすすめいたします。

このQ&Aに回答した人

西村 英記
西村 英記(NPO法人あい・ライフサポートシステムズ/事務局長)

NPO法人あい・ライフサポートシステムズ/事務局長
かず総合コンサルティング研究所/エリアマネージャー
行政書士法人御池事務所/行政書士
介護保険の評価調査員/外部評価、第三者評価
これからの人生を楽しく過ごすための終活トータルサポートを行う。