
名古屋市内の住宅地に位置する、「メディカル・リハビリホームグランダ塩釜口」。介護事業30周年を迎える「ベネッセスタイルケア」が運営しています。2025年3月、「住宅型」から「介護付き」の有料老人ホームへと移行し、サービスを拡充しました。
もともと多様な魅力を備えた同施設ですが、介護付きへと変わったことでどのように変わったのでしょうか? 新たにホーム長に就任した上田智之さんに、施設の運営方針や今後の展望について伺いました。
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外観/土地の所有形態:事業主体非所有 建物の所有形態:事業主体非所有
生活の質にこだわる親身なケア。経管栄養から経口摂取へ回復したご入居者様も
──はじめに、上田さんが介護業界に入られたきっかけや、これまでのキャリアについてお教えください。
上田さん:もともと介護とは全く別の業界で働いていました。しかし、父が体調を崩し在宅介護が始まったことが、この仕事を志す大きなきっかけになりました。在宅介護の際に訪問介護のスタッフさん達が親身になって支えてくださり、その存在がどれほど頼もしいものかを実感しました。介護の仕事が人を助け、社会にとって必要不可欠なものだと強く感じたのです。
この経験から介護の道を志し、2006年に「ベネッセスタイルケア」に入社し、介護スタッフの職に就きました。その後、キャリアを積み10年以上にわたりホーム長として施設運営を担い、2024年12月より「メディカル・リハビリホームグランダ塩釜口」(以下、グランダ塩釜口)のホーム長を務めています。
──「グランダ塩釜口」の特徴や強みをお教えください。
上田さん:当施設では、24時間365日、夜間も看護職員を配置し、医療的ケア(診療の補助)を必要とされる方でも安心感をもって生活していただける体制を整えています。
また、ベネッセスタイルケアでは、“その方らしさに、深く寄りそう”という理念を掲げています。たとえ医療的ケア(診療の補助)が必要な状況であっても、ご入居者様には生活の場として、自分らしい暮らしを送っていただきたい。そんな想いを持つスタッフが揃っていることも、当施設の大きな強みです。
1Fエントランスラウンジ

Aタイプ居室(74室中74室)
──スタッフの方々の想いを感じるケアの具体例がありましたらお聞かせください。
上田さん:例えば当施設には、ご入居時には経管栄養だった方が、リハビリを行うことで経口から摂取できるようになった方が何人もいらっしゃいます。これは決して簡単なことではなく、医師や看護師、機能訓練指導員と介護スタッフなど多職種が連携しながら、慎重かつ手厚いケアをつづける必要がありました。また、すぐに改善がみられることではありません。時間がかかっても決してあきらめない気持ちと、「その方らしさ」や「生活の質の向上」に対する想いが、スタッフ全員に根付いているからこそ実現できたと思います。
職種を越え、スタッフの連携を強化。希望の暮らしを全力でサポート
──「グランダ塩釜口」は2025年3月に、住宅型から介護付き有料老人ホームに生まれ変わりました。どのような変化がありましたか?
上田さん:ご入居者様の生活プランを検討する多職種カンファレンスに、現場の介護スタッフが積極的に参加するようになりました。ご入居者様のお気持ちやお人柄を間近で見ているスタッフが加わることにより、「その方らしい暮らし」のサポートがより充実すると考えています。
1Fダイニングルーム兼機能訓練室

1Fウッドデッキ
──「その方らしい暮らし」のサポートを行う上で、工夫なさっていることはありますか?
上田さん:ご入居者様をよく知ること。そして、ケアマネジャー、看護職員、機能訓練指導員、介護職員など多職種の連携を深めることが重要だと考えています。そのため、当社オリジナルの「その方を知るシート」を作成・運用しています。
このシートは職種の異なるスタッフたちが目線合わせを行うためのツールで、「その方らしさ」や「ありたい姿」など、ご入居者様やご家族様との面談、および普段のコミュニケーションから得た情報が集約されています。その情報をもとにその方に最適なサービスを考え、多職種全員が同じ目標を見据えて連携しながらご入居者様をサポートいたします。
4Fティールーム

1Fカラオケスペース
──職種を越えて連携が取れているのは心強いですね。さらなるサービス向上に向け、ホーム長として心がけている事はありますか?
上田さん:ご入居者様と日々接するのは介護職員ですが、ご家族様と直接やり取りする機会が多いのは私やケアマネジャーなどのスタッフです。そのため、ご家族様と現場のスタッフとのかけ橋となることを意識しています。
特に大切にしているのが、生活プランに関するご本人様やご家族様の想いの共有です。なぜそのプランを選択したのか、どのような背景やご希望があるのかを、介護職員をはじめ多職種に共有していくことを心掛けています。
──ご本人やご家族の想いを介護スタッフに届け、何かが変わった具体的なエピソードはありますでしょうか?
上田さん:つい先日のことです。お身体の状態からトイレの使用を断念していたご入居者様が、ご家族様を通じて「できればトイレを使いたい」と希望されていることを知りました。その方はとても穏やかで控えめなお人柄で、普段はほとんど自己主張をされません。そんな方が唯一、「トイレに行きたい」という希望を口にされたことを受け、ご家族様も「叶えてあげたい」と強く願われていました。
実をいうと、そのご入居者様は立位も座位の保持もままならず、トイレの使用は転倒のリスクが高い状態。そのため、介護職員はトイレの使用に不安を抱いていました。しかし、私はご本人様の願いや、ご家族様の強い想いを伝えた上で、多職種で話し合いました。すると、すぐに「そういうことなら、安全に配慮しながらなんとか実現できないか考えましょう」と前向きに動いてくれました。
ご本人様やご家族様の想いを多職種がきちんと理解することは、より良い形でご希望をかなえることにつながると思います。また、ホームスタッフ一同ご入居者様の笑顔やお元気になる姿を拝見して充実感を得られ、いっそう誇りを持って仕事に向き合えると考えています。
体力維持から認知症予防まで充実のリハビリ体制!
──介護付き有料老人ホームに変更されたことで、リハビリ体制も変わったのでしょうか?
上田さん:はい。リハビリテーションルームの改装、機能訓練機器の増設、機能訓練指導員の人員配置など、環境を大幅に充実させました。
従来から人気の「ご入居日から3か月間、週5回の集中リハビリ」プログラムも継続中です。さらに、作業療法士(OT)や言語聴覚士(ST)などの機能訓練指導員を迎え、認知症予防を含むさまざまなリハビリに対応できる体制が整いました。
1F機能訓練室

1F機能訓練室
──「入居すると元気になれる」という期待が高まりそうです。
上田さん:ありがとうございます。リハビリ体制の強化により、医療的ケア(診療の補助)が必要な方のケアだけでなく、介護予防を目的としたリハビリを望む方のサポートもより手厚くなりました。医療、リハビリ、日常のケアをかけ合わせ、「その方らしい暮らし」を支えていきたいと思っています。
──今後、「グランダ塩釜口」をどのような場所にしていきたいか、お聞かせください。
上田さん:ご入居者様のお気持ちに寄りそうことを何よりも大切にする、温かな生活の場でありたいと考えています。ご本人様やご家族様の希望を叶え、ともに喜びを分かち合い、「ここを選んで良かった」とおっしゃっていただけたらこんなにうれしいことはありません。
──最後に、施設入居を検討中の方へのメッセージをお願いします。
上田さん:施設選びは、実際に訪れて雰囲気を感じることが大切です。ご見学は気軽にいらしていただきたいです。私がご案内いたしますので、何でも気兼ねなくお尋ねください。お待ちしております。
※「メディカル・リハビリホーム」は、ベネッセの有料老人ホームの中で、24時間365日看護職員を配置し、機能訓練指導員(理学療法士・作業療法士・言語聴覚士などの有資格者)を介護保険制度における常勤換算方式で概ね1名配置したホームです。
職員体制比率:2.5:1※要支援者および要介護者2.5名に対し、介護・看護職員を1名以上(常勤換算週40時間)
看護職員体制:24時間配置
看護職員(看護師または准看護師)を常勤換算(週40時間換算)で2名配置(満床時)。
夜間帯最小人数:夜間帯(22時~翌6時)最少時は介護職員2名、看護職員1名を配置(満床時)。 ※人数はシフト数を記載
※ご入居日から90日間、1回20~30分の個別リハビリを7日あたり最大5回実施し、91日目以降は原則、週1回実施いたします。「メディカル・リハビリホームグランダ塩釜口」の長期利用契約(入居金型契約または月額支払い型契約)を締結された方が対象です。
(記事中のサービス内容や施設に関する情報は2025年3月時点の情報です)