老人ホームに入る前の、在宅介護の期間はどのくらい?アンケートで調査
老人ホームに入居される方のうち、多くは入居前に在宅で介護を受けています。ご入居前、どのくらいの期間在宅介護を受けていたのでしょうか。LIFULL介護で行ったアンケート調査をもとに見てみましょう。
- データの出典
- 2019年「介護施設入居に関する実態調査」LIFULL介護
- 調査方法
- インターネット調査
- 調査対象
- 家族・親族の中で1年以内に介護施設入居者がいる方、または家族・親族の介護施設の情報収集や選定に関与した方
老人ホームに入居した方が、在宅介護をされていた期間の平均は?
下記のグラフは、老人ホームに入居された方が、入居前にどのくらいの期間在宅介護サービスを利用していたかの平均値を、サービス別にまとめたものです。
「居宅介護支援」と呼ばれるサービスは、ケアマネジャーがケアプランを作成して必要な介護サービスを受ける手続きを行うものです。そのため、「居宅介護支援」の利用期間は、ほぼ在宅介護を受けた期間と考えて良いでしょう。
アンケート調査では、「居宅介護支援」の利用期間は平均で約3年という結果が出ました。つまり、老人ホームに入居された方は、平均して約3年間在宅介護を受けていたと言えるでしょう。
どんなタイミングで老人ホームを検討するか
在宅介護をしていて、どんな場合に老人ホームへの入居を考えるかは人それぞれ違います。一概に何年何か月やれば施設入居を考えるべきという期間はありません。しかしながら、タイミングがつかめない方も多いと思うので、まずは下記を参考にしてください。
- 独居の方で、薬の飲み忘れをご自身で認識されていて不安を覚えたとき
- 身体機能の低下してきて、トイレが間に合わない、排泄に介助が必要となるとき
- お風呂の浴槽跨げないとなったとき
- 家族が介護していて、生活に支障が出ているとき(大幅に睡眠時間が削られる、介護離職)
- 在宅介護をしているが、家にいった際の匂いが気になるとき(尿臭など)
在宅介護と施設介護のメリット/デメリット
どこまで在宅介護を行い、どんなタイミングで施設介護に移るか、考える上で参考にしたいのはそれぞれのメリットとデメリットです。以下に整理してみましょう。
在宅介護
メリット
- これまで過ごしていた自分の家で自分のペースで生活ができること
- 施設に入居するより介護費用がかからない
- 新たに人間関係を構築する必要がない
デメリット
- 同居する方の負担が大きい
- 緊急時の対応が難しい
- 24時間の見守りは難しい
- 人との交流が少ない場合もある
- 家の作りによっては、転倒などの危険性もある
施設介護
メリット
- プロによる専門的なケアを受けることができる
- 施設によっては24時間見守りを受けられる
- 入居者同士の交流があり、孤独感が薄れる
- 家族の負担が軽減される
デメリット
- 費用が在宅介護と比較して高額
- 住み慣れた我が家から住み替えなければならない
- 施設により生活の自由度が制限される場合もある
- 人間関係の問題が起きる場合もある
しかし、ご家族の生活や介護を受ける方の状態が変わり、在宅介護のデメリットがデメリットを上回るようであれば、そこが入居のタイミングと考えて良いでしょう。
多くの方は入居までに3年の在宅介護を続けていることがわかりましたが、これはあくまでもデータの話であり、入居のタイミングがどこでやってくるかはご家族それぞれで異なります。