【はじめての方へ】高血圧性脳症|激しい頭痛や嘔吐などを招く脳の障害

高血圧性脳症

高血圧性脳症は異常な高血圧によって脳の機能が破綻し、血管がけいれんを起こし、脳内に出血や梗塞、むくみが起こる病気です。治療が遅れると死に至ることも。

ここではその症状から治療法までを紹介していきます。

急激な高血圧が発症の原因に

高血圧脳症とはその名のとおり、急激な高血圧により引き起こされる頭痛、発熱、意識障害、けいれんなどの症状です。

一般に180/110mmHg以上の異常高血圧を呈しますが、症状が出るのは血圧の値そのものだけで決まるわけではなく、それまでの血圧管理の状況やどれくらい急激に血圧が上がったのか、なども関係します。

慢性的な高血圧の人、腎不全など腎臓に病気を持つ人、また妊娠高血圧症候群などの人に起こりやすい傾向が見られます。急激な血圧の上昇により脳の機能が著しく低下し、脳内の血管がけいれんを起こして、出血や梗塞、むくみが起こり始めます。

それにより頭痛、発熱、意識障害、けいれんなどの症状が見られるようになります。

主な症状は「頭痛、嘔吐、意識障害」    

高血圧脳症の主な症状は激しい頭痛、嘔吐のほかに意識がなくなったり、全身がけいれんしたりします。ほかにも、目(網膜)の血の巡りが悪化しまわりのものがぼやけて見えたりするような視覚障害が現れることもあります。

高血圧脳症をそのまま放置すると、もともと腎不全を患っていた人はその症状が悪化し、死に至ることもあります。脳内で出血、梗塞を起こしているため、症状の悪化は死に繋がります。

治療には降圧薬を用いる

高血圧脳症の治療には、血圧を下げるための降圧薬や脳圧降下薬を使います。

ただし、急激に血圧を降下してしまうと心臓や腎臓などに負担をかけることがありますので、慎重に血圧を下げます。けいれん等がある場合は、入院して頻回に血圧を測りながら点滴で降圧していきます。

予防法は生活習慣や服薬などの血圧管理

この病気は、すでに高血圧である人や、腎不全や妊娠高血圧症候群と診断されている人に起こる傾向が見られます。

食事に関しては塩分制限に心がけ、すでに処方された降圧薬がある人は欠かさず飲むことが予防法となります。

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イラスト:坂田優子

この記事の制作者

橋本 優子

著者:橋本 優子(看護師編集者)

大学卒業後、出版社にてビジネス誌の編集に携わる、その後、出産をきっかけに看護師資格を取得。病院勤務後、「看護」「医療」の知識を活かした情報発信をするため、現在は健康に関する記事の企画、取材、執筆、編集までを行う。

伊東 大介

監修者:伊東 大介(慶應義塾大学医学部神経内科・准教授)

1967年生まれ。1992年、慶應義塾大学医学部卒業。
2006年より、慶應義塾大学医学部(内科学)専任講師。総合内科専門医、日本神経学会専門医、日本認知症学会専門医、日本脳卒中学会専門医、日本医師会認定産業医。
2012年、日本認知症学会学会賞受賞。

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