UKEblog(No.009): レジリエンス
梅雨真っ盛りですね。更に台風が次から次へと押し寄せて来ており、ヤフー天気とウェザーニューズのあわせ見の毎日です。「線状降水帯」という言葉もだいぶん耳慣れてきましたが(正確にいつから使われ始めたのかは分かりませんが、、)、近年の甚大な被害をもたらす豪雨災害のことを考えると「線状降水帯」発生の発表を聞くと身構えるようになってきました。最近はあまり聞くことがなくなりましたが、恐ろしいものを列挙した「地震・雷・火事・親父」(私が子供の頃はすでに親父は台風に代わって教えられましたが)という言葉がありました。今や「地震」と同じくらいに「台風や線状降水帯」の存在は恐ろしいですね。
最近も日本各地で豪雨が発生しており、宝塚においても武庫川や逆瀬川がこれまでにない(私が宝塚に来て以来)すごい水量と水流でした。5月の大雨で武庫川の宝塚大橋の中州にある「生(せい)」の石積みオブジェが流されてしまいました。このオブジェは、宝塚大学出身の現代美術家である大野良平さん(宝塚市在住)によって、阪神淡路大震災10年目の2005年に「街と人の心の再生」を願って制作されました。また宝塚市在住の作家有川浩さんの小説「阪急電車」の印象的なエピソードとして取り上げられました。川の中州に積み上げた石を作品としているため、大雨で武庫川が増水する度に押し流されて消失してしまいます。震災から28年目を迎える今年の「生」はなんと12代目だったそうです。流されては再生し、また流されても再生、何度流されても再生する。これには震災の経験から学び、自然災害に決して負けないという強い意志とレジリエンスの高さを強く感じます。(レジリエンスは英語で「しなやかさや弾力性」を意味し最近では防災や心の持ち方など様々な領域でよく使われています)
私自身も宝塚エデンの園も「生」を見て、あるいは思い出して、レジリエンスを高めていきたいと思いました。
ちなみに、13代目「生」再現の石積みは12月に予定されているようです。是非参加してみようと思います。(石積みの再生は、作者と宝塚市、市民ボランティアによるプロジェクトにより行われているそうです)