東京海上日動ベターライフサービスが運営する『ヒルデモアたまプラーザ・ビレッジⅢ(神奈川県川崎市宮前区)』は、お元気な方を対象とした介護付有料老人ホームです。ホテルのように高級感溢れる内装にきめ細やかなサービス、介護先進国デンマークから学んだターミナルケア(看取りの介護)が特長です。ここで働くスタッフの方々にお話を伺いました。

ご自身ができることはやっていただく。それが自立支援の考え

ヒルデモアたまプラーザビレッジⅢの支配人:松下妙子さん

【ヒルデモアたまプラーザビレッジⅢの支配人:松下妙子さん】


――まずは、ヒルデモアの特長を教えてください。

松下さん:最期までお住まいいただける「『本物の』終(つい)の住処(すみか)」であるということですね。他の会社の老人ホームでは、認知症によって共同生活が難しくなった場合や入院が一定期間に達した場合にホーム側から契約を解除するケースがあるようですが、ここではそういったことはしません。病気や死を怖がって毎日過ごすのではなく、「病気になってもここならきちんと身の回りの世話をしてくれるから大丈夫」「ちゃんと看取ってくれるから大丈夫」と安心して過ごしてもらいたい。そう思っています。

また、介護先進国であるデンマークから学んだ自立支援に力を入れています。介護が必要になっても、ご自身ができることはご自身でやっていただきます。お手伝いして服のボタンを留めて差し上げることは簡単ですが、ご自身で留め終わるまで、待って待って待ちます。手助けすることの弊害は常に意識しています。身の回りのことをご自身でできること、それが一番幸せなことだと思っています。

――余命がわずかになった人を支えるターミナルケアにも取り組んでいますね。

松下さん:ヒルデモアではお亡くなりになったことを隠すような雰囲気はありません。ご入居者が亡くなると、ほかのご入居者にもお伝えします。ヒルデモアたまプラーザ・ビレッジⅢでは、いつもレクリエーションを楽しんでいたお部屋をお通夜や告別式の会場にして、みなさんに参列していただき、正面玄関から見送ります。

そうやって丁寧に見送られる様子を見ると、みなさん安心して亡くなることへの不安が和らぐんですね。「私のときもこんな風に見送ってね」とよく言われます。



――サークル活動も充実していて、安心して楽しく暮らせそうだな、と思いました。

松下さん:ゴルフに園芸、麻雀、コーラスとさまざまなサークルがあります。ユニークなのがマジックですね。マジックが得意なご入居者から「ほかの人に教えてみたい」とご相談を受けたので、メンバーを募集してマジックサークルをつくりました。

難しいので脱落していった方もいましたが、熱心に続けて「マジックに出会えて本当によかった」とおっしゃっている方もいるんですよ。96歳の方で、お孫さん、曾孫さんに見せて喜んでもらえるのが嬉しくて仕方ないみたい。お医者さまの往診のときもマジックを披露していて、「お元気ですね」と言われていました。

残念なことにその方は最近ご病気を発症されたんですが、サークルのメンバーが「またマジックやろうね」と毎日のようにお見舞いに行かれています。人の名前が出てこなくなってしまったんですが、ようやく出てきた名前がサークル仲間のお名前だったそうです。ご家族の方が「私の名前は出てこないのに」と悔しがられていました。でも、そうやってホームに入ってから大事な仲間ができるって、素敵なことだと思いませんか?

歳を取るとできることが減っていくかもしれませんが、いくつになっても新しいことに挑戦する気持ちを持つのは素晴らしいことです。そういう生き方ができるような環境をつくって、お手伝いさせていただきたいと思っています。

ご本人の意志を最大限尊重し要望を叶えていきたい

ナースの青島雪香さん

【ナースの青島雪香さん】

――仕事内容を教えてください。

青島さん:ご入居者の健康管理です。ご病気の場合は受診の手配や主治医とのやりとりも行います。

――以前は病院に勤めていたそうですが、老人ホームと病院とで、仕事に違いはありますか?

青島さん:病院で行うのは治療、有料老人ホームで行うのは看病です。病院でもご本人やご家族の意志は尊重しますが、基本的に主導権は医者にあります。ここは生活の場なので、ご本人のご意志を最大限尊重して、リスクをできるだけ減らしながらご希望を叶えることを目指します。

――印象に残っている出来事はありますか?

青島さん:ご夫婦でご入居されていた方のエンゼルケア、いわゆる死後処置をさせていただいたときのことが印象に残っています。

亡くなられたのは奥様で、旦那様と一緒に「まだ温かいね」「中々お口が閉じないけれど、このほうが彼女らしいかもね」と2?3時間お話しながら体を拭かせていただきました。旦那様は奥様の死に動揺して心が乱れていましたが、ゆっくり丁寧にお見送りすることで、少しずつ奥様の死を受け入れることができたご様子でした。旦那様の気持ちの安定に少しでも役立てていたら嬉しいですね。


――読者へ伝えたいことがあればお願いします。

青島さん:一昨年に出産して時短で働いているんですが、すごく働きやすい職場です。スタッフの半数は子育てをしていて、みなさん相談に乗ってくださるんです。ご入居者が気にかけてくださっていて、本当にありがたい環境です。そこに甘えずに、貢献していきたいなと思っています。

入居者さまの「なぜそうしたいと思うのか?」を傾聴する

ケアマネージャーの宇山麻衣子さん

【ケアマネージャーの宇山麻衣子さん】

――宇山さんの仕事内容を教えてください。

宇山さん:入居者さまの置かれた状況や希望を伺い、ここでの生活に必要なサービスをご提供するためのケアプランをつくることが仕事です。日々みなさまと接して、「どういう風に暮らしていきたいのかな」「このサービスで合っているかな」と確かめながらプランを更新しています。

――仕事において心掛けていることはありますか?

宇山さん:ご入居者の気持ちをしっかりとキャッチしていくことですね。認知症で思っていることを言葉にできない方もいますし、中々本音を言ってくださらない方もいます。そういうときはご家族や周囲の方に聞いたり、普段の様子をよく見たりするようにしています。

また、「こうしたい」とおっしゃることをそのまま叶えることが必ずしも正しいわけではない場合もあります。たとえば「もっとお風呂に入りたい」とおっしゃる方が、よくよく聞いてみると寂しくて誰かと話す時間を求めていたりするんです。だから、「なぜそうしたいと思うのか」をよく聞き取ろうと心掛けています。

――この仕事をしていて嬉しいと思う瞬間はどんなときですか?

宇山さん:ケアプランに目標を書く欄があるのですが、ご入居者のお話を元に「たくさん外出しましょう」という主旨の目標を設定したところ、「そうそう、それがまさに自分のやりたいことなんだよ」と言ってくださったことがあり、本当に嬉しかったです。これからも、ご入居者に納得してもらえるケアプランを作成できるよう頑張りたいと思います。

ヒルデモアたまプラーザビレッジⅢの取材を終えて



老人ホームのスタッフというと、入居者に直接ケアを行う介護スタッフが注目されます。しかし、様々な職種の方が連携することで、快適な生活環境が保たれているのですね。入居者一人ひとりに向き合うみなさんの姿勢がとても印象的でした。

老人ホームは「介護が必要になってから入居する」というイメージがありましたが、お元気なうちから入居することで、レクやサークル活動を通して生活を楽しむことができると感じました。「介護は必要ないけれど、今の生活は少し不安」という方にこそ、ヒルデモアたまプラーザビレッジⅢはおすすめできるホームだと思います。