神奈川県川崎市宮前区にある介護付有料老人ホーム『ヒルデモアたまプラーザ・ビレッジⅢ』。ここに入居する村島英夫さんは入居時に歩行器を使って移動していましたが、ヒルデモアが提供するさまざまな機能訓練プログラムに参加するうちに、再び自分の足で歩けるようになったといいます。

入居者との交流やこれまでの日々について、村島さんにお話しを伺いました。

老人ホームに対するイメージが変わった体験入居

【入居後に機能訓練を行い、自立歩行まで回復した村島さん】

——村島さんはなぜヒルデモアたまプラーザを選ばれたのですか?

村島さん:一年半前に家内を亡くしまして、最初は食事や洗濯も自分で行っていたんですが、しばらくして脊柱管狭窄症になってしまったんです。

そこで、鷺沼(川崎市)に住んでいる娘が心配してここを見学してビデオを撮ってきてくれました。「素晴らしい施設だから、お父さんも満足できるはずだ」と。

その後私も体験入居をしてみたんですが、俗にいう老人ホームのイメージとはまるで違う。とても快適で、ホテルと変わらないじゃないかと驚きました。

娘が「私たちに遺産を残さなくていい。お父さんが働いて貯めたお金なんだから、全部自分のために使って」と言ってくれたこともあり、入居を決めました。

先輩入居者の勧めで始めたカラオケ教室

【明るい陽射しが気持ちいい開放的なラウンジ】

——ご入居されてからの住み心地はいかがですか?

村島さん:友人たちから「よく(入居に)踏み切ったね」と言われるんですよ。男は新しい環境で友達をつくるのも苦手でしょう。でも、本当にみなさん良くしてくれてね。

真っ先に挨拶してくれた入居者の方に「こないだはどうも」と挨拶をし返していたら、居合わせたケアマネジャーが食事の席を一緒にしてくれたんです。さりげない配慮に、「よく見てくれているなぁ」と思いました。

私の隣の部屋には2つ年上の女性がいるんですが、「せっかくここに入ったんだから、何でも参加するといいよ」とアドバイスしてくれたんです。その方の勧めでカラオケ会にも参加しました。

最初は勇気が要りましたけど、やってみると昔歌った曲を思い出すものですね。「いい声してるじゃないの」「お世辞じゃなくて本当に上手」と言ってもらえて自信がつきました。


【入居後にカラオケ会や短歌を始め充実した毎日を送る】

——ご友人がたくさんできたのですね。

村島さん:今日も93歳の先輩とお話しました。ここには目標となる方がたくさんいて勉強になるんですよ。自分の生き方や考え方にしっかりとした信念を持っていて、かと言って頑固ではない。規則正しい生活をしていて、朝の食事も早くに来てラジオ体操の時間にも遅れず毎回ぴしっと参加する。

やっぱりそういう方だと元気に長生きされるんですね。

——村島さんもそういうタイプのように見えます。

村島さん:そうありたいと思っています。ひとり暮らしをしていたときは、テレビを見るだけで誰とも会話しない日がありました。友人とだって毎日は会えないでしょう。そうすると不思議なもので、声が出なくなるんです。使わないと退化してしまうんですね。

でも、ここに入って、人間ってたくさんの潜在能力を秘めているんだなと思いました。若い頃に家内が俳句をしていて、私も短歌に興味がありました。

特に作っていたわけではないんですが、最近急に作れるようになったんです。朝、目が覚めると出てくるんですよ。今までに50首位つくったかもしれません。

伊藤若冲に魅せられ、その感動を綴った短歌を披露してくれました

【伊藤若冲に魅せられ、その感動を綴った短歌を披露してくれました】

参加者の意欲を引き出す「KONAMIトレーニング教室」

『ヒルデモアたまプラーザ・ビレッジⅢ』では、介護予防のため3段階の体操プログラムを提供しています。その中で最も難易度の高い「KONAMIトレーニング教室」では、全国でスポーツジムを展開するコナミスポーツクラブのインストラクターが講師を務める本格的な運動プログラムです。

内容の質が高く、村島さんもお気に入りだそう。ここで、インストラクターの辻さんにも会話に入っていただきました。

【(右)インストラクター歴20年の辻さん:コナミスポーツ所属】

——まず、KONAMIトレーニング教室の特徴を教えてください。

辻さん:コナミスポーツクラブでは、2006年より全国の自治体からの委託を受け、地域の高齢者を対象とした介護予防プログラムを提供してきました。理学療法士や看護師、健康運動指導士などが監修したプログラムです。

現在ヒルデモアで行っているKONAMIトレーニング教室にも、その経験から得たノウハウが詰まっています。

——具体的にはどんなことを行うのですか?

辻さん: まずストレッチをして、音楽をかけリズムに合わせて有酸素運動、次に筋力トレーニングを行い、最後に整理体操でクールダウンをするという内容です。週に1回1時間で全12回のプログラムとなっています。

明るく元気に進行しながらも、動作に苦労されている方へさりげなくサポート

【明るく元気に進行しながらも、動作に苦労されている方へさりげなくサポート】

——参加者と接する際に心掛けていることはありますか?

辻さん:こうしたプログラムでは「頑張りましょう」と言いがちなんですが、それよりもまず楽しんでいただくことを大事にしています。楽しいから続けられる、続けるから体力筋力が衰えない、体力筋力があるから元気に過ごすことができます。

脳トレをするときは、「できればハッピー、できなければラッキー」と言っています。できないこと、新しいことに挑戦することが刺激になるんですから。

できないことをだめなこと、恥ずかしいことと思う必要は全くありませんし、参加してくださったみなさまがそんな風に思わないよう心掛けています。

明るく元気に進行しながらも、動作に苦労されている方もさりげなくサポート

【辻さんの元気な声が、トレーニングルームに響きます】

——脳トレというとどんな内容ですか?

辻さん:たとえば"デュアルタスク"があります。「ながら運動」とも言いますね。右手と左手で異なる動きをする、足踏みしながら手は違う動きをする、更に声も出す。別々のことを同時に行うことで、脳機能が活性化するんです。

——全12回ということですが、入居者にはどんな変化が生まれますか?

辻さん:初回と11回目に体力測定を行い、効果を確認するのですが、まさに村島さんには大きな変化が生まれました。最初は片足立ちが1.5秒ほどだったのが、現在は16秒にまで伸びたんです。お部屋でも片足立ちを練習されていたそうで、とてもすばらしいと思いました。

入居者のみなさまの前向きな姿勢と笑顔に、私も元気をいただいていますね。

トレーニングルームにKINESIS(キネシス)を導入

【多彩なトレーニングができるKINESIS(キネシス)を導入】

——村島さんにお聞きしたいのですが、参加した感想はいかがですか?

村島さん:私は去年の12月に入居したんですが、実はそのときは歩行器を使っていたんですよ。それがここで過ごすうちにいつの間にか杖になって、自分の力で立てるようになり、今では普通に歩けるようになりました。

自分でも不思議なんですが、やっぱり毎日さまざまな運動プログラムを受けたからではないでしょうか。ラジオ体操やヒルデモア体操など症状が重い人に合わせたプログラムと、元気な人を対象にしたプログラムがあり、自分で選べるところがいいですね。

辻さんはやっぱりすごいなと思います。「この動きはこういう効果がある」と理論を説明してくれるんです。ただ言われた通りに体を動かすのと違って、こちらも納得感があるんですね。

ほかのプログラムよりもちょっと厳しいけど、一度受けて「さすがプロだな」と感心しました。ほかの参加者の方も同じだったようで、「次回も参加しような」と話したんですよ。

【様々な機能訓練の成果もあり、鎌倉へお散歩に行けるまで回復したそう】

——いまではおひとりで散歩にも行かれると伺いました。

村島さん:このあたりは坂が多いので、かえっていい運動になるんです。「國學院大学の前の坂を越えてきた」というとみんなに驚かれますよ。また、ゴールデンウィークは鎌倉に3回行きました。円覚寺と東慶寺にお詣りして、建長寺まで歩きました。

またこうして歩けるようになって、本当にありがたいなと思っています。

辻さん:お話を聞いて私も嬉しかったですし、「もっと精進せねば」と思いました。ありがとうございました。これからもよろしくお願いします!

村島さん:こちらこそ、よろしくお願いします。

ヒルデモアたまプラーザビレッジⅢの取材を終えて

ヒルデモアの行う機能訓練に取り組むことで、村島さんの歩行能力は次第に回復されたそうです。「機能訓練」と聞くと、病院で行うリハビリのような運動を思い浮かべますが、ヒルデモアでは入居者の意欲を引き出すことを意識しています。

今回取材したKONAMIトレーニング教室では、みなさん楽しみながら参加している姿がとても印象的でした。いつまでもお元気でいられるように、「介護予防」という観点から老人ホームを選んでみてはいかがでしょうか。

(記事中の内容や施設に関する情報は2016年11月時点の情報です)