2023年5月にリニューアルオープンを迎えた、介護付き有料老人ホーム「リヤンド -絆-姉崎」。同年8月、施設内に訪問看護ステーションがオープンし、医療依存度が高い方にもご入居いただける「住宅型ホスピス」としての運営がスタートしました。

看護師と介護士が連携し、医療・介護サービスを提供する同施設。一般的な介護付き有料老人ホームとくらべて、どのような違いがあるのでしょうか。施設の特徴や今後の展望ついて、施設長の竹田真さんにお話を伺いました。

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生活と医療を両立する「住宅型ホスピス」とは


──はじめに、竹田さんが介護の世界に入られたきっかけについて教えてください。

竹田さん:私は子どもの頃、とても病弱でした。そのため病院に行く機会が多く、看護師さんがとても身近な存在だったのです。「自分もこんな風に働きたい」と思い、高校卒業後に看護師資格を取得しました。その後は急性期病院に勤務し、長きにわたって医療の現場で命と向き合っておりました。

そこから介護の道に進むことになったのは、父が脳梗塞で倒れたことがきっかけです。幸い命は取り留めたのですが、父の病状は重く、受け入れてくれる施設がなかなか見つかりませんでした。やむを得ずショートステイなどを利用してリハビリを続けたのですが、父の面倒を見る母が、とても苦労していたことを覚えています。

結局、父は最期まで施設に入ることができなかったのですが、あの時の両親のことを考えると、「もし父のような病状の人を受け入れる施設があったら……」。という想いが強く残りました。この体験をきっかけに、介護の世界に入ることを決めたのです。

その後静岡県で特別養護老人ホームなど複数の施設で介護の仕事に携わり、3年前に当施設の母体であるHMS株式会社に入社しました。訪問看護ステーションでの勤務を経て、去年の3月に「リヤンド -絆-姉崎」に施設長として赴任しました。


───「リヤンド-絆-姉崎」の特徴についてお聞かせください。

竹田さん:「リヤンド-絆-姉崎」は介護付き有料老人ホーム(特定施設入居者生活介護)で、看護師・介護士による「生活」と「医療」を両立させたサービスをご提供していることが大きな特徴です。昨年8月、施設内に「訪問看護ステーション」を設置。さらに2・3階の2フロアを医療フロアとし、専門的な医療・緩和ケアをご提供できる「住宅型ホスピス」として、医療依存度の高い入居者さまの受け入れをスタートしました。こちらには36の個室をご用意しているのですが、相談、問い合わせ、病院からのご紹介も多く当施設のケアやサービスが浸透してきております。

───医療依存度の高い方というのは、具体的にどのような方なのでしょうか。

竹田さん:パーキンソン病・多発性硬化症、重症筋無力症・脊髄小脳変性症や筋萎縮性側索硬化症といった 難病を患っていらっしゃる方、がん末期の方、人工呼吸器等での呼吸管理が必要な方など、日常的に医療的ケアが必要となる方です。

一般的な介護付き有料老人ホームの場合、このような医療依存度が高い方は入居をお断りされてしまうケースが多く、なかなか施設に入れないという現状があります。そんな方々に終の棲家をご提供できればという想いで、この「住宅型ホスピス」というサービスに取り組んでいます。





──医療フロアで提供されているサービスについてお聞かせください。

竹田さん:当施設には経験豊富な看護師が24時間365日常駐しており、訪問診療医や近隣の医療機関と連携して専門的な医療的ケアができる体制を整えています。そのため、深夜に病状が急変した場合でも、すぐに対応させていただくことができます。

また、入居者さまの中には、難病や末期がんなどで痛みを伴う症状がある方も少なくありません。そういう方の痛みを緩和し、精神的な苦痛を少しでもやわらげるための緩和ケアもしっかりと行っています。





─―医療依存度が高い入居者さまに対して心がけていることはありますか?

竹田さん:「住宅型ホスピス」は、入居者さまが最期の時間を過ごされる、住まいです。そのため少しでも「その方らしく」暮らしていただけるよう、可能な限り制限を設けないようにしています。

例えば「お酒が飲みたい」という方には、病状に影響しない範囲で少しだけご提供しますし、ノンアルコールドリンクを楽しんでいただく場合もあります。また、「インスタント食品が食べたい」などのリクエストは、可能な範囲で叶えられるようにしています。

──そのあたりは病院と大きく異なる点ですね。

竹田さん:そうですね。やはり病院は病気を治すための場所ですから、厳しいルールがありますし、制限も少なくありません。しかし、「リヤンド-絆-姉崎」は住まいとして、どうしたら楽しく暮らしていただけるかを第一に考えるようにしています。

──ほかに入居者さまに楽しく暮らしていただくために取り組まれていることはありますか?

竹田さん:毎月のお誕生会や、季節ごとの特別イベントなど、入居者さまに喜んでいただけるようなイベントを数多くご用意しています。イベントの際はお食事も特別メニューになるので、みなさん楽しみにしていらっしゃるようです。

また、外出するのが難しい方も多いので、施設内でお買い物や理美容を楽しんでいただけるよう、1ヶ月に何回か移動販売やパン屋さん、訪問理容の方にも来ていただいています。

ただサービスを提供するのではなく「絆」を大切にしたい


─―こちらに伺った際、職員の方がとても丁寧に入居者さまのケアをしている姿が印象的でした。入居者さまと接するうえで心がけていることはありますか?

竹田さん:うちの職員はみんな、入居者さまの「気持ちに寄り添う」ことを心がけています。当施設で暮らす入居者さまと職員は、ある意味家族のような関係ですから、ただサービスを提供するのではなく、「絆」を大切にしたいのです。

入居者さまの中にはどうしても言いたいことを我慢してしまう方もいらっしゃいますが、そんな方にも「嫌なことは嫌だ」と言っていただける信頼関係を築けるよう、職員一同、日々努力をしています。




目指すのは「大切な人が、大切にされる場所」


──最後に、施設長様が思い描く「理想のホーム」について教えてください。

竹田さん:私はここが、「大切な人が、大切にされる場所」であって欲しいと思っています。そのためにも、明るく、活気があるホームを目指したいですね。医療依存度が高い入居者さまが、きらきらした笑顔で過ごしている。そんな楽しい場所がつくれたらと思っています。

重い病気をお持ちの方の中には、その状況を受け入れられずにいる方も少なくありません。「明日はどうなるのだろう」と、不安の中で生きている方もいます。それだけに、少しでも不安な気持ちを軽くして、1日に1回でもいいので笑顔になれる時間を過ごしていただきたい。そのために私自身も努力していきたいと考えています。





(記事中のサービス内容や施設に関する情報は2024年1月時点の情報です)