要看護期を過ごすご本人様やご家族様の「生活の質」を改善することを目標としたホームを運営するopsol株式会社。これまで、愛知県や大阪府で6ホームを運営し、2025年10月に7つ目となる「パリアティブケアホーム スタイルプラス なぎの八尾」が大阪府八尾市にオープンします。

「なぎの八尾」で受けられる医療的ケアや体制などを、同社で看護師の経験を活かしつつ、入居相談に対応する山岸さんにお伺いしました。

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最後まで自分らしさを追求するパリアティブケア


―まず、ホームの運営企業である「opsol株式会社」様についてお聞かせください。

山岸さん:2005年に前身となる会社が創業し、以来20年にわたって医療や福祉の事業に取り組んできました。

そして2015年からは、終末期の方や重点対策疾病の方など、24時間体制で専門的な医療ケアが必要な方に向けた「パリアティブケアホーム」の運営を開始しています。

社名になっている「opsol(オプソル)」はoptimal solutionの略で「最適解」を意味しています。ご入居者様やご家族様にとって、“その方らしさ”とは何かを共に考え、常に寄り添い、最適解を求めるという理念があります。

人生の大切な場面に関わるからこそ、より良い今を支えたい。そうした強い思いですべてのスタッフが運営に携わっています。


看護師資格をもつ入居相談員・山岸さん


―難病の方の受け入れ実績が多くあるとお聞きしました。

山岸さん:私たちのホームでは多系統委縮症や脊髄小脳変性症、進行性筋ジストロフィーなどの重点対応疾病の方々にご入居いただける体制を整えています。それ以外でも、準重点対応疾病である筋萎縮性側索硬化症(ALS)やプリオン病の方など、さまざまな難病の方にご入居いただいています。

お一人おひとりの症状に合わせた医療的なサポートはもちろん、安心して日々を過ごせる環境づくりを行い、「最期にここで過ごせてよかったな」と心から感じていただける場所になるよう、精神面や社会的な面を含めた幅広い支援を行っています。

医療に強いホームとしての取り組み


―医療的ケアを提供する体制はどのようになっているか教えてください。

山岸さん:当ホームでは住宅型有料老人ホームとして、ホームスタッフが24時間体制で常駐しています。夜間に関しては、入居状況に応じて介護職あるいは看護職の有資格者を配置する体制を整え、必要な医療が速やかにできるようにしています。その中でも医療的な判断や処置が必要な場合は、併設している訪問看護ステーションと連携して主治医の指示のもと対応にあたっています。


あたたかい笑顔で日々の安心を支える看護スタッフ


―個別にどのようなケアを行っているのでしょうか。

山岸さん:医療や介護を含めたすべてのサービスがご入居者様にとって無理のない形で提供されるように、サービス表を個別に作成しています。これは、看護面、介護面、サービス面などの内容をご入居者様に合わせて組み立てたもので、オーダーメイドの生活プランと言えます。

また、重度の疾病を抱える方には看護師だけではなく、主治医や薬剤師、介護士、ケアマネジャーなど、専門職の方々の連携が重要です。そのため、入居者様お一人おひとりに対して、看護、介護、リハビリスタッフで専任の「くるみサポート」チームを編成し、日々の情報共有をていねいに行いながら、その方らしい暮らしの支援を行っています。

「くるみサポート」チームのメンバーは「ヒトメクコネクト」というLINEを活用した連絡ツールを使って、ご家族様との情報共有も行っています。また、面会にお見えになったご家族様が「誰に話を聞いたらいいかわからない」ということにならないよう、ご家族様にはメンバーの紹介カードもお渡ししています。

ご家族様がホームのスタッフと連絡を取ったり、話しかけたりしやすい環境を作ることもご入居者様の健やかな暮らしを続ける上でとても大切なことだと考えています。


多職種でご入居者を支援する取り組み「くるみサポート」


―より専門的な知識を持つスタッフもいらっしゃるのでしょうか。

山岸さん:はい。専門性という点では、社内に日本難病看護学会認定の「難病看護師」が複数在籍しています。難病ケアに関する知識と経験が豊富なスタッフを揃えることで、質の高いケアの実現を目指しています。

また、最近では口腔ケアの重要性も認知されていることもあり、「介護口腔ケア推進士」の資格を取るスタッフも多くいます。会社全体で資格の取得を後押しし、スタッフの質を高めることでご入居者様の安心につながる取り組みを一層進めていきたいと考えています。


質の高いケアに向け、会社として資格取得を後押し


安心できる環境がご本人様やご家族様の笑顔につながる


―これまでのご入居者で心に残るエピソードはありますか。

山岸さん:ガン末期で緩和ケア病棟に入っておられ、面会制限も厳しい状況にある方がご入居されたことがあります。病状的にもさまざまな医療的ケアが必要でしたが、病院側としっかり連携を取り、搬送時にはホームの看護師も同席し、自宅のような安心感を持てる状態でお迎えいたしました。ご入居後は、ご家族様とたいへん穏やかな時間を過ごされました。ご家族様が「最後に共に過ごせる時間が持てて本当に良かった」とおっしゃったのが心に残っています。


―ご本人様もご家族様も幸せな時を過ごされたのですね。

山岸さん:ご自宅で悩みを抱えながら、要看護期や終末期を過ごす方々は多くいます。しかし、当ホームにご入居されてからは、多くのスタッフのサポートのもと、心身ともに安定される方が多いと感じます。ご家族様にしても「最後まで私が面倒を見るんだ」という気負いがなくなり、入居後は「気持ちが軽くなり、安心した」とお声をいただきます。ここに入居してから「やさしい気持ちになれた」と。

ご本人様もご家族様も表情が明るくなっているのを間近で感じ、「笑顔が増えた」と感じることは、この仕事をしていて最も嬉しい瞬間のひとつです。


経験豊富なスタッフ。不安なときこそ、そばにいてくれる安心感

地域の人々に信頼され、愛されるホームを目指して


―10月に「スタイルプラス なぎの八尾」がオープンします。

山岸さん:「なぎの八尾」は、全34室・3階建ての住宅型有料老人ホームです。その他のホーム同様、重点対応疾病などに対応可能であり、医療的ケアが充実しています。また、1階と2階にスタッフルームを設置しているのも特徴です。

例えば、人工呼吸器が必要な方はアラームが鳴ってすぐの対応ができるなど、少しでも素早く丁寧なサポートができるよう、体制を整えました。また、障害支援区分を持つ10代の方からご入居でき、幅広い年齢の方の受け入れが可能となっています。


パリアティブケアホーム スタイルプラス なぎの八尾 ※画像はイメージです。


―入居相談を担当されている山岸さんは看護師のお仕事をしていたと聞きました。

山岸さん:はい。私は病院で看護師として勤務し、その後在宅医療に興味を持ち、訪問看護の仕事に転職しました。縁あって弊社のパリアティブケアホーム「ゆきの彩都」で看護師として勤務し、現在はご入居相談の担当をしています。

日々の仕事においては一人ひとりの方に真っ直ぐに向き合うがモットーです。真摯に、親身に、尊敬の念を持って接することを心がけています。看護師として多くの現場に立ち会ってきた経験を活かし、一人ひとりの方の不安や悩みに寄り添っていきたいと思っています。


―現場の第一線で活躍されてきた方に入居の相談ができるのは、ご本人様にもご家族様にも心強いですね。

山岸さん:そう言っていただけると大変嬉しく思います。以前、人工呼吸器をつけている方のご入居をお手伝いした際、「一生病院から退院できないと思っていた」というお言葉をお聞きしたことがあります。

パリアティブケアホームの認知度はまだまだかもしれませんが、医療的ケアが必要でも自分らしい暮らしを望まれる方は、ぜひ私たちのようなホームがあることを知っていただきたいです。そして、八尾という地域に根差し、周囲の方々からも信頼をいただけるよう、全力を尽くしたいと考えています。

ご本人様も、ご家族様も心から納得できるより良い暮らしが実現できるよう、あらゆる角度からサポートいたします。ぜひお電話などでお気軽にご相談ください。



(記事中のサービス内容や施設に関する情報は2025年7月時点の情報です)