(連載)ご入居者ケースのご紹介 3.地域で支える認知症
ディーフェスタ溝の口にご入居されたお客様の事例を連載でご紹介いたします。
身近なケースとして参考にして頂ければ幸いです。
今回は認知症です。
認知症を発症し、外出先でたびたび道に迷ったり、今まで出来ていた家事ができなくなり、ご自宅からの転居を検討された方の事例です。
転居先として認知症対応グループホーム、介護付き有料老人ホーム、サービス付き高齢者住宅を検討されましたが、ご本人に認知症の自覚がなく、「まだ独りでやれる!」と転居を拒否。いかにも「介護施設」という印象の施設では不安も募り、ストレスからBPSD(周辺症状)も悪化してしまう可能性を心配され、①認知症であっても自由に外出できる ②家族も定期的に来訪し介護参画できる、という条件から当住宅へのご入居を決定されました。
ご入居後は、担当のケアマネージャーさんがケアプランを策定。
買い物など手段的日常生活動作を通した認知症の予防・改善と周辺地理を覚えることを目的に訪問介護を。重度化予防の機能訓練のために通所介護の利用が開始されました。
ご家族も定期的に来訪し転居後のお部屋が「自分の家」と認識されるよう努めました。
この結果、1日3回以上は出かけられる散歩のほとんどは道に迷わずに帰って来れるようになりました。
時々道に迷うこともありますが、近くにいる方に助けを求めて帰って来られます。
通行人の方、近所のお店の方、タクシーの運転手さん、警察など関係機関の皆様。
多くの地域の皆様に支えられながら生活されています。
地域ぐるみで認知症の方を支える「認知症サポーター」の確かな普及を実感しています。
ご自分の役割や日課があるとよいだろうという住宅の生活支援スタッフの提案で花壇の水やりをお願いしたところ、毎日楽しそうに水を撒いています。今ではスタッフが何か作業をしていると「手伝おうか?」、「何かやることない?」と声をかけてくださいます。
住宅の生活にもすっかり慣れて、棟内のレクレーションにも積極的に参加されています。
ご家族からは
「すっかり自分の家だと認識したようで楽しそうな様子を見て安心している」
時々おいでになるご友人からも、
「転居後、明らかに表情がよくなり、笑顔が増えた。驚いた」
と評されるほど落ち着いてサ高住生活をエンジョイされています。