JR外房線の鎌取駅から徒歩5分の場所に、有料老人ホーム「アビタシオン千葉」はあります。このホームの指揮を執る施設長の小柴順子さんは、昨年2015年11月に施設長として赴任しました。

以前はケアマネージャーとして現場で活躍していた小柴さん。どんな想いでホームの運営に携わっているのか、お話を伺いました。

好奇心が介護の面白さに導いてくれた




——小柴さんは、40歳を過ぎてから介護の仕事に就かれたそうですね。

小柴施設長:はい。ちょうど介護保険制度ができた年でした。面白そうだなと思って、興味本位で勉強をはじめました。


——人の生活をお世話することに対する抵抗はなかったのですか?

小柴施設長:すごくありました。最初は排せつや入浴介助に自信がなかったので、介護保険のレセプト(事務手続き)業務から始めたんです。その後、介護現場に入りいざチャレンジしてみたら、思ったよりも自然とできたんです。
もちろん最初はうまく対応できるかドキドキしましたよ(笑)。でも入浴も排せつも、食事と同じで生活する上で大事な行為なんですよね。気持ちよく入浴していただくことにフォーカスしたら、自然と苦手な気持ちはなくなりました。

居室のお風呂とは別に、ゆったり浸かれる大浴場もありました【居室のお風呂とは別に、ゆったり浸かれる大浴場もありました】


——その当時からアビタシオンで働いていらしたのですか?

小柴さん:以前は公的な介護施設で働いていました。その後、親の介護を機に、実家に通える距離で働きたいと見つけたのが株式会社アビタシオンです。せっかく転職するのなら民間の有料老人ホームでも働いてみたいと思っていました。


——実際働いてみてどうですか?

小柴さん:とても面白いです。いわゆる施設っぽさがなく、魅力あるイベントもたくさん企画できるので、やれることが無限に広がりました。
驚くこともいっぱいありましたね。他の介護施設では、医療ケアの必要な方を受け入るのが難しい場合があります。そういった別の施設で入居を断られた方でも、アビタシオン千葉では受け入れの相談にのっていたんです。
逆に、体が元気なうちからここを終の住み処と決めて早めに入居する方もいらっしゃいます。まだ会社にお勤めされている方も入居されているんですよ。


——施設長としてはどんな役割を?

小柴さん:何でもやります(笑)。人事労務はもちろん、人手が足りなければお掃除や介護もお手伝いしますし、生活相談も対応します。
施設長の仕事は、入居者様に寄りそうことだと思っています。これは職員に対しても同じです。できる限り話を聞く機会を持って、同じ目線に立ち、同じものを見ていきたいと考えています。

 

介護の導入プロセスにしっかり寄り添う

【壱番館にある、単身者用のモデルルーム】
【壱番館にある、単身者用のモデルルーム】


——「アビタシオン千葉」は建物が壱番館と弐番館に分かれていますが、その違いはなんですか?

小柴さん:壱番館は自立生活を希望される方向けの住居で、居室にキッチンやお風呂などがついています。自立度の高い方がお住まいなのが壱番館です。スタッフもご自分の力でできることを極力奪わないように、サポートが必要になったらお助けできるように心がけています。

弐番館はより手厚い介護が必要な方のための住居です。24時間スタッフが常駐しており、医療と介護のトータルケアを提供しています。
壱番館から弐番館へ介護レベルに応じて住み替えもできます。体が不自由になった時も、安心して最期までケアを受けられるので、「病院ではなく、自分の暮らしている場所で最期を迎えたい」との想いを尊重できると思っています。

弐番館のリハビリステーション【弐番館のリハビリステーション】


——元気な方も介護が必要な方も一緒に生活できるのですね。

小柴さん:介護サービスを必要としない方も気軽に相談ができますし、私もご相談を受ける時があります。介護が必要になった時は、入居者様から申し出があることも、こちらからお手伝いを提案することもあります。


——たとえばどんな場合に介護サービスを提案されるのでしょうか?

小柴さん:お薬の飲み忘れが多くなってきたなとか、つまずいて転びやすくなってきたなといった場面が増えた時です。日々接する中でこちらが気づくことがすごく大事ですね。

しかし、介護保険サービス導入をご提案する際、コミュニケーションが一番難しいんです。動作に少し危険を伴うようになられた方へ、ここはサポートが必要ではありませんか?とお話に行っても、すぐに導入しましょうと決断されることはほとんどありません。

誰でも自分が衰えてきてできなくなったことを、最初は否定したいし、自分ではまだまだできると思われるんですよね。私自身も、できるだけ自分の力で生活したいとの思いがあるので、お気持ちはよくわかります。

 緊急時に使用できるように廊下に常備されている車椅子

【緊急時に使用できるように廊下に配置されている車椅子】


——そういった時はどう対応されていますか?

小柴さん:日々お付き合いする関係性の中で「じゃあここの部分だけお手伝いをお願いしようかしら」という気持ちも生まれてきますし、ご家族も含めお話をし、時間をかけて確認するようにしています。
我々ホーム側としては、ご本人の意思を大切にしていますが、自立支援は反面でリスクもあります。ご高齢になると、今までできていたことが、突然できなくなることもあるからです。そうなる前に、予兆を見逃さないようにしたいです。


それぞれの家族ドラマを大切にしたい。ケアマネ出身だからこそできるサポート


——小柴さんにとって、
介護の仕事とはなんでしょうか?

小柴さん:入居者様の生活に踏み込まなければならない仕事です。だからこそ、ご入居されている皆さまが楽しそうに暮らし、ご本人やご家族さまから感謝の言葉をいただくと、大変なこともあったけどやってきてよかったなと思います。

私事ですが、末期がんだった義理の母を病院から自宅に帰したんです。医療も看護体制も揃えて。たった10日しか自宅にいられませんでしたが、とても嬉しそうにしていました。自分の家で家族と過ごす時間の大切さを、その時すごく感じました。
同じように、入居者様お一人おひとりにご家族とのドラマがありますよ。そのためにも気を引き締めなければいけないと思っています。


——自分だからできる、といえる仕事とは?

小柴さん:私はケアマネージャー出身ですので、介護保険の範囲でできる適切なケアを経験的に判断できることだと思います。ご家族に介護保険の仕組みを分かりやすく説明したり、職員への指導ができることも強みかもしれません。

 

——最後に「アビタシオン千葉」に入居を検討されている方へのメッセージを。

小柴さん:家に帰るとほっとするという瞬間がありますよね。そんな、「ああ、我が家に帰ってきた」と安心してくつろげる暮らしを、ぜひ「アビタシオン千葉」で楽しんでいただけたらなと思っています。

 

アビタシオン千葉:ホーム長インタビューを終えて

アビタシオン千葉の外観
【アビタシオン千葉の外観】

ご入居者一人ひとりのタイミングを見極め、必要なサポートを提供する大変さは、話を聞いただけでは計り知れないと感じます。けれど、小柴さんの物腰からは、その大変さを厭う様子は見受けられませんでした。きっと、ご自身の体験から「一人ひとりの気持ちを尊重したい」との思いがあるからかもしれません。