ハウス長インタビュー「入居者同士のちょうどよい『お互い様』関係」1
ゆいま~るシリーズ1号として2009年にオープンした「ゆいま~る伊川谷」。お元気なうちに住み替え、高齢期も自分らしく自由に過ごせる、施設ではない住まいを目指してきました。初期のころからハウス長として”ゆいま~る精神”を大事にしてきた田中陽子ハウス長(=施設長)にお聞きしました。
(ゆいま~る伊川谷ブログからの抜粋です。長文なので、3回に分けて掲載します。)
――ハウスの特徴として、どのような入居者が多いですか。
ゆいま~るシリーズ全ハウスに共通するかもしれませんが、自分のことはできる限り自分でがんばってしよう、という方が多いです。もっとフロントを頼ってくれたらいいのにという方でも、「できますよ」とがんばる方が多い。
ここで最後を迎えたいと思っている方も多く、皆さん、つかず離れずの距離を保ちながら、お互いを心配しあったり、スタッフを気にかけてくださる方もいます。自分のことだけでなく、まわりの方を気にしながら、でもおせっかいじゃなくて上手にお互い様という感じで、理想的な素敵な暮らし方だなあと思います。
――入居者同士のちょうどよい「お互い様」関係が築けているのですね。
ふつうのお互い様とは少し違って、ちょっと元気な方が弱っている方にしてあげる関係という感じです。してもらう方はなかなか返せないけれど、今やってくれている人が弱ってきたら、元気な世代の人が入ってきて助けてくれるんじゃないかと思っています。横並びでのお互い様はなかなか難しいですが、からだが弱ってきたら、ちょっと元気な人が何かお手伝いしますよ、という関係。順送りというと変ですが、そういう気持ちで自然な関係性が保たれているのがいいのかなと思います。こういう関係が出来ているのが伊川谷の特徴で、オープンして13年目ですが、定着している感じです。
例をあげると、ゴミ捨てに行ってあげる、買い物行ってあげる、おかずを持ってもっていく…。私たちスタッフもあまり気づかないのですが、そういうことがあるみたいで、まわりまわって私たちの耳に入ってきます。体調が悪い、ケガをしたという入居者に対して、さりげなく助けてくれているんだなあと、うれしく思いますね。
(「2」につづく)