スタッフの成人を、入居者の皆さんに祝っていただきました。
スタッフは、神奈川県の出身。今は神戸の大学に通っています。中楽坊には週に3回、夕方に働いています。
コロナの関係で、神奈川の地元の成人式がオンラインに。それはかわいそうだと、スタッフの先輩たちが、ここで成人式をやってあげようっていう話になりました。
着物、着付け、髪結いまで全て準備し、入居者の邪魔にならないようにと、遠慮しながらロビーで写真をとったりしていたら・・・。
出かける方や買い物から帰って来られる方、大浴場に一番風呂に行かれる方など、入居者の方たちが「あらー〇〇ちゃん!、どうしたの?」って感じで集まって来て、結局、二十人くらいの集まりになってしまいました。(笑)
入居者からは「おめでとう」という言葉のほか、「あなたに、私の着物を着て欲しかったなあ」とか「そんなお金を使わなくても、私が着付けをしてあげたのに」「言ってくれたら、美味しいものでも用意していたのに」といった声をいただきました。
外出しようと通りかかった男性が事情を聞いて、「じゃあ、写真を撮ってあげよう」と自室まで引き返してカメラを持って来られました。立派なカメラ。ずっと趣味で写真をしてこられたそうです。集まってくださった人で集合写真を撮り、本人にもとてもいい記念になりました。
スタッフの親御さんも、「ホントに良かったね!幸せものだねえ」と笑って言われたそうです。
本人は、この出来事を通じて、中楽坊についてこう言っています。
「一つは、入居者の方には色々なスキルを持っておられる方がいて、普段はそれをまったく表に出されないんですけど、皆さんすごいなあと。実は、学べることがすごく多いんだと思いました。」
「もう一つは、中楽坊というのは、昭和のご近所さんみたいな感じなのかなということ。もちろん私は生まれていないので分かりませんが、気軽な声掛けや助け合いや見守り合いがあって、いつもは自由だけど何かあったときには心強い感じがします。だから、私たちアテンダントもその一員でいようと思いました。「近所に住む娘や息子のように」というのが、私たちのありようだと教わりましたけど、その意味が分かりました。もっとも私は年齢的に、「娘」は無理で「孫」にしかなれないんですけど。(笑)」