(連載)ご入居者ケースのご紹介 2.末期がんの方のお看取り
ディーフェスタ溝の口にご入居されたお客様の事例を連載でご紹介いたします。
身近なケースとして参考にして頂ければ幸いです。
今回は末期がんです。
近くの総合病院に末期がんで入院されていた方がこれ以上の治療を望まず、このまま穏やかに最期を迎えることとなりました。
急性期の治療を行う病院では、治療しない場合は入院できないため、療養型の病院や介護付き老人ホーム等への転院が検討されました。
時はまさに新型コロナ禍の真っ只中。
病院や施設も感染対策のため、厳しい立ち入り(面会)制限や外出制限が敷かれている時下でした。
ご本人もご家族も最期は家族と共に迎えたいとの希望から、当初は自宅に戻っての在宅看取りが検討されましたが、同居家族がいないなどの事情から当住宅への入居が決まりました。
ご入居前に主治医とご本人、ご家族、関係者を交えACP(人生会議)を行い、残された日々をどのように過ごし、どのような最期を迎えるか話合った上のでご入居でした。
ご入居後はお好きなものを召し上がり、体調が良い時はご家族やご友人とお出かけになるなど、ご病気なのがうそのように残された時間をエンジョイされました。
医療面のサポートは、病状が進んだ場合でも、高カロリー点滴など延命医療を行わない場合は、訪問診療と訪問看護で対応が可能な場合が多いです。
痛みに対する緩和ケアも飲み薬や座薬、貼薬等で対応が可能です。
いよいよ終末期には、訪問介護と住宅のオプションサービスで24時間の介護体制を整えました。
ご家族も手料理を持参されるなど可能な限り介護参画し、亡くなられる前夜には泊り込まれ最期の時を共に過ごされました。
「また元気になったら、お世話になった皆さん一人一人にたくさんお礼を言いたい」
と、いうのが最後のお言葉でした。
臨終に立ち会われた訪問看護師さんの
「サ高住でこのような看取りができるとは思いませんでした。ご本人にもご家族にとっても悔いのない看取りだったのではないでしょうか。病院や施設ではできない看取りのあり方を見ました」
という言葉が印象的でした。