【エントランスに置かれた豪華なグランドピアノ】

【エントランスに置かれた豪華なグランドピアノ】


建物に一歩入ると、シャンデリアの華やかな灯に照らし出されたグランドピアノが目に止まり、その奥には、ゆったりとくつろげる優雅なラウンジ。そして、最上階にある大正モダンなレストランでは美味しい食事を楽しめる――。

千葉県船橋市の東部、高根台にある『クラーチ・メディーナ船橋』は、そんな高級ホテルのようなしつらえの住宅型有料老人ホームです。建物の開発段階から関わってきたという株式会社クラーチの古賀宏行さんに、ホームのコンセプトや仕事への思いについてお話を伺いました。


豪華さと快適さを両立させた「上質」な暮らし


【古賀さんは主に立ち上げ要員として、クラーチ内の新施設を担当しています】

【古賀さんは主に立ち上げ要員として、クラーチ内の新施設を担当しています】


――とても優雅な気分になれる建物ですよね。「私もここに住んでみたい!」と思いました。

ありがとうございます。まさに、「ここに住みたい」と憧れを持てるような住まいをテーマに設計しています。ホテルみたいに豪華な公共スペースと、リラックスして過ごせる快適な居住スペースに分かれているのが『クラーチ・メディーナ船橋』のコンセプトです。

なんて、かっこつけて言ってしまいましたが、実は開発段階でラウンジにシャンデリアを設置すると聞いたとき、正直、老人ホームに必要あるのだろうかと疑問でした(笑)。運営者としては、つい機能性や利便性を重視しがちなのですよね。



――介護者視点から見た使い勝手のよさは、たしかに大切ですよね。

でもいちばん大切なのは、やはりご入居者が満足できる住環境をどう作り上げていくかです。介護のしやすさはもちろん大事ですが、機能を重視しすぎると味気ない空間になることも多いので、そこはバランスを考えながら決めています。共有スペースと居住スペースのコンセプトを分けているのもそのためです。せっかく自宅を離れて新しい生活を始めるのですから、プラスアルファの上質な暮らしを味わっていただけたらと思っています。



――『クラーチ・メディーナ船橋』は地域交流をテーマにしていると聞きました。アクティビティの企画・運営には、地域の方も参加することがあるのでしょうか?

地域を巻き込んでの運営はクラーチの方針です。趣味の活動をしている地域住民やご入居者のご家族といったつながりから、アクティビティのメニューを少しずつ増やしています。

ホームの一階には、クラーチカフェという本格イタリアンのメニューを出すカフェ&バーを併設しており、近隣住民が気軽に食事を楽しめるようになっています。カフェを拠点に、近所の方とご入居者が一緒になって参加できるイベントを増やしていきたいですね。


ホームに併設されたカフェ&バー、クラーチカフェの内観
【ホームに併設されたカフェ&バー、クラーチカフェの内観】


――これまでに開催したイベントはありますか?

古賀さん:カフェでバイオリンとビオラのミニコンサートを開いたり、ホームのラウンジではグランドピアノの演奏に合わせて昭和の名曲を合唱する企画などを行ないました。こうしたイベントをきっかけに、もっと地域に開かれた場所になれたらと思っています。


 歌声カフェの様子。グランドピアノの生演奏に合わせて参加者が懐メロを合唱

【歌声カフェの様子。グランドピアノの生演奏に合わせて参加者が懐メロを合唱】


 

自信を持って能力を発揮できる職場を目指して


――古賀さんの経歴を教えてください。

古賀さん:母親が障害者と高齢者の介護をする仕事をしていたんですよ。それを見て、大学生のときに在宅ヘルパーのアルバイトを始めました。障害を持つひとり暮らしの方の家で食事を作ったり、入浴介助をしたり。学生で時間もあったので、付き添いで海外旅行のアテンドをしたこともありますよ。


――充実した学生生活だったのですね。しかし卒業後、新卒入社した会社は介護業界ではなかったとか……?

当時はきちんと経営視点を持って運営している介護施設が少なかったので、就職先としては検討していませんでした。ところが偶然、就職した会社で介護部門ができたのです。それで今に至るという感じですね。ホーム長や統括マネージャとして10年働いた後、より責任のある仕事に挑戦したいと思い、現在の株式会社クラーチに転職しました。


――クラーチでは、いくつか新しい施設の立ち上げを経験したそうですが、立ち上げは苦労も大きいと思います。『クラーチ・メディーナ船橋』では、今どのようなことが課題ですか?

新しいホームには、最初から決まった運営方法があるわけではないので、スタッフは仕事のやり方を自分で試行錯誤していくことが求められます。新しい職場に来てただでさえ慣れないのに、今までの経験では通用しない仕事に戸惑って、自分の力が思うように発揮できない。そういった状況に陥らないようにスタッフをサポートしていくことがホーム長としての課題ですね。



――具体的に取り組んでいることがあれば教えてください。

スタッフ一人ひとりと常に話し合いながら、得意分野を生かせる人員配置を心がけています。たとえば、事務職として入社したスタッフには、趣味でやっていた編み物のスキルをアクティビティに生かしてもらっています。スタッフが自信を持って能力を発揮できる仕事を、ときには担当業務の枠を超えて提案していきたいと思っています。


日々の会話からご入居者との「信頼」を積み重ねる

  仕事の合間を縫って、ご入居者と積極的に会話を持つようにしてる古賀さん

【仕事の合間を縫って、ご入居者と積極的に会話を持つようにしてる古賀さん】



――ホームを運営する上で古賀さんが大切にしていることはなんでしょうか。

ふたつありまして、ひとつはお客さまとの間で信頼関係を大切にしています。そのために会話の機会を意識的につくっています。食事の時間は皆さんが集まるので、食堂へ顔を出すように心がけていますね。気軽に話ができる関係を保つことで、信頼関係が少しずつ積み上がってくるのではと。その先に、安心・安全を感じていただけると思っています。



――ふたつめはなんでしょうか?

スタッフの思いを汲むことを大切にしています。『クラーチ・メディーナ船橋』には経験豊富なスタッフがたくさんいます。正直、現場を任せたら自分よりもスキルの高いスタッフばかりです。その方たちの介護への思いを汲みとりながら、業務に反映できるホーム長でいたいと思っています。



――最後に、これから入居を検討される方にメッセージをお願いします。

うちには、ケアリーダーをはじめ自分のお父さんお母さんを介護してきた人間が多いからか、一緒に働いていて、ご入居者やご家族の気持ちに寄り添う優しさをスタッフからすごく感じるんですよね。

ひと昔前には、老人ホームが姥捨山と言われていた時代もありました。ですが、まずは一度ぜひお越しください。きっとイメージが変わると思います。安心して私たちにお任せいただきたいと思っています。




 

クラーチ・メディナ船橋:スタッフインタビューの取材を終えて


取材時には、入居者から「ヒロちゃん、ヒロちゃん」と呼ばれて照れていた古賀さん。入居者いわく、その物腰のやわらかさと愛嬌のよさが、可愛くてたまらない、とのこと。日頃から身近な存在として親しまれているのがよく分かりました。

『クラーチ・メディーナ船橋』は、自宅では味わえない上質な生活空間、経験豊富なスタッフのサポートを受けられる介護サービス、そして地域交流を楽しめるコミュニティ形成と、三つのバランスを考慮してデザインされていると感じました。老人ホームではなかったら、こんな場所で一度は暮らしてみたいなと思うホームです。