若年性認知症の方を支える家族?…これは難しい問題ですね。

ご夫婦が入居相談に見えた。両親の相談とおもったらご主人。若年性認知症が起こす色々なエピソードを聞き、お二方の悩みは痛いように感じる。夫婦関係も親子関係も崩壊寸前。よくお話しを聞いていると、危うくともご主人にも出来る事も多い。
そこで、入居の相談に変えて、私自身が54歳で介護職転職時味わった苦痛、我慢、努力、喜び、現在の人生観等を飾り無くお話した。それまで終始下を向いていたご主人が顔を上げた。ご主人に、自分の病気と向き合うようにアドバイス。就職に過去の栄光は通じない、むしろ自分から病気を就職先に知らせそれを判って貰える会社を選ぶのが良いのではと。
ご本人にあきらめて貰うもの、ご家族に協力してもらうものもお話しした。
奥様が、この様なお話しがもっと早く聞きたかった。だれも話してくれなかった。ここに来て本当に良かったと大変喜んでいただいた。ご主人も顔を上げてお話しできるようになった。
お話しは２時間近くに及び、外は真っ暗だったが、帰りのタクシーを待つ間ご夫婦はとても明るい表情だった。ご主人はすぐに忘れるかも知れない。忘れたっていいじゃないですか。日々悩んでいるご夫婦にひと時の安らぎがあったのなら。