
お盆の帰省シーズンは、離れて暮らす親と久しぶりに対面で会うことで、電話やメールでは気づきにくい「親の心身の変化」を実際に目にするタイミングでもあります。しかし、いざ親の様子に違和感を感じても、親への配慮や、深刻に捉えることを避ける心理から、ご家族がサポートに向けて適切な一歩を踏み出すハードルは意外と高いものです。
そこでLIFULL 介護では、離れて暮らす親と直近一年以内に対面で会った方を対象に、「帰省時の親の衰え・違和感についての意識調査」を実施しました。本記事では、その調査結果を公開するとともに 、LIFULL 介護 編集長の小菅秀樹監修の帰省時に確認すべき「親の衰えチェックポイント」を紹介します。

「LIFULL 介護」への老人ホーム問い合わせは、例年お盆休みが明けた時期に問い合わせ数が急増する傾向にあります。2025年の問い合わせ件数はお盆期間(8/10〜16)の問い合わせ件数を100%とすると、その翌々週は128.8%と約30%増加しています。これは、お盆での帰省などで親の様子を久しぶりに直接見たことで介護の必要性に気づき、施設探しを始める方が多いためと考えられます。

別居している親と帰省などで対面で会った際の、親の行動や様子についてアンケート調査を実施しました。
親の様子を見て、「衰え」や「違和感」を感じたかを尋ねたところ、「多少感じることがあった」(46.0%)が最も多く、「強く感じることがあった」(28.2%)と合わせると7割以上が何らかの異変を感じていることが明らかになりました。

具体的に親のどんなところに「衰え」や「違和感」を感じたかについては、「歩行・運動機能について」が68.0%で最多となり、次いで「記憶・認知機能について」が51.7%と半数を超える結果となりました。

親の「衰え」や「違和感」を感じた後にどんな行動を起こしたか尋ねたところ、「特に何もせず、様子を見ることにした」が約4割で最多となりました。
次いで、「親に体調や生活の様子を詳しく聞いた」(33.8%)、「連絡や訪問の頻度を増やした」(19.5%)など家族内での対応にとどまる方が多い結果となりました。

親の「衰え」や「違和感」を感じた後に「特に何もせず、様子を見ることにした」と回答した方にその理由を聞いたところ、「まだ対策が必要なほどの段階ではないと思った」が43.2%で最も多い結果となりました。
一方で、「衰えを指摘しても拒絶されると思った」(12.6%)、「親のプライドを傷つけると思った」(12.1%)など親への遠慮から特に行動に移せないという方も1割以上いることが明らかになりました。

今回の調査では、離れて暮らす親の変化に気づきながらも、「まだ大丈夫だろう」と様子を見ているご家族が少なくないことがわかりました。
介護は突然始まるように見えて、その前に小さなサインが表れていることがあります。「部屋が片づかなくなった」「歩き方が不安定になった」「会話の受け答えに違和感がある」といった変化を見過ごしているうちに、認知機能や身体機能の低下が進んでしまいます。令和4年の国民生活基礎調査内の「介護が必要となった主な原因」では、「認知症」が最も多く、「骨折・転倒」も上位※に挙がっていますが、これらは突然起こるように見えて、認知機能や身体機能の低下といった日頃のサインから予兆を読み解けるケースも少なくありません。いざというときに慌てて介護サービスを契約したり、施設を探したりすることのないよう、日頃からしっかりとチェックしておきましょう。
また、衰えのサインを見つけたとき、親に直接指摘するだけでは、「大丈夫だから」と拒まれてしまうこともあります。日頃から連絡や会話を重ね、心配していることや労わる気持ちを伝えておくことが、受診や相談のハードルを下げます。 帰省や電話などで感じた小さな違和感を軽視せず、医療機関や地域包括支援センターへの相談、将来的な施設入居も含めて、早めに選択肢を確認しておくことが重要です。
【LIFULL 介護 編集長 小菅秀樹 プロフィール】
日本最大級の老人ホーム検索サイト「LIFULL 介護」編集長。老人ホーム紹介センターの相談員として、これまで1,500人以上の入居をサポート。現在は、有料老人ホームの取材や記事執筆、動画コンテンツの制作を通じて、高齢期の住まい選びについて発信中。セミナー登壇やメディア出演多数。老人ホームの情報を分かりやすく届け、疑問や不安に寄り添うことを大切にしている。
親がどのような状態になっていたら介護サービスや老人ホーム入居を検討し始めるべきなのか、その基準となるチェックポイントをLIFULL 介護の小菅秀樹編集長監修のもと作成しました。帰省時にはぜひこのチェックポイントを参考に親の様子を確認できると良いでしょう。

これらの項目に複数当てはまる場合でも、すぐに老人ホームの入居を決める必要はありません。ただし、「まだ大丈夫」と様子を見るだけでなく、まずは地域包括支援センターや医療機関に相談し、在宅介護サービスで支えられるのか、将来的に施設入居も視野に入れるべきかを早めに確認しておくことが大切です。
帰省時に感じた親の違和感をきっかけに医師の診察を受け、介護が必要、または認知症と診断された場合でも、自宅で暮らし続けることは可能です。しかし、自宅での暮らしが不安な場合は老人ホームを検討するのも一つの手です。老人ホームでは身体機能や認知機能の低下が緩やかになるよう、さまざまなアクティビティを用意しているところがあり、暮らしの中で楽しみながら実践できる工夫が施されています。
▼ヒルデモアたまプラーザ・ビレッジⅠ(神奈川県川崎市)

ノルウェー発のエクササイズ「レッドコード」を導入しています。天井から吊るした専用の赤いロープを活用し、身体の一部を支えながら運動を行うことで、身体への負担を抑えつつ、安心して機能訓練に取り組むことができます。さらに、機能訓練指導員がお一人おひとりの状態や目標に合わせたプログラムを作成し、日々の生活をより自分らしく過ごしていただけるようサポートしています。
▼ツクイ・ののあおやま(東京都港区)

機能訓練指導員による個別・グループプログラムを実施しています。また、「ご自身の足で歩き続ける」ことを目指した、自律歩行に特化した自費のプレミアムトレーニングサービスを提供しています。最先端の動作解析技術を活用し、一人ひとりの体の動きや歩行状態をデータ化・分析。その解析結果をもとに、専門トレーナーが最適なトレーニングメニューを組み立てます。
認知症でも入居相談可能な老人ホームは、LIFULL 介護の掲載施設(※)の中でも37.3%とおよそ4割を占め、選択肢は豊富にあります。今や認知症ケアには様々な手法があり、各老人ホームでは暮らしの中で楽しみながら実践できる様々な工夫が施されています。

▼銀木犀<東砂>(東京都江東区)
施設に昔ながらの駄菓子屋が併設されており、入居者が店番を務めることもあります。学校帰りの小中学生や地域の人々が訪れることから、入居者とのコミュニケーションの場になっています。店番という役割を持つ事や外部との交流が入居者にとっての良い刺激になっています。
▼東急ウェリナケア尾山台(東京都世田谷区)

音楽が記憶想起を促す作用を応用し、入居者の発話を促すコミュニケーションを行うなど、専門的なトレーニングを積んだ音楽療法士が訪問する音楽療法を取り入れています。また、東急グループの文化村と連携したコンサートや外部講師を招いたイベントアクティビティなども開催しています。
<帰省時の親の衰え・違和感についての意識調査>
調査期間:2026年6月5日〜9日
調査対象:別居している親と直近の帰省などで対面で会った30代〜60代の男女650人
調査主体:株式会社LIFULL senior
調査手法:インターネット調査
<LIFULL 介護問い合わせデータ>
集計対象:「LIFULL 介護」に掲載されている施設への問い合わせデータ
対象期間:2025年8月1日〜31日
<LIFULL 介護掲載データ>
集計対象:2026年7月7日時点で「LIFULL 介護」に掲載されていた老人ホーム
※グラフは小数点第二位を四捨五入しているため、合計が100%にならない場合があります
※一部グラフは推移を分かりやすくするため、縦軸の目盛りを調整しております。
※ 本記事の内容をご利用の際は「老人ホーム検索サイト『LIFULL 介護』」と明記をお願いします。

tayoriniをフォローして
最新情報を受け取る