介護施設の費用を実態調査!約6割が入居一時金を家族と負担。想定外だったこと1位は「追加費用」

調査の背景

2025年は、団塊の世代が全員75歳以上の後期高齢者となり「2025年問題」が現実となった節目の年です。また、物価高による生活費の高騰が介護施設入居を検討する方の家計、そして施設運営事業者の経営状況の双方に打撃を与えることになりました。このような社会の変化が介護施設選びにどのように影響を与えたかを紐解くために、LIFULL 介護では「介護施設選び経験者の実態調査2026」を実施しました。

本リリースでは、入居一時金や月額の費用、入居してみて分かった想定外だったこと等についての調査結果を発表します。

調査サマリー

まとまった出費を抑えられる施設へのニーズの高まりか。「入居一時金なし」が前回調査より約10%増加

入居一時金負担者は「入居者本人+家族・親族」が6割。「本人のみ」は3割に止まる

月額費用のボリュームゾーンは10~20万円台で約7割。30万円以上の高価格帯は微減

入居前に想定していなかったこと1位は「想定外の追加費用」。低価格ゆえのオプション費用の発生が影響か

各調査結果

まとまった出費を抑えられる施設へのニーズの高まりか。「入居一時金なし」が前回調査より約10%増加

入居した介護施設の入居一時金の金額について、全体で最も多かったのは「なし」で37.3%となりました。昨年LIFULL 介護が発表した「介護施設入居実態調査 2025 -お金編-」と比較すると10%近く増加しています。

入居一時金とは家賃の前払いのような役割があり、ある程度まとまった金額が現金で必要となります。物価高など入居者側の経済的な事情を加味して、入居一時金がない料金プランをもつ民間の介護施設は多く、今回の調査でもそういった施設へのニーズがみられる結果となりました。

入居一時金負担者は「入居者本人+家族・親族」が6割。「本人のみ」は3割に止まる

入居一時金の負担者でもっとも多かった回答は「入居者ご本人のみ」で30.7%でした。一方で入居者とその家族や親族のどなたかによる負担は約6割(入居者とお子様:28.9%、入居者と配偶者:19.9%、入居者と兄弟・姉妹:9.5%、入居者とお子様、配偶者、兄弟・姉妹など複数人:4.8%)となっています。そのうち、「入居者とお子様」が「入居者と配偶者」を上回っていますが、これは入居者ご本人と同様にご高齢の配偶者よりも、働き手として収入が見込めるお子様を頼りにしていることが背景として考えられます。

一方で、LIFULL 介護が昨年実施した介護の担い手に関する意識調査*では、親は自身の介護を子ではなく配偶者に担ってほしいという回答が約6割を占めました。

人材不足や物価高騰などから値上げに踏み切っている施設もあり、入居者ご本人のみやその配偶者だけで負担するのが難しくなっている状況がうかがえます。

*1:LIFULL 介護「介護の担い手に関する意識調査」

 

月額費用のボリュームゾーンは10~20万円台で約7割。30万円以上の高価格帯は微減

入居した介護施設の月額費用に関しては「10万円台」が38.8%と最も多く、次いで「20万円台」が31.8%で合わせて70.6%と、昨年発表した「介護施設入居実態調査 2025 -お金編-」と同じくボリュームゾーンは10万~20万円台となりました。

一方で、今回の調査では高価格帯にあたる30万円以上は15.8%(30万円台:11.0%、40万円台:3.2%、50万円以上:1.6%)で前回調査の23.9%からやや微減となりました。経済的な負担から、比較的低価格の施設が選ばれている可能性があります。

入居前に想定していなかったこと1位は「想定外の追加費用」。低価格ゆえのオプション費用の発生が影響か

介護施設の入居前に想定していなかったこととして、最も多かったのは「想定外の追加費用が発生する」で34.0%でした。今回の調査では入居一時金なしが37.3%、月額費用においても低価格帯を選んでいる方が多い結果となりましたが、施設の中には低価格ゆえにオプションサービスが多いところもあります。例えば、医療機関への送迎や買い物代行、レクリエーションやオムツの廃棄が別途有料になっていたり、水光熱費や食費が別になっていることもあるため、入居時には確認が必要です。

LIFULL介護編集長 小菅のコメント

今回の調査結果からは、入居一時金や月額費用の両面で、できるだけ負担を抑えたいという意識が強まっていることが読み取れます。特に、初期費用や毎月の固定費をできるだけ低くしたいという考えが、施設選びに大きく影響していると言えるでしょう。

物価高が続くなか、入居者本人や同居する配偶者だけで費用を賄うことが難しく、子どもが金銭的支援をするケースも少なくありません。そのため、家族全体で老後資金や家計への影響を意識しながら、現実的な選択として施設を検討している状況がうかがえます。こうした背景から、「入居一時金なし」や月額10〜20万円台といった低価格帯の施設が選ばれやすくなっているのは、自然な流れと言えるでしょう。

一方で注意したいのが、「安く見える」ことと「トータルで負担が少ない」ことは必ずしも一致しない点です。今回の調査でも、入居前に想定していなかったことの1位は「想定外の追加費用」でした。基本料金に含まれるサービスと、別途費用がかかるオプションの線引きが分からないまま入居を決めてしまうと、結果的に月々の負担が増えてしまいます。想定外を防ぐためには、月額費用の内訳を丁寧に確認し、「パンフレット記載額のほかに、どんな追加費用がかかるのか」を具体的な場面で質問することが欠かせません。さらに、将来的に介護度が上がった場合の費用変化まで見据えて比較することが、後悔のない施設選びにつながります。

調査概要

調査期間:2025年12月23日〜24日

調査対象:直近1年以内に介護施設、高齢者住宅(※)に入居した家族、親族がいる男女762人

※「介護施設、高齢者住宅」は以下を指します。

 介護付き有料老人ホーム、住宅型有料老人ホーム、健康型有料老人ホーム、軽費老人ホーム、サービス付き高齢者向け住宅  特別養護老人ホーム、グループホーム、ケアハウス、介護老人保健施設、介護療養型医療施設(介護医療院)

調査主体:株式会社LIFULL senior

調査手法:インターネット調査

※グラフは小数点第二位を四捨五入しているため、合計が100%にならない場合があります

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