スカイラウンジで大都会の夜景に酔いしれる―。シニアレジデンス「プレール・ロヴェ豊洲」で酒を飲む

こんにちは。LIFULL 介護 編集長の小菅です!
老人ホームはいろんな制限があって暮らしにくい?いえいえ。今や老人ホームは、安心安全な環境の中で「自分らしい暮らしを叶える」ための選択肢の一つとなっています。

この連載では、“いくつになっても大好きなお酒を楽しめる”自由な空気の老人ホームに、LIFULL 介護 編集長の小菅秀樹が突撃訪問。今回は東京都江東区にある「プレール・ロヴェ豊洲」にお邪魔し、驚くべき館内の共用施設と、入居者お二方との楽しいバータイムの様子をお届けします!

LIFULL介護 編集長・小菅秀樹>
ウィスキーの沼にハマり15年。訪ねた蒸留所は10ヶ所以上。好きな銘柄はニッカの「フロム・ザ・バレル」。バーでお酒を飲むときの雰囲気が好き。人生の大先輩であるご高齢者のお話を聴くのをいつも楽しみにしている。

小菅 秀樹プロフィール

ここは高級タワマン!? 圧巻の外観と内装

東京メトロ有楽町線の豊洲駅から徒歩9分。多くのオフィスビルや商業施設が建ち並ぶ大通りを一歩抜けた、静かな道沿いにドーンとそびえ立つ高層マンションが。
「え、ここが     住宅型有料老人ホームのプレール・ロヴェ豊洲!?」。どう見ても、都会のタワーマンションにしか思えず、取材陣一同、驚きと興奮をおぼえながら、玄関をくぐりました。

「いらっしゃいませ。取材にいらした小菅さまですね。お待ちしておりました」

 天井高く、重厚感に包まれたエントランスで出迎えてくれたのは、コンシェルジュの方々。「ここはまさに高級タワマンじゃないですか!」と胸を躍らせると、入居相談課の森村むつ美さんが解説してくれました。

「当施設は『23階建て』でして、見学にいらっしゃるお客様は、まずこの外観と内装に驚かれます。さらに感動して気に入ってくださるのは、館内の共用施設です」

館内にはレストランやクリニックをはじめ、大浴場やアスレチックジム、温水ウォーキングプール、さらにはシアタールーム・カラオケルームなど娯楽施設も豊富にあるそう。お出かけせずとも楽しめるスポットがたくさんあると言います。

まばゆい陽の光が差し込むレストランと大浴場

「こちらは入居者さまが日々お食事されるレストラン、『リストランテ・オリヴァ』です」(森村さん)

ドアを開けると、フロア全面に施された大きな窓から、まばゆい陽の光が差し込んできました。格調高い椅子とテーブルに、存在感のある色鮮やかなフラワーアレンジメント。まるで高級ホテルのレストランのようです。

レストランでは専属シェフと栄養士がこだわり抜いた健康メニューを提供

毎朝ここで朝食がとれたら、優雅な気分で一日が始められそう。なんて、ちょっと夢見心地になりました。

続いて、大浴場へ。こちらも明るい日差しがさんさんと降り注ぎます。浴槽もシャワーブースもゆったりとした造りで、一日の疲れを癒せそうです。

大浴場には温泉と同様の成分を含む人工泉(準天然)光明石を使用

「大浴場は早朝6時半からオープンしているので、朝風呂でスッキリされてからお仕事に出かける入居者さまもいらっしゃいます」と森村さん。

高齢者向けの住宅で朝6時半から利用できる大浴場は初めて聞きました!70代、80代でも現役でお仕事されている方もいると聞き、この施設が持つ、アクティブな空気感が伝わってきます。

23階スカイラウンジからの景色にうっとり

さあ、いよいよバーカウンターが併設されているという、最上階のスカイラウンジへ。入った瞬間、あまりの眺望の良さに「うわぁ!」と歓声を上げてしまいました。

窓から大都会のパノラマが広がり、「ここはマンハッタン?」と見まがうほど。晴海運河の奥に見える高層ビル群や東京タワーの景色に、うっとりと見とれました。

視線の先には東京タワー!眺望抜群のスカイラウンジ

シックな内装や調度品の数々も、上質な大人の空間を演出。ソファに座ると、座面がふかふかで何時間でもくつろげそうでした。

ビリヤード台も設置され、自由にゲームも楽しめるとのこと。夢のような空間でうらやましい限りです。

スカイラウンジではビリヤードも楽しめる

居者さんの好みに合わせたカクテルを提供

バーカウンターに向かうと、バーテンダーの塚越郁夫さんが温かく迎えてくれました。

バーテンダーを務める塚越さん
小菅秀樹
小菅

塚越さんはこちらのバーで、バーテンダーとして働かれているんですか。

塚越
塚越

いえ、実を言うと2カ月に1回開催される「ナイトバー」のイベント時のみ、バーテンダーをやらせてもらっています。普段は、当施設が運営する無料巡回バスのドライバーをしながら、夜は都内で飲食業を営んでいるんです。

あるとき、支配人に「これからナイトバーを定期開催するからバーテンダーをやってみない?」と誘われまして。私自身、大学時代にバーテンダーの経験があるので、「ぜひ!」と、二つ返事でお引き受けしました。

小菅秀樹
小菅

すごい、ご経験が活かされているんですね。となると、このバーでは普段はお酒を出されない?

塚越
塚越

そうですね。通常は「喫茶」として、ラウンジにいらした入居者さまにお茶やコーヒーなどをお出ししています。ただ、お酒の持ち込みはOKですので、入居者の皆さんでこのカウンターに座って、お好きなお酒を楽しまれているようですよ。

小菅秀樹
小菅

美しい夜景を見ながらの一杯。最高でしょうね。ナイトバーではどんなお酒を?

塚越
塚越

ウィスキーや焼酎、ワイン、カクテルなど、今あるお酒のラインナップの中から入居者さまのお好みに合わせて何でも作ります。ジンジャーエールにグレナデンシロップ(ザクロのシロップ)を加えた「シャーリーテンプル」など、ノンアルコールも人気ですね。

普段、ドライバーとして入居者の方と接する機会も多いので、皆さんのお酒の好みもわかるようになりました。「この前のカクテル美味しかったから、また作って!」とリピートされると、すごくうれしくて、また頑張ろうって思えます。

夕暮れどきのバーカウンター。お酒を飲みながら夜景も堪能できる

アメリカで長年暮らしていたTさん。入居の決め手とは

夕刻になると、入居者のTさんがバーにいらっしゃいました。まずは、Tさんもお好きだというウィスキーを使ったハイボールで乾杯です。

小菅秀樹
小菅

Tさんはいつ頃、入居されたんですか。

Tさん
Tさん

去年入居したので、まだここに住み始めてから日が浅いです。それまでアメリカのニューヨーク州、ニュージャージー州、カリフォルニア州に合わせて45年ほど暮らしていたのでね。

小菅秀樹
小菅

アメリカに45年も!? お仕事で行かれたんですか。

Tさん
Tさん

大手の総合電機メーカーで、エンジニアとしてアメリカに赴任することになりまして。そのまま定年まで勤め上げました。アメリカでの暮らしが性に合っていたようで、リタイヤ後の2005年からサンディエゴで一軒家暮らしをし、その後2016年から高齢者向けの住宅に移り住んで海外生活を楽しみました。

小菅秀樹
小菅

なんと!かっこ良すぎです。こちらに入居された決め手とは何でしょう。

Tさん
Tさん

私、大都会の景色が大好きなんですよ。会社員時代、アメリカから日本に出張に帰ってきたときに、よく泊まっていたのが品川のプリンスホテルでね。高層階から見えるレインボーブリッジの景色が最高だったんです。

こちらを見学したら、設備の充実度はもちろん、たまたま空室だった22階の部屋からの眺望が本当に素晴らしくて。窓からレインボーブリッジや東京湾が一望できて、ここに住めたらこんなにうれしいことはないと、即決しました。

アメリカから帰国して間もないTさん。ダンディな魅力に引き込まれる
小菅秀樹
小菅

実際に暮らしてみていかがですか。

Tさん
Tさん

楽しいですよ。景色も見ていて飽きないし、晴海運河に沿った遊歩道を散歩するのも気持ちがいい。ここではいろんなサークル活動があるので、私は「スポーツ吹き矢の会」や「ウクレレの会」に参加しています。

あと、毎月15日にお酒好きが集まる「15の会」というのがあって、そこにも顔を出してお酒を楽しんでいます。

小菅秀樹
小菅

めちゃめちゃお元気。失礼ですけど、おいくつなんですか?

Tさん
Tさん

84歳です。

小菅秀樹
小菅

ホントですか! びっくりです。ズバリ、Tさんの健康の秘訣は何でしょう。

Tさん
Tさん

昔から運動が好きなので、やっぱり身体を動かすことかな。アメリカでは週4でゴルフに行っていたんだけど、日本でも月4回ペースでゴルフを再開しました。

あとは晴海運河沿いの遊歩道の散歩。食事のときに野菜から食べ始めること。それから毎晩の晩酌は焼酎やウィスキーといった蒸留酒にしてます。身体に良さそうなので、それを少しだけね。
ここではいろんな入居者の人たちと触れ合えるので、ますます活動的になった気がしますよ。

入居15年のベテラン、Kさんが語る住み心地

さて、次のお相手は、入居者のKさん。ウィスキーのロックを頼まれました。

小菅秀樹
小菅

では、乾杯! Kさんはロックなんですね、かっこいい。

Kさん
Kさん

のん兵衛ですから、私(笑)。あなた、お若いでしょう?

小菅秀樹
小菅

今年で43歳になります。

Kさん
Kさん

私はあなたのプラス45歳よ。

小菅秀樹
小菅

え、88歳ですか!? すごいお若くてお元気!

Kさん
Kさん

年なりです。まぁ、旅行のツアーに行っても添乗員さんを追い抜いちゃうぐらいスタスタ歩くから、健康面は自慢してもいいかも。

小菅秀樹
小菅

見習いたいです。Kさんは入居されて長いんですか?

Kさん
Kさん

もうすぐ15年になります。入居する一年前に主人が亡くなったんですけど、一軒家に住んでいたので、一人では広すぎてね。

そこで普通のマンションに住み替えようと思っていたんだけど、お友達から「この年になると引っ越しほど大変なものはないから、介護付きのマンションがいいわよ」とアドバイスをもらって。

一度、こちらに見学に来てみたら、立地もいいし、夜景も素敵だし、ほかの候補先を見ずにここに決めちゃった。お部屋はね、Tさんと同じ22階なのよ。

屋上の夜景。22階に住むTさんとKさんはいつもこんな景色を見られるそう
小菅秀樹
小菅

ご家族は入居について、どんな反応をされていましたか?

Kさん
Kさん

私は子どもが2人いるんですけどね。ここなら安全面もしっかりしているし、看護師さんも24時間常駐しているから、安心していると思うわよ。

家と土地を売ったお金を私と子どもで法定通り分け合って、生前贈与してしまいました。だって、お互いもういい歳だし、それぞれ自分の生活を大事にしたほうがいいじゃない? 一人になったからこそ、ここで自分のための人生を楽しもうと思ったの。

小菅秀樹
小菅

潔くて素敵です。ここでの暮らしはいかがですか。

Kさん
Kさん

どこに行くにもアクセスがいいから、楽ちんです。この先、身体が動けなくなったら、施設内で過ごすことが多くなるから、元気な今のうちは外に出たほうがいいと思ってね。フラダンスを習いに行ったり、好きなツアーに参加したりしています。

この年末年始は、比叡山の延暦寺に行って除夜の鐘を鳴らしました。毎年恒例の楽しみなのよね。

東京・日本橋で喫茶店を経営していたご経験も。粋で気っぷのいいKさん
Kさん
Kさん

一軒家に住んでいたときは、旅行で家を空けるたびに「玄関の鍵を閉めたかしら?」「火の元は大丈夫かしら?」と心配していたけど、今は鍵一つで出られるから安心。食事づくりも面倒になったら、レストランに行けばいいし、快適ですよ。

あら、もうこんな時間。17時半からナイトバーが始まるのよ。Tさんとは飲み仲間だからご一緒しようと思ってね。あなたとまたお会いできたらうれしいわ。

Kさんはそう言って、颯爽とナイトバーのイベントへ。Tさんたちとワインをたしなみながら談笑されていました。

2カ月に1度のナイトバー。気心知れた入居者さん同士、お酒も会話も進む

ここを拠点に、旅にも仕事にも出かけられる

今回、お邪魔した「プレール・ロヴェ豊洲」では、いい意味で生活感の出ない工夫が随所にされており、館内全体がホテルライクな雰囲気。この上質感やプライベート感に、魅力をおぼえる人も多いのではと感じました。

また、こちらには非常にアクティブなシニアが多いことにも驚かされました。

都心へのアクセスもいいことから、ここを拠点に街に、仕事に、旅に出かける。この場所を人生の新たなスタート地点として、自分のやりたいことを生き生きと叶える入居者さんたちの姿を垣間見ることができました。

健康や安全面でしっかりと守られながらも、自由で制限のない暮らしができる。「老人ホーム」の概念が、僕の中でさらにアップデートされた気がします。

伯耆原良子
伯耆原良子 インタビュアー、ライター、エッセイスト

日経ホーム出版社(現・日経BP社)にて編集記者を経験した後、2001年に独立。企業のトップから学者、職人、芸能人まで1500人以上に人生ストーリーをインタビュー。働く人の悩みに寄り添いたいと産業カウンセラーやコーチングの資格も取得。12年に渡る、両親の遠距離介護・看取りの経験もある。介護を終え、夫とふたりで、東京・熱海の2拠点ライフを実践中。自分らしい【生き方】と【死に方】を探求して発信。

Twitter@ryoko_monokakinotenote.com/life_essay 伯耆原良子さんの記事をもっとみる

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