一般的に気温が大きく変化する夏と冬は、入院する人が多い時期と言われています。特に高齢者の場合、熱中症などにより夏は体調を崩しやすい季節です。
高齢者は入院をきっかけに要介護状態になる方も多く、介護サービスを契約する、あるいは介護施設を探すなど退院後の生活の段取りが必要になるケースも珍しくありません。そこで今回は、実際にサポートを行った方にアンケートを行い、高齢者の入・退院の実態を調べました。
65歳以上の家族や親族の退院のサポートを行った方にアンケートを実施したところ、6割は予兆もなく「急な入院だった」と回答しました。
また、入院をきっかけに本人の要介護認定を「申請した」と答えた人は39.5%と約4割にのぼりました。元々要介護認定を取得していた人でも、入院をきっかけに介護度が「重くなった」と答えた人は43.1%になり、高齢者は入院をきっかけに体の状態が悪化しやすいことがわかります。
退院後の行き先をたずねたところ、「元々住んでいた自宅」に戻った人は51.8%で、「リハビリ病院」(11.8%)や「介護施設・ホスピス」(23.2%)など専門的な介護、医療サービスが受けられる場所に転居した人も少なくないことがわかりました。
高齢の家族の入院は突然発生し、入院をきっかけに大きく生活が変わり、転居を含む退院後の生活の段取りが必要になることは、稀ではないと言えるでしょう。
では退院までの期間に余裕はあるのでしょうか?退院が告げられたのは退院日のどのくらい前だったかをたずねたところ、最も多い回答は「数日前」で26.4%でした。
また、一週間以下の回答を合計すると51.3%で、過半数が退院まで一週間も猶予がなかったことがわかりました。
退院後の生活の段取りをする期間が十分だったかを聞くと、34.8%の人が足りなかった(「足りなかった」「やや足りなかった」計)と回答していました。
時間の足りなさは介護施設の見学数にも現れており、病院から介護施設やホスピスに入居したケースのうち、複数施設の見学に行った人は33.5%と約1/3に留まりました。
複数の施設を見比べて入居先を決められるのがベストですが、実際はそのような余裕がないようです。
家族や親族の突然の入院には何を備えておけば良いでしょうか?
回答率の高い順にランキングにまとめたところ、1位は「入院費用の蓄え」(35.2%)、2位「高額療養費制度など助成制度の知識」(34.2%)、3位「治療や介護、終末期に関する話し合い」(32.7%)という結果になりました。
日頃から、もしもの時に備えて知識を身につけ、親の意思などを確認しておくことが大切なようです。
高齢期になると、治療やリハビリを終えても要介護状態となり、自宅に戻ることができず、そのまま老人ホームに入居するケースは少なくありません。また、退院の数日前に突然退院を告げられることもあり、家族が短期間で適切な老人ホームを探すのは容易ではありません。このような場合は、病院の医療相談室にいるMSW(メディカルソーシャルワーカー)に相談し、退院後の住まい探しを協力してもらいましょう。
施設探しで特に難しいのは、相性の良さそうな施設を見極めることです。
見極めには、家族がどのような生活を望んでいて、どんな嗜好を持っているかを把握しておくことが大切です。そのため、元気なうちから老人ホームを「住まいの選択肢の一つ」と捉え、どんな生活を望んでいるのか元気なうちに話し合っておきましょう。また、急な入院に備えて健康保険証や預金通帳の保管場所を確認しておくとさらに良いでしょう。
早めの準備と情報収集をしておけば、いざという時にスムーズに対応できます。
「LIFULL介護 入居相談室」にお問い合わせいただければ、差し迫った退院日に向けて、予算や立地、必要な医療行為などの条件にあった老人ホームをご提案できます。ご相談は無料です。
調査概要
調査主体:株式会社LIFULL senior
調査対象:65歳以上の家族・親族の退院サポートを行ったことがある 874人
調査期間期間:2024年7月5日〜7月10日
調査方法:インターネット調査
※小数点第二位を四捨五入しているため、合計が100%にならない場合があります。
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