老人ホームの探し方、満足度を高めるカギは「時間の余裕」

LIFULL 介護では老人ホーム探しにかかった期間や、見学に行った施設数を満足度別で調査を行いました。

入居後の満足度を高める探し方とは? データから紐解きます。

半数以上が見学から3ヶ月以内に老人ホームへ入居

家族や親族が介護施設に入居した際に、いつから入居を考え始め、いつから入居先候補の施設を比較検討し、見学したかをそれぞれ聞いたところ、上記のような結果になりました。

見学は「入居する2~3ヶ月前」が26.6%と最も多く、次が「入居する1ヶ月前」(24.4%)となっています。半数以上が見学から3ヶ月以内に入居を決めていることがわかります。多くの人が実際の施設に見学に行ってから短い時間で入居先を決めている傾向にあるといえるでしょう。

そもそも入居するかどうかを検討した時期は「入居する2~3ヶ月前」(19.3%)と「入居する4~6ヶ月前」(19.2%)が多く、3番目が「1年前」(16.1%)となっています。半年以内の合計が52.8%となっており、半数を占めました。

56.5%が1~2か所の見学で入居施設を決めている

入居した施設を決めるまでに何軒の施設に見学に行ったかを質問したところ、最も多かったのが「2か所」の30.0%で、次が1か所(26.5%)となっています。半数以上の人が2か所以内の見学で施設を決めていることがわかりました。一方で19.7%の人は「見学には行っていない」と回答しており、一定数の人が見学せずに入居を決めている実態が見えてきています。

施設に満足の人の約3割が、施設を2か所見学をしており、不満の人の約3割が見学をしていない

上記のデータを施設に対して「とても満足」「満足」「どちらかというと満足」と回答した人のデータと「とても不満」「不満」「どちらかというと不満」と回答した人のデータとで比較してみたところ、満足と回答した人では「2か所」(30.87%)が最多で、次に1か所(26.90%)、0か所(18.69%)と続いています。一方で不満と回答した人の最多は「0か所」の29.03%でした。施設に不満を持っている人のうち、約3割が見学をせずに施設を決めています。不満を持っている人で多くの施設を見学しているケースもあるため、一概には言えませんが、やはり見学をして施設を決めた方が不満を持つ可能性が減ると考えられます。

施設に満足の人の約43%が入居の2~6ヶ月前に施設を見学している

老人ホームを見学した時期について 、施設への満足度別に集計しました。施設に対して「とても満足」「満足」「どちらかというと満足」と回答した人のデータと、「とても不満」「不満」「どちらかというと不満」と回答した人のデータとで比較してみると、満足と回答した人の方が「入居する2~3ヶ月前に見学」と「入居する4~6ヶ月前に見学」が多く、比較的余裕を持って施設への見学を行なっていることがわかります。満足と回答した群では合わせて43.16%の人がこの時期に見学していますが、不満と回答した人の群では29.57%にとどまっています。

また、満足と回答した人の中で、見学について「わからない/行っていない」と回答した人は15.05%だったのに対して「不満」と回答した人は28.49%となっています。入居先の施設に満足している人は、比較的余裕をもった時期に施設の見学に行って、入居する施設を決めていることがうかがえます。

施設選びで困ったこととしては「急いで探す必要があった」が最多

入居施設を決める際に困ったことを聞いたところ、「急いで探す必要があった」(24.0%)、「入居待ちでなかなか入れない」(23.4%)といった点が上位にあげられました。また「入居にいくらかかるのかがイメージしづらい」(22.5%)、「希望する条件の施設が少ない、見つからない」(19.5%)、「選び方、比較のポイントがわからない」(19.5%)といった回答も20%前後の方が回答しており、情報収集に苦心している姿も見受けられます。

介護施設は、介護度や受けたい介護サービス、オプションサービスによりかかる費用が異なるため、パンフレットに掲載された金額は目安となることがほとんどです。その点で入居費用がイメージしづらくなっていることが考えられます。また、前述のグラフでは施設の比較検討から入居まで2〜3ヶ月の方が最も多く、短期で探される傾向が伺えました。日々の介護で時間に余裕がない中、さらに短期間での施設探しに迫られているとすれば、情報収集に苦心するのも無理はありません。

施設を検討する際に金額と立地以外で最も重視されているのは「入居者、スタッフの雰囲気」

次に施設を検討する際に金額と立地以外で重視したものを聞いたところ、「入居者、スタッフの雰囲気」が37.1%とトップに。3割以上の人が回答したのが「医療サービス体制」(36.3%)、「空室状況」(32.1%)、「提供しているサービス内容」(30.7%)といった項目でした。雰囲気やサービスの内容についての関心が高いとともに、「空室状況」も高い数字になっています。これは前項の「困ったこと」で「入居待ちでなかなか入れない」が上位だったことも理由の一つと考えられます。

施設に「とても満足」している人は検討時に重視した項目が多い

こちらも満足度別に集計してみたところ、「とても満足」と回答した人は「重視した」という回答の数が全14項目で平均を上回りました。さらにうち12項目で平均を5ポイント以上、上回っており、重視した項目が多いことがわかります。(上記表では平均を5ポイント以上、上回った項目を薄いオレンジ、10ポイント以上、上回った項目をオレンジで表示しています。また、平均を5ポイント以上、下回った項目は薄い青、10ポイント以上、下回った項目を濃い青で表示しています)

一方で不満のある人は多くの項目で平均を下回っており、全体的に検討時に重視した項目が多い人の方が、満足度が高い結果と考えられます。

 特に「とても満足」している人は「入居者、スタッフの雰囲気」と「居室の景観、日当たり」で平均を10ポイント以上、上回っています。どちらも施設での生活をするうえで入居者が日常的に接する項目であるため、入居を検討する人はこれらの観点でも施設選びをすると満足度が高い結果につながる可能性が高いといえるのではないでしょうか。

今回の調査を受けて「LIFULL 介護」編集長 小菅秀樹のコメント

今回の調査では、多くの方が老人ホーム探しを「3ヶ月以内の短期間」で行い、1、2か所の見学で施設を決定する結果が出ました。確かに、介護される方のお身体状態の急変、あるいは入院をきっかけに、急ぎで探される方が多くいらっしゃるのが実情です。しかし、多くの入居相談を受けてきた経験からすると、見学は3か所以上行った方が入居した後の満足度も高まります。

老人ホームは、人が介護をする場所です。そのため、施設長や介護職員と入居者の相性が、介護の質や生活の満足度を左右します。また、料金体系やオプションサービス、レクリエーションも施設により様々です。人や雰囲気、細かい情報は見学でしか得られないため、目を養う意味でも3か所以上の見学をお勧めしています。

ただ、時間がない中で多くの施設から絞り込み、見学することは難しいと思います。気持ちに余裕のあるうちから、老人ホームという選択肢をもち調べておく事が肝要です。「自宅で介護をするのは難しいかもしれない」、そう思ったら、お近くの老人ホームについてぜひ調べてみましょう。

また、時間がない中での老人ホーム探しは、LIFULL 介護の入居相談室を頼ってください。経験豊富な専門スタッフが、入居するご本人に合った施設をご提案し、見学日程の調整も行います。

どんなポイントに着目して探せば良いかわからない方には、LIFULL 介護が自信を持ってお届けする「後悔しない老人ホームの選び方ガイドブック」がお勧めです。無料でお届けしておりますので、ぜひお申し込みください。

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