新型コロナで生活が一変!?介護の父とぶつかりがちな同居生活を、「発想力」でなんとか乗り切る!

親が突然倒れた、さぁどうする?

会社員歴20年、その後クリエイティブコンサルタントとして独立し8年。
仕事一筋で生きてきた、介護のことなんてまるでわからない独身ワーキングウーマン、中村美紀50歳。

大好きな母、馬が合わない父の、突然の同時多発介護にてんやわんやしながら、仕事人間としての特性を活かし、「ビジネス思考」で介護を乗り切っていく、壮絶だけど、コミカルな記録。

最初は、新型コロナウィルスって何?だった。まずは、その恐ろしさを予知できていない当時を振り返ってみる

新型コロナウィルスは、感染症の恐ろしさを我々に見せつけました。緊急事態宣言は解除されましたが、第二波・第三波への備えが必要と言われている中、その恐ろしさはまだ終焉を迎えていません。

介護の母・父との生活も一変しました。まずは、時系列で振り返ってみます。

2020年1月、東京都内で新型コロナ感染が判明。

昨年末中国の武漢で発症したとされる、未知のウィルスらしいとのこと。まだ、その後に起きる、戦後最大の国難と言われる事態にまで発展するとは、微塵にも思っていませんでした。

2月、ダイアモンド・プリンセス号という名の豪華客船での感染が発覚。

この頃騒がれていたのは、感染症の恐ろしさそのものというより、海外メディアからの日本対応の批判ばかりだったという印象です。

検査の不確実性、船内感染防止対策の不徹底、高齢の方や持病がある方への配慮の無さ、宿泊隔離施設体制の遅さ、など。

私もこれらのニュースを見て、日本政府ダイジョブかな?と不安を抱いたのを覚えています。

3月、恐ろしい勢いで感染が拡大。

特にイタリア、アメリカなど欧米での感染が拡大し、本格的に恐怖が募っていきます。

東京オリンピックが延期され、有名人である志村けんさんが亡くなり…大きなショックを受けた自分。

4月に入ると、最初に7都道府県、半ばには全国に緊急事態宣言が発令。

人との接触8割減、という強烈な目標も示され、状況は一変しました。

母が入居している介護施設は、早々に面会謝絶。もう数カ月、母には会えていません。

施設スタッフの方々は、施設から感染者が出たら大変なことになる、という緊迫感を持って働かれているに違いありません。

そう考えると、むやみに連絡することもできず、お任せすることしかできないーー。

「便りの無いのが良い便り」と、信じて託す日々です。

父の利用している介護関連サービスは、この状況下でも継続して運営されると確認できました。働き手が足りず、営業休止を余儀無くされる介護サービスもあると聞く中で、ありがたい限りです。


しかし、私の状況は変わりました。

打ち合わせや会議などは全てオンラインとなり、仕事で外出する機会はほとんど無くなりました。

家で仕事をする場合、今まではシェアオフィスやコワーキングスペース、喫茶店などを活用して、集中できる環境を作っていましたが、これらのほとんどが休業に。

加えて不要不急の外出を控えよという要請の中、身動きができない状態です。

つまり、介護の父と一緒に家に居る時間が長くなる、ということ。

これは…イヤな予感がします。

最近おさまらない頭痛の原因は、父? 母? マスク?

 何かと話しかけてくる父。会話をする度にぶつかってしまい…どうしたらいいのー!?

母が突然倒れ、ショックを受けた父。老人性うつになり、要介護1の判定を受けました。

老人性うつは不安を抱きがち。解消するためなのか、一緒に居るとよく私に頼み事をします。

例えば…

オンライン会議中に

父

今日スーパー行く?連れてって〜

うぎゃー、お客さんと話しているので後でー!とジェスチャーで伝えますが、一向に通じません。

企画を考えている時に

父

布団が暑いんだよ〜。変えてくれないかな〜

うぎゃー、自分で変えてくれー、出来ないなら後でやるからー!と言っても、思いついた時点で対応しないと、気になって不安になるらしく、その場をなかなか動きません。

原稿を書いている時に

父

寝間着が寒いんだよ〜。どれ着ればい〜い?

うぎゃー、あそこに入っているから自分で出してくれー!と言っても、「はぁ」という反応でわかっていない様子。仕事をしながら、気温の変化が激しい昨今を気にして、父の衣類や布団をこまめに変えるのは、ちょっとした気苦労です。

こんな調子が何日も続き、私もイライラが募っていきます。

父に何かを聞かれ、うっかり高齢者向けのゆっくりとした口調をし忘れて話してしまうと、すぐに「えー?」と聞き返されます。
理解しよう、なんて姿勢はちっともみせてくれません。

こちらが一生懸命説明している中での、この切り返し。何回も続くと、やはり癇に障ります。こちらも「だーかーらー!!」と声を荒げるようになっていきました。

こうなってくると、もう話しかけられた段階で、ぴりぴりとした態度を取ってしまうように。


これはまずい!


緊急事態宣言が解除されても、休業要請の緩和は段階的。ワクチン等ができるまでは、人との接触は継続して気をつけなければならないでしょう。

第二波、第三波への恐怖が無くならない以上、家に居る時間も、以前のようには戻らず長くなりそう。

しばらくは、父と一緒に家で過ごす状態が続きそうです。

父のためにも、自分のためにも、この状態を切り抜ける方法を真剣に考えないとまずい、と思い始めました。

自宅待機で、父との関係は悪くなる一方

しばらく続く自宅待機。父とのぶつかりを「発想力」で回避する

父と一緒に居ると、なかなか仕事に集中するのが難しい。
この状況を打破するにはどうしたらいいのか。

発想の観点を多角的にするために、「MECE」をヒントにしてみます。


「MECE」とは「モレなしダブリなし」の意味。

ミッシー・ミーシーとどちらでも呼ぶようです。Mutually Exclusive, Collectively Exhaustiveの略で、Mutually(お互いに)、Exclusive(独占的な)、Collectively(まとめて)、Exhaustive(完全な)の頭文字をとった言葉。

相互に・重複せずに・全体で・漏れがない=モレなしダブリなし、という意味になるとのことです。

「MECE」の意味はモレなしダブリなし、例えば「じゃんけん」とらえるとわかりやすい?

「MECE」は問題解決のシーンで多く使われます。

解決策を導き出すのに、状況を整理したり、問題を構造化してとらえることが必要ですが、そこにモレがあったら解決策にならない、ダブリがあったら非効率、というわけです。

この自宅待機の状況を当てはめて考えてみると、以下3つの観点が思い浮かびました。

①一緒に居ない…一緒に居ない時間をどう作るかを考える

②一緒に居る…一緒に居ないわけにはいかないので、一緒に居る時間をどう過ごすかを考える

③その他…気分転換方法を考える

この方向で発想してみます。

父とぶつからない家での過ごし方を「MECE」で発想する
【父とぶつからない家での過ごし方を「発想」する】

① 一緒に居ない時間をどう作るか

父は高齢者特有の早寝早起き。であれば私は、遅寝遅起きをし、「時間をずらす」ことで、一緒に居る時間を減らす。打ち合わせ時間などは出来る限り午後にして、夜型シフトに変更する。

②一緒に居る時間をどう過ごすか

一緒に居る時間は持たない、のではなく、「短時間でも一緒に居る時間を作ることで、一緒に居ない時間が作れる」と考える。
例えば、外出可能な「スーパー」には、なるべく一緒に行くことで、父が安心感を持てるようにし、それ以外はそれぞれの時間を過ごす。

③ どう気分転換するか

スポーツクラブが行けなくなってしまったので、ウォーキングをする、積極的に流行りのオンライン飲み会をするなど、ストレスのはけ口を自ら意識して作り、父にあたらないようにする。

そうか!私の一変した生活について父に説明してなかった!

こうして、父とぶつからない方法を発想してみましたが、いざ実行する時になってみると、父に私の一変した生活について、何も説明してないことに気づきました。

例えば、オンライン会議。

週何回か、オンラインで会議をするようになりましたが、側から見れば、パソコンに話しかけているだけ。パソコンで会議をするなんて、父の時代にはまったくなかった話です。

そこで父が理解しやすいよう、ジャスチャーをしながら説明してみました。

私

「新型コロナ感染防止で、今はどこの会社さんも打ち合わせがオンラインでね…パソコンを使ってね…画面に顔が出てね…」

父

「お〜。ニュースで話題にしてるやつだな」

そうそれ!思ったより理解が早くてびっくりです。

私

「仕事中はね、話しかけられると集中力が切れて進まないから、なるべく話しかけないでくれる?」

父

「ほ〜お」

わかってくれたよう…と思いきや、すぐに話かけられました(がっくり)。しかし私も、一回伝えたからと言って、父の態度がすぐに変化すると思っていません。根気よく、繰り返し説明するようにしました。

こうして、前提となる状況を説明した上で、発想した解決策3つ、「時間をずらす作戦」「一緒にスーパーに出かける作戦」「リフレッシュ作戦」を実行してみたのです。

結果はどうなったか。


打ち手を講じた生活を過ごして約2カ月。
父の、パソコン会議に対する理解は徐々に見え始め、仕事中に話しかけられることは、ほぼ無くなりました。

また、私もスーパーに行く時は、積極的に父を誘うことで、一緒に行動するのが習慣化されていきました。

こうして、一緒に居る時間・居ない時間のメリハリがつくと、自体が変化し始めます。

一緒に居ない時間が作れるようになると、仕事にも集中できるようになり、イライラが軽減されていきました。
イライラが軽減されると、心の余裕が生まれ、一緒に過ごす際は、丁寧に父に接するようになりました。

コツコツ解決策を実施してみることで、徐々に好スパイラルに転じているよう。

とはいえ、ぶつかり合いはゼロにはなりませんが(苦笑)、ストレスの溜まりやすい自宅時間をなんとか過ごせています。

「コロナと共存する」

そんなのイヤだ、と言いたいところですが、無理らしいので、今しばらくコツコツと解決策を継続する予定です。

まとめ

・    新型コロナが撲滅されない以上、行動や生活が制限されてマイナス。しかしこの変化を(がんばって)プラスと考える。

・    変化を「MECE」でとらえ、そのカテゴリごとに「発想」してみると、多角的なアイディアが生みやすい

・    何かしら「発想」できれば、心の余裕が生まれる(私の場合)。それが好スパイラルの第一歩。あとは実行するのみ。

・    「発想」は質よりも数。どんどん試す。失敗も経験としてプラスととらえる。

・    試した中から残ったのが正解。正解から探そうなんて無理、と割り切るぐらいがちょうど良い。

次回は、

なぜウソをつく!? 「オオカミ少年」と化した介護の父、「アンガーマネジメント」を応用して自分の怒りを治める
 


 

中村美紀
中村美紀 クリエイティブコンサルタント・編集ディレクター

(株)リクルートフロム エー、(株)リクルートに20年在籍し、副編集長・デスクとして10以上のメディアにかかわる。2012年に独立し、紙・WEBメディア設計、編集コンテンツ企画制作、クリエイティブ研修講師、クリエイティブ組織コンサルタントなどを請け負う。 国家資格キャリアコンサルタント/米国CCE,Inc. GCDF-Japanキャリアカウンセラーでもある。

プロフィールhttps://miki-nakamura.com/ブログhttps://oyakaigo.miki-nakamura.com/ 中村美紀さんの記事をもっとみる

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