リニューアル連載、今回のゲストは……「オバンギャ大家さん」です!
リニューアル連載、今回のゲストは……「オバンギャ大家さん」です!
藤谷さん、ちょっとすみません。どなたですか?
私は1日の半分以上SNSを見て暮らしているんですが、そこでたまたまTwitterアカウントを発見し、内容が面白すぎて一目惚れした方です。そして、読者の方に説明しますと、「オバンギャ」とは「オバサン+バンギャル」を合わせたネットスラングです。
なるほど、会社員と賃貸アパートの大家をやっているバンギャルさんなんですね。最高じゃないですか。
でしょ! たまに、バンギャル同士で「老後は同じマンションに住みたい」という話になるじゃないですか。
なりますね。私も物件は欲しいです。
私も憧れがあります。現実にやっている人がいるわけですよ。北海道に!
と、いうわけで、今回はオバンギャ大家さんにリモート取材を行いました!
はじめまして〜、今日はよろしくおねがいします。
よろしくおねがいします。率直な質問なのですが、オバンギャ大家さんが、賃貸物件を買う、つまり「大家さん」になろうと思ったキッカケから教えて下さい。
物件を買ったのは2年前くらいですね。もともと勤め先が不動産賃貸業なんですよ。なので、知識に関しては多少はあったんです。そこに、以前からやっていた株の利益だったり、相続で入ったお金もあったので、そろそろ安定する収入も欲しいなと思うようになって……。
「買う」に至った決め手はなんだったんでしょうか?
最後は「勢い」ですね。買った時期が誕生日の直前だったので、自分へのプレゼントってことで(笑)。
たしかにそれなりのローンを背負うわけですから、勢いがないと無理かもしれません。
ちなみに、ある程度とのまとまったお金と勢い以外で必要なもの、資格などはありますか?
大家さんをやるには資格はいらないです。私は宅建の資格を持っていますが、資格があると便利というか、知識は役に立ちますね。資格にかかわらず、勉強は大事だと思います。
たとえば、ネット上のバナー広告で「サラリーマン大家になる!」みたいな不動産セミナーをみかけることがあるんですが、ああいったものは勉強する場所としてどうなんでしょう?
不動産セミナーは、業者がやるセミナーと、実際に大家さんがやってるセミナーがあるんですけど、業者がやるセミナーは物件を売るためにやってるんです。
違いがあるんですね。
おすすめは業者じゃなくて、大家さんがやってるセミナーです。そういうセミナーに登壇するような方って、「おかしい人」が多いんですよ。
それは、バンドマンにぶっ飛んでる人が多い、的な意味での「おかしい」しょうか?
もちろん、褒言葉で「おかしい人」です(笑)。ライブみたいで楽しいんですよ。その場で人脈も出来ますし。
ライブ友達だ!
今年の頭に、ライブ遠征感覚で、長崎で開催された不動産セミナーの遠征に行ったこともありました。
「不動産セミナーの遠征」パワーワードやぁ……。
ブログを拝見すると、ファイナンシャルプランナーの資格もお持ちで。
それの屋号がLA VIE EN ROSEだったのが個人的に気になりました。
ヴィジュアル系にはさまざまな「LA VIE EN ROSE」がありますが……。
D'ERLANGERの「LA VIE EN ROSE」ですね。
さすがです(※D'ERLANGERファン)。
オバンギャ大家さんというお名前もですが、活動にヴィジュアル系の匂いがするのが、すごくいいですよね。
私は20代の頃は、将来はぼんやり不安だけど、お金については何も考えてないに等しい状態でした。アラフォーになってようやく個人年金を始めたくらいで。大家さんは、昔からそういった考え方の持ち主だったのでしょうか?
今の仕事の前は税理士事務所だったんですよ。だからそういう感覚が身につきやすい環境でした。その頃から、生活費とは別に「ライブ口座」を作っていまして、たとえば、通帳に「D'ERLANGER預金」みたいに書いたりして(笑)。
モチベーション上がりそう〜!
毎月定額をその口座に入れてるんですよ。で、引き出す時には、例えば何月何日ホテル代とか記録しています。結果的にこの通帳がライブ用の帳簿になるんです。
なるほど。ちなみにライブ費用が足りない場合は?
自分で投資運用を頑張ったりしてますね。
…え?待ってください。資産運用とかマネーリテラシーとか勉強したいと思ったきっかけは、もしかしてライブに行きたいがためですか?
そういうことになるのかな?(笑) もうかれこれ20年ぐらいは、こういう感じでやっています。将来のためとかももちろんありますけど、基本的にはライブに行きたくて。
ライブ行きたさに賃貸運用!!!今日はパワーワード多いですね。
勤め先がそうだったという理由もあると思うんですが、勉強熱心ですよね。
やっぱり知識は大事だと思うんです。
よく、友人同士だったり、SNSを見ていても、「将来バンギャルや趣味の同士でマンションに住みたい」と希望している人は少なからずいると思うんです。
同じ物件内に部屋をそれぞれで借りたり、買ったりするのもいいんですが、物件を一棟手に入れたいという気持ちもあるんです。「バンドマン専用マンション」とか、「バンギャル専用マンション」、響きがいいですよね。
楽器を鳴らしても、大きな音でライブDVDを見ても怒られない物件を……。現実的に考えてこれは「アリ」でしょうか? 大家さんの知見をお伺いしたいです!
まず、大きな音を出すなら、木造だと防音面でダメなんですよね。新築のRC造は東京はもちろんですが、北海道でも金額的に手が届かない。なので、古いRC造の物件を……となると、修繕工事にコストがかかるんですよね。
新しいRC造は高額だし、古いRC造は修理にもコストがかかると。
まずリフォームしなくてはいけないですしね。
大家さんの地元の北海道に作るとしたら、どのくらいかかると思います?
それこそ札幌だったら、すすき野の隣に、中島公園という駅があるのですが、あの近隣に結構古いマンションが多いので、その辺の古いRC3階建て一棟ぐらいを買って、リフォームかけたら、5000万円ぐらいあればいけるんじゃないかと
くぅ〜。(机に突っ伏す)
私は億はいくと思っていたので、5000万円でいけるんだと思いました。自分の手が届かないのは同じですが。
ちなみにこれはエレベーターのない物件の話です。
くぅ〜。(机に突っ伏す。※2回目)
老後に足が悪くなったら、エレベーターは必要じゃないですか。エレベーターはメンテナンスがえらいかかるんで
そうなんですか?
そうなんですよ。祖父がエレベーター屋だったので、メンテナンスの必要性は子供の頃からずっと耳にしていました。
知らないことばかり!
防音じゃなければ、もうちょっとコスト下げられますかね。バンギャル同士で住むアパートなら木造もアリでしょうか。爆音は出さ…ない…はず…(弱気)。
木造だったら、物件の値段自体はそんなに高くはないんですよ。
ちなみに、大家さんの所有されている木造アパートのローンは、あと何年ぐらいで回収できますか?
もともと築12年で買ってるので、あと10年ぐらいで回収したいと考えています。
築12年! いいなー新しくて!
12年の木造は新しくないですよ〜。
……今自分が住んでるのが築60年の木造なんで……。
私も築40年ぐらいの木造なんで……。
木造の耐用年数は22年なんですけど、それ以上は、銀行がお金を貸してくれるかどうかの話です。建物的には木造って、意外と丈夫で長くもつんですけど。
じゃあ、10年でローンを返し終わった後は、ひたすら黒字になるという感じなんでしょうか(目を輝かせながら)。
もちろん、ローン完済しても、水回りの修繕などにはお金がかかりますよ。
ですが、満室という前提であれば、現在よりは利益率が良くなりますよね?(謎の食い下がり)
はい(笑)
すごいですね、夢がある。やっぱ不動産持ちたいっていう気持ちが膨らんできました。
私も、今木造に希望が持てて、かなりポジティブな気持ちになりました。
防音の物件とかじゃなかったら、割とそれで5部屋とかそういうアパートだったら、仲の良い友達とみんなで住むっていうことも可能ではありますよね。やっぱり夢を見たいじゃないですかっていう。
そうそう、私のアパートって1階車庫なんですよ。1階が車庫だから、だから、1階だけ鉄筋コンクリなんですよね。
なんですと?
で、私考えたのが、車庫の部分を、寒いんですけれども、ここの場所だったら音を鳴らしてもいいんじゃないですか
つまりそこをスタジオに?
そうそう!
天才だ
できるんですかそれは。
できることはできるはずだけど、あんまり大々的に入居者を募集できないですよね、そこは本来は車庫ですから。
法に触れると……。
建築基準法か消防法的にちょっとまずいかもしれないですよね。
なるほど、道は険しい。でも、そういうアイデアが出てくるのって、すごく夢が広がるし、楽しいですよね。法に触れてはいけませんが(重要)。
将来、自分の物件にバンギャ友達と住むのも楽しそうですよね。
そうですねえ、もしも住むとこなくなったら自分の物件住もうかな〜とは思っています。「大家さんと僕」というマンガがあったじゃないですか
お笑い芸人のカラテカの矢部太郎さんのエッセイですよね。
そうそう、ああいう感じでオバンギャな大家さんとして、ヴィジュアル系バンドマンを見守りたいですね。
大家として夢を応援するポジションへ……†
むちゃくちゃいいですね、生活から支える、おはようからおやすみまで……†
おばあちゃんになった時に、そんな生活がしたいですね。
いいですね、マンガにできます。
マンガ家のひとがこう言ってますよ! 間違いない!
(笑)。
奈良県出身の漫画家・イラストレーター。小学生の頃V系バンドに目覚め、以後約20年をバンギャルとして過ごす。主な著書はバンギャル人生をネタにしたコミックエッセイ『バンギャルちゃんの日常①〜④』(KADOKAWA)。趣味はスーパー銭湯めぐりとプロレス鑑賞。
50代を迎えたSUGIZOさんが今思うこと―社会への貢献、死生観
還暦を過ぎて友達が増えた。永ちゃん一筋30年の矢沢ファンは、老後もファンであり続ける
1981年生まれ。自衛官、書店員、DTPデザイナーなどの職を節操なく転々として、フリーランスのライターに。趣味と実益を兼ねたサブカルチャーの領域での仕事が多い。共著に「すべての道はV系へ通ず。」(シンコーミュージック)、「想像以上のマネーとパワーと愛と夢で幸福になる、拳突き上げて声高らかに叫べHiGH&LOWへの愛と情熱、そしてHIROさんの本気(マジ)を本気で考察する本」(サイゾー)など。
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