(連載)ご入居者ケースのご紹介6.孤立・孤独という生活習慣病
奥様に先立たれた以降、埼玉県内におひとりでお住まいだったA様
近くに親類はなく、仕事が生きがいだったことや、近所づきあいはもっぱら亡くなられた奥様が担っていたため近所に知り合いや友人も少なく、同年代の方が次々と鬼籍に入られたこともあり普段は話す人も少ないという生活状況でした。
年齢を重ねるにつれ、徐々に物忘れが増え、悪性腫瘍を患われたことから、川崎市に嫁いでいた一人娘さんが心配し、当住宅を探して入居されました。
もともと社交的でなったことから、娘さんは
「集団生活になじめるのか?友達は出来るのか?」と強く心配していらっしゃいました。
その後、数年を過ごされ、持病が進行し、いよいよ終末期を迎えましたが、
「友達がいるからここに居たい。入院はしたくない」
とおっしゃり、当住宅での看取りを希望されました。
ご本人やご家族のご希望で葬儀も棟内で行い、多くの皆様に見送られつつ出棺されましが、その時にご入居者の皆さまからA様のたくさんの思い出が語られました。
娘さんもスタッフも知らないようなエピソードが次から次へと飛び出し、皆笑顔で泣きながらA様を見送りました。
娘さんは、「父にとって、ディーフェスタで過ごした最後の数年間が人生で一番楽しかったのはないでしょうか」とおっしゃいました。
要介護状態の入口にあたる「フレイル」予防には栄養、身体活動、社会参加の三つのが必要で、特に「社会参加」が重要とされています。
また、アメリカのハーバード大学が84年にわたり2000人以上を追跡調査した研究では「健康で幸せな人生を送るために必要なのはよい人間関係だ」ということが判明しました。ロバート・ウォルディンガー氏曰く「人間の幸福は学歴や収入、生い立ち、社会的地位でなく『良い人間関係』に尽きる」のだそうです。
人間は加齢に伴い、近親者や知人・友人に先立たれるなど人とのつながりが減っていきます。
特に地方出身の都市生活者の場合はそれが顕著な傾向があります。
「唯一の友人は配偶者だけ」という人も多く、隠れた社会問題にもなっています。
一方で孤独や孤立が生活習慣病であり、高齢になる前から予防が必要であることが示され、A様の事例のように改善できるものであることも実証されています。
当住宅は「孤立・孤独・無縁」といった生活習慣病に対する有効な処方薬になることを願っております。
- 住所
- 神奈川県川崎市高津区上作延5-9-15
- 入居
- 19.2万円~37.2万円
- 月額
- 13.3万円~35.97万円
無料
0037-630-45142 携帯電話からも可。光電話・IP電話は不可