認知症の父さんと、まだ幼い長男のたー君を抱えたライターの岡崎杏里さんは、育児と介護を同時進行で行う、まさに「ダブルケア」の当事者です。
育児も介護も大変な状況がクローズアップされがちですが、幼い孫と認知症のじいちゃんが織りなす日々は、意外にも笑える場面が多かった!岡崎さんちの日常をお届けします。
先輩ママの友人が、某赤ちゃん用品専門店の袋に入った育児グッズを見て、こう言いました。
「似たような商品が“100円ショップ”にもたくさんあるよ!」
言われた通り100円ショップを覗いてみると、タオル地やビニール製スタイ、おしりふきシートなど、専門ショップでしか売っていないと思っていた育児の便利グッズがあるわあるわ……びっくりしました。
さらに“介護コーナー”も見てみると、使い捨て手袋や体ふきシートなど、そちらのラインナップの豊富さにも驚きが。なかなか侮れません。
そこから、岡崎家も育児と介護に必要なグッズを、まず100円ショップで探すように。今回は、我が家で育児と介護の両方に大活躍した100円ショップで買える便利グッズのBEST3を発表します。
現在、箸の持ち方を練習中のたー君が使っている「シリコンおはしホルダー」は、手にマヒのある父さんの食事もサポートしてくれます。外食時、割りばしにも装着OK。箸の上の部分に装着することで、箸がトングのような状態になり、食べ物が掴みやすくなります。手軽に持ち歩け、見た目がカワイイのもポイント高し。
これは「介護」「育児」コーナー以外にあるものですが、ヘルパー2級の資格を取得するときに実習で行った介護施設で活用していたのを見て、家でも使うようになりました。机に置く杖の滑り止めや、食事のときに食器が滑らないように使っていました。
本来は家事をするときに使うものですが、我が家ではたーくんと父さんの食事の時に、食べこぼしで服が汚れるのを防止するために使用しています。「たー君とお揃い!」と言えば、介護用エプロンに抵抗があった父さんもスムーズにつけてくれました。ポリエステル製で、洗濯してもすぐに乾きます。食事で服を汚すことが多い、介護・育児シーンでかなり使えます。
ほかにもたー君の離乳食時代に使っていた「麺切りカッター」は、嚥下能力が弱くなった父さんが麺類を食べるときにも大活躍。「ストロー穴がついたフタつきマグカップ」はフタにストロー穴が付いているのがポイント。一気にたくさんの量が飲めない&コップを倒すことが多い父さんやたー君に便利でした。
ストローつきのコップは育児用でも介護用でも、専門店に似たような商品がありますが、いずれも100円では購入できません。
介護も育児も、まず「100円ショップ」を覗いてみるのはおすすめです。
茨城県つくば市出身。池袋の近くと横浜市の内陸部を経て、つくば市在住。書籍編集・ライティング→IT関連企業を経て、2009年よりフリーランスのイラストレーターとして活動中。
書籍・雑誌・WEB・広告などの媒体をメインにイラストを提供しています。著書に「赤子しぐさ」「赤ちゃんのしぐさ」(共著)があります。
ダブルケアラー(介護と育児など複数のケアをする人)として、介護に関する記事やエッセイの執筆などを行っている。2013年に長男を出産。ホームヘルパー2級。著書に23歳から若年性認知症の父親の介護、ガンを患った母親の看病の日々を綴った『笑う介護。』や『みんなの認知症』(共に、漫画:松本ぷりっつ、成美堂出版)などがある。
岡崎杏里さんの記事をもっとみるtayoriniをフォローして
最新情報を受け取る