最近はお元気なうちに「より安心できる住まいに引っ越したい」と、自宅から住み替えを検討される方も増えていますよね。
介護の末に夫を見送り、今は一人暮らしをするヒロセさん。ある日本棚の整理をしていたら、体に異変が…。ヒロセさんはある決断をします。
最近はお元気なうちに「より安心できる住まいに引っ越したい」と、自宅から住み替えを検討される方も増えていますよね。
そうですね。近年、高齢者向けの住宅もますます多様化しています。「介護が必要になった時に介護サービスが受けられれば十分」という相談も多く寄せられますが、実はそれ以上に多彩な「高齢期の住まい」があるんです。お元気なうちに住み替えを検討する際には、代表的なものとして次のようなタイプが挙げられます。
生活支援サービスや食事の提供が受けられ、介護が必要になった際には介護サービスも利用できる老人ホームです。施設によってお元気な方から要介護状態の方まで幅広く受け入れており、多くの場合、終身にわたって生活を送ることができます。「利用権方式」の契約となり、一般的に数百万円〜数千万円の入居一時金を支払って入居します。デメリットとして、施設によっては入浴の頻度や食事の時間、外出などを制限されることがあります。
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見守りや生活相談などのサービスが受けられる、バリアフリー仕様の賃貸住宅です。介護が必要になった場合、必要に応じて介護サービスを契約して利用します。通常の賃貸住宅と同じ「賃貸借契約」を結び、多くの場合有料老人ホームよりも手頃な価格になっています。ただし、施設によっては介護度が重い方は退去を求められる場合もあります。
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自宅と変わらない生活を送りながら、必要なときに見守りを受けたい
シニアの暮らしに特化した設備や住環境を備えた分譲マンションです。購入時にまとまった資金が必要になりますが、資産として保有できる点が大きな特徴となっています。大浴場やフィットネスジム、などの充実した設備に加え、緊急通報サービス、健康相談サービスなどを提供しており、健康寿命を伸ばすことを目的に移り住む方が多いです。一方で、介護度が重くなったり、認知症の症状が著しく進行すると退去を求められる可能性があります。
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まとまった資金があり、充実したシニアライフを過ごしたい
今回のヒロセさんのように、お元気なうちに老人ホームを探される方は「万が一のときに、どれだけ手厚い介護、医療が受けられるか」を重視する傾向にあります。ただ、お元気な方には他にも選ぶ際に注目していただきたいポイントがありますよね。
そうですね。怪我や病気をきっかけに、住み替えを検討する方が多いので「いかに安心できる住まいか」を重視されるのは自然な流れです。ただ、その先長く住むことを考えると、介護や医療だけでなく、他の点にも目を向けたいもの。例えばこんな失敗談をよく聞きます。
先に入居している方々がどのようなコミュニティを築いているか、また介護度はどの程度かをチェックしましょう。比較的お元気な方が、介護度の重い方が多いホームへ入居したため、話し相手がおらず部屋にこもりがちになってしまうなど、周囲の状況は入居後の生活に意外と大きな影響を及ぼします。
食事が口に合わず退去を希望される方は、少なくありません。入居前には必ず試食をして、食事のクオリティを確かめることをお勧めします。。特に、減塩食や糖質制限など、健康状態に合わせた食事が提供されているかどうか、またその味が好みに合うかを確認することが大切です。
例えば都会からのんびりとした景勝地のホームに移り住むなど、今までの住環境から大きく異なるホームに移る方もいらっしゃいます。それがご本人の生活とマッチするかどうかは人によるため、一概にNGとは言えませんが、そこで理想の暮らしができるかどうか慎重に検討する必要があります。
資金に余裕があれば、旅行で滞在する、またはマンスリーマンションに滞在するなど、ライフスタイルに合った住環境であるか判断材料を集めるのも良い方法です。
お元気なうちの入居だからこそ、長期間住むことを想定して、ライフスタイルに適したホームかどうかを十分見極めて入居先を選びたいですね。
横浜市出身。主な著作として聖徳太子の伝説をギャグにした四コマ『かみびと太子!』、輪廻転生をテーマにしたBL『さつき待つ』など。コスメと飛鳥時代が好き。
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