「老人ホームに入りたくない!」と頑なな認知症の父。老人ホーム探しは諦めるべき?

認知症の症状により怒りっぽくなった父を介護するカオルさん。お父さんは自宅にくるヘルパーさんとも折り合いが悪く「私がもっと面倒見なければならない…?」とカオルさんは考えますが…。

認知症は、老人ホームへの入居により症状が落ち着く場合も

コミヤ
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LIFULL 介護の調査(※)によると、老人ホームに入居するきっかけで一番多いのが認知症だそうです。症状別に見ると、「排せつの失敗をする」「お金の管理ができない」「怒りっぽくなる、暴力をふるう」が上位3つを占めていました。

ノスゲ
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認知症の症状は大きく2つに分けられます。物忘れや場所がわからなくなるなど、脳機能の低下によって引き起こされる症状を「中核症状」と呼びます。それに対し、本人が適応しようとした結果、二次的に現れる症状を「周辺症状」と呼びます。暴力や暴言、幻覚、不安や無気力などは「周辺症状」の一例です。「周辺症状」は生活習慣やコミュニケーション方法、住環境を変えることで、改善する場合もあります。

コミヤ
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また、老人ホームには認知症ケアの専門知識を持つスタッフもいるんです。今回のキクチさんのように怒りっぽい症状のある方でも、適切な老人ホームに入居した結果、症状が改善し穏やかになった事例もあります。

ノスゲ
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「入居を拒否している」、「症状が重くて介護施設は諦めている」という方もいらっしゃいますが、環境を整えるためにもぜひご検討いただきたいですね。

入居拒否をどう乗り越えるか

コミヤ
コミヤ

今回のキクチさんのように、ご本人が「老人ホームに入りたくない」と頑なで、ご家族がご本人の意思を尊重しようと疲弊しながら介護をされているケースもよくありますね。

ノスゲ
ノスゲ

はい。介護において、ご本人の意思を尊重するのは大原則です。ただ、自宅を離れることがご本人の安全を守り、生活の質を上げる場合も往々にしてあります。親を介護施設に入れることは、決して親不孝ではありません。

コミヤ
コミヤ

今回は、キクチさんの入居拒否の理由を探ることで適した施設を見つけ、解決できましたね。

ノスゲ
ノスゲ

こうした説得方法はよくあります。例えば、老人ホームに対して、暗くて閉鎖的な病院のイメージがあって入居を拒んでいる場合。こうしたイメージを払拭するため、ご本人と一緒に見学に行くと、入居に前向きになることがあります。

コミヤ
コミヤ

現代の老人ホームの明るい雰囲気にびっくりされる方は多いですよね。

ノスゲ
ノスゲ

施設のスタッフも、ご本人が入居を拒否する場合の対応方法をよく知っています。入居拒否があっても、まずは施設に相談してみることをお勧めします。

住み替えで心身の状態が悪くなる「リロケーションダメージ」とは

コミヤ
コミヤ

また、認知症をお持ちの方は環境の変化によって心身の調子を崩すこともあります。「リロケーションダメージ」というものですね。これが心配で入居に踏み切れないという声もよく耳にします。

ノスゲ
ノスゲ

リロケーションダメージも、施設スタッフの対応やご家族のサポートで最小限にできるんですよね。例えば短期間老人ホームに宿泊する「ショートステイ」から始めることで、少しずつ環境に慣れていくことができます。また、壁掛け時計やフォトフレーム、食器など自宅で愛用したものを持っていくことで不安を和らげることができます。このように工夫できることはたくさんあります。

コミヤ
コミヤ

入居後も家族が定期的に訪問することで、ご本人の安心感が増し、環境に馴染みやすくなります。入居拒否やリロケーションダメージへの対応など、頼れるスタッフがいるかどうかは認知症の方の入居を考える際に非常に大事です。ぴったりの施設と巡り会うためには、やはりさまざまな施設を見学していただきたいですね。

マサまさる
マサまさる 漫画家

横浜市出身。主な著作として聖徳太子の伝説をギャグにした四コマ『かみびと太子!』、輪廻転生をテーマにしたBL『さつき待つ』など。コスメと飛鳥時代が好き。

Twitter@masa5masaru マサまさるさんの記事をもっとみる

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