介護が不安な、あなたのたよりに
介護が不安な、あなたのたよりに
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2023年5月に発表された経済産業省のレポートによると、新型コロナウイルス前の2019年12月と比較して、鉄道旅客は90％まで回復しています。また、国土交通政策研究所の調査によると、今後はインバウンドだけに頼らず、国内客の宿泊旅行も促進する必要があると言われています。特に、2048年まで世代人口の増加が見込まれる70歳以上のシニア層への旅行促進に向けた取り組みは今後ますます重要になります。しかし、シニア層が旅行を控える一因として健康上の理由が挙げられています。
愛知県知多郡南知多町にあるバリアフリー旅館「サポートイン南知多」は、高齢の方や障害がある方でも安心して宿泊ができる日本初のバリアフリー旅館です。旅館で働くスタッフも介護の有資格者で、介護士のサポートが受けられます。中でも、株式会社モリトーのお風呂リフトが設置されている『介護リフト付きジャグジーバス』は、全国的に見ても珍しい設備です。
宿泊者の9割が介護の必要な方とその関係者で、そのうち8割が介護リフト付きジャグジーバスを利用しています。介護リフトの操作に不安のある方は、旅館スタッフが操作をして入浴のサポートをします。これにより、「温泉旅行に行ったけれど周りの目が気になって、心から旅行を楽しむことができなかった」という声を持つ方々が、安心して旅行を楽しむことができるようになりました。
実際にご夫婦で宿泊した方からは、「身体に障害を持ってから1度もお湯につかることができていませんでした。今回の旅行で介護リフトを利用し、1年ぶりにお風呂に入ることができました。」などという声が寄せられたそうです。また、入浴介助に立ち会ったスタッフからは、「旦那様は湯船の中で気持ちよさそうに目を閉じて湯につかっておられました。奥様はそんな旦那様に背を向けながら涙を流して感激されていました。こんな風にお風呂に入ることができて嬉しいです。」というエピソードが語られています。
要介護者や障害をもつ方々にとっても旅行は大きな喜びの一つです。しかし、これまで利用できる宿泊施設は限定的で、情報も少なく選択肢はほとんどありませんでした。
こうした状況の中、近年「バリアフリー旅館」が注目されています。館内をバリアフリー化しており、車イス利用者でも安心して滞在できるよう配慮されています。さらに、年齢や障がいの有無にかかわらず誰もが使いやすいユニバーサルデザインの居室や浴室も備える宿泊施設も増加傾向にあり、バリアフリーの宿を検索できるウェブサイトも登場しています。
加えて、旅行中のサポート体制の選択肢も広がっています。「トラベルヘルパー」や「トラベルナース」などの専門職が同行し、日常生活の支援や緊急時の対応を行うサービスも広がりを見せています。要介護者のケアを専門職に任せることで、家族も安心して旅行を満喫できるでしょう。
安心して旅行できる環境があれば外出意欲も湧き、高齢者の旅行も増えると思われます。
要介護者の旅行に関するサービスや、生活に潤いを与える支援サービスは今後も注目されそうです。
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