元気なうちに入る老人ホームに、あってほしい設備1位は「天然温泉・露天風呂」

老人ホームはかつて介護が必要になったら入るものというイメージがありましたが、昨今では安心と活気あふれる暮らしを求めて、シニア世代が住み替え先として高級老人ホームを選ぶ動きが活発化しています。この動きを受けて、元気なうちに入居する方のニーズに応えた、スポーツジムや温泉をはじめとした様々な設備、またコンシェルジュサービスなどを備えた高級な施設が続々とオープンしています。

数多くある高級老人ホームのなかから、入居する方が希望する設備や特徴から選びやすくなるよう、LIFULL 介護では「高級老人ホーム特集」のリニューアルを行いました。

リニューアルに伴いLIFULL 介護では、30代から60代の826名を対象に「理想の老後の過ごし方」や「元気なうちに入る老人ホームにあったらいいと思う設備やサービス」について調査しました。

理想の老後は3人に1人が「できる限り自宅」「一人の時間を優先」。若い世代は家族志向も

「理想の老後の過ごし方」について尋ねたところ、最も多かった回答は「できる限り自分の家で過ごす」(32.3%)でした。次いで「一人の時間を大事に、誰にも縛られず過ごす」(30.4%)と続きます。また、「気の合う友人と適度に付き合って過ごす」(20.9%)、「家族に囲まれて過ごす」(20.6%)、「もしもの時、スムーズに医療や介護にアクセスできる環境で過ごす」(20.3%)も2割以上の方が回答しています。

近年、健康な状態と要介護状態の中間にあり、病気ではなく加齢により心身が老い衰えた状態を指す「フレイル」の研究が進み、フレイルの予防には就労やボランティアなどの社会参加が肝要と言われています。しかし今回のアンケートで「仕事、ボランティア等を通して社会と関わって過ごす」を理想の老後として挙げた人は12.0%にとどまりました。

また、「家族に囲まれて過ごす」「気の合う友人と適度に付き合って過ごす」「一人の時間を大事に過ごす」を年代別に比較したところ、「家族に囲まれて過ごす」は30代(32.2%)が他の世代よりも高く、「気の合う友人と適度に付き合って過ごす」「一人の時間を大事に過ごす」はどちらも40代(23.0%、34.8%)という結果でした。なかでも60代以上は「一人の時間を大事に過ごす」(34.1%)が他の選択肢よりも15ポイント以上高く、世代別でもっとも一人で老後を過ごす志向が強いことが分かりました。

住みたい老人ホームは「都市部の便利な場所」が1位に

「もし元気なうちに老人ホームに入居するならどんな立地を希望するか」を尋ねたところ、最も回答が多かったのは「外出に困らない、都市部の便利な場所」(27.6%)でした。元気なうちに入居する場合は外出する機会も多いため、「都市部の便利な立地」であることが老人ホームを選ぶ際のポイントであることが分かりました。

次いで「災害が少ない場所」(23.6%)という回答も多数ありました。近年はハザードマップを活用した災害リスクの少ない物件選びをする方も増え、老人ホーム選びでは特に重要なポイントです。災害が起きた場合に、高齢者は若い世代に比べて暮らしや健康への影響が大きいため、できる限り災害のリスクを減らした場所で老後を送りたいと考える方が多いことも頷けます。一方で「自然豊かな場所」(22.3%)や部屋からの景観では「海が見える場所」(8.0%)も人気です。

元気なうちに入る老人ホームにあって欲しい設備、1位は「天然温泉・露天風呂」

元気なうちに入る老人ホームにあって欲しい設備やサービスについて尋ねたところ、「天然温泉、露天風呂」が30.7%と最多回答となりました。次いで「栄養を考えられた食事」(21.8%)、「夫婦で入居できる」(18.0%)となりました。「大きな図書室」(13.6%)や「ペットと入居できる」(15.1%)も人気を集めています。

こうした生活に彩りを与える設備やサービスは、元気な方の入居を見込んだ入居一時金2,000万円超の高級老人ホームに多いです。施設ごとの差別化や入居後の利用者の満足度向上のため、回答が多かった「温泉」や「食事」に力を入れている老人ホームが多い傾向にあります。

高級老人ホームの開設が増えていることを受け、LIFULL 介護でリニューアルした「高級老人ホーム特集」では、施設で利用できる設備やサービスをアイコンで表示し、「温泉に入れる老人ホーム」「ジムがある老人ホーム」などが一目で分かるようになり、あってほしい設備を軸にして老人ホームを比較検討する際にご活用いただけます。

LIFULL 介護では老人ホームのテーマ別の特集ページもご覧いただけます。

調査概要

調査主体:株式会社LIFULL senior

調査期間:2024年2月19日〜2月22日

調査対象:30代以上の男女826名

LIFULL 介護編集長 小菅のコメント

高級老人ホームといえば、かつて海沿いの温暖な地域や別荘地、温泉地などのリゾート型が中心でしたが、近年は活気ある大都市圏にも増えています。都市型のホームは、日常の買い物や映画・演劇などの娯楽施設へのアクセスが良好です。また、旅行を好む方にとっては、ターミナル駅や空港へのアクセスの良さも魅力的ですね。そのようなニーズに応える形で、駅や商業施設への直通送迎バスが提供されています。健康意識の高い入居者も多く、施設内のフィットネスジムや温水プールなどの設備、ヨガやピラティスなどのサークル活動も人気のようです。

高級老人ホームの多くは自立した高齢者を対象とする物件も多いのですが、有料老人ホーム、サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)、シニア向け分譲マンションなど多様化しています。いずれも、健康なうちから入居し自由な生活を楽しみ、必要に応じて介護サービスを利用する点で共通しています。しかし、住まい選びでは、入居後に期待と異なり自宅に戻る人もいます。理想の住まいを見つけるためには、実際に入居している人の話を聞き、一定期間体験入居してみることが重要です。これは私自身の入居コンサルタントとしての経験ですが、100%理想通りの住まいは存在しません。実際の雰囲気やサービスを体験し、妥協点を見つけながら、自分に合う住まいを選ぶことをお勧めします。

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