おじいちゃん・おばあちゃんと親、孫が、一緒に食べて楽しめる、「だんらんレシピ」。今回取り上げるのは、とんかつです。
実は、高齢者の方って、洋食大好き、揚げ物大好き、とんかつ食べたい!のだそうです。年齢を経たからみんな煮魚やお浸しばかり食べたいわけではありません。医学的に言っても、栄養が足りない高齢者は多く、「70歳すぎたら、やせているより、ややふっくらしている方のほうが長生き」とも言われます。「カロリーが高い」なんて気にせずに、ぜひとんかつを味わっていただきたいです。
しかし、さすがに噛み切れないようなとんかつでは食べにくい。硬い厚切りロース肉をていねいに筋切りするのも、ちょっと面倒。というわけで、老人ホームなどでも大人気なのが、「ミルフィーユとんかつ」。豚ロースの薄切り肉を重ねて揚げているので、とてもやわらかく、噛みやすい。ご自宅でも親子三代で味わえば、食卓の会話がはずみそうです。
監修/鈴木俊美(管理栄養士)
箸で切れるほどやわらかいミルフィーユとんかつは、豚ロースの薄切りを4枚重ねて、衣をつけています。こうすると、箸で切れるほどやわらかく、おじいちゃん・おばあちゃんだけでなく、お子さまにもピッタリ。とんかつといっても、揚げずにフライパンで揚げ焼きにするので、油の使用量が少なく、後片づけもラクチンです。
◆付け合わせ
カロリー(1人分) | 385kcal |
塩分(1人分) | 1.5g |
豚ロース薄切りは軽く包丁の腹でたたいてから、ラップの上で4枚重ねる。
ラップの上で重ねた4枚を1枚肉と同様に見立て、表裏に塩・コショウし、小麦粉をまぶす。その上から溶き卵を4分の1個分流し入れ、全体にからめる。こうすると器いらずでラク。
パン粉を入れたバットに移し、全体にパン粉をまぶしたらなじませておく。これを4枚作る。
キャベツは千切りにしておく。ブロッコリーは塩少々(分量外)を入れた湯で2分ほどゆでる。ニンジンは拍子切りにし、小鍋にbの材料を入れて、やわらかく煮ておく。
フライパンにサラダ油を熱し、3の肉を入れて、最初は中火で2分焼く。弱火にしてフタをして3分焼き、裏返しにして弱火で2分くらい焼く。最後はフタをとって強火で裏表がカリっとするまで焼く。焦げないように、火加減と焼き時間を調節してください。
できあがったトンカツを、まな板の上で6切れくらいに切って皿にのせ、4の付け合わせ野菜を盛りつける。
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野菜は多めだとバランスがいいですね。とんかつソースをつけていただきます。口に入れると、カリっと香ばしく、そして肉はやわらかーい! 歯が弱った方でも安心です。お子さんものどにつまらせたりしにくいやわらかさ。
薄切り肉だから物足りないかなと思うかもしれませんが、意外にもボリュームあります。やわらかい1枚肉だと思ってしまうほど。薄切り肉を2枚と2枚に分け、間にチーズをはさめばよりボリューミーに、大葉と梅をはさめばサッパリ食べられるなど、アレンジしてもおいしい。正真正銘、親子三代、みんな笑顔のレシピです。
写真/大槻茂
女性誌や子ども関連雑誌・書籍の執筆を長年手がけ、現在も乳児や幼児のママ向けフリーペーパーで食育の連載を担当。生涯学習2級インストラクター(栄養と料理)。近年は介護・福祉・医療関連の記事、書籍編集も数多い。社会福祉士資格を取得し、成年後見人も務める。福祉住環境コーディネーター2級。
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