だんだん歯が弱ってきている祖父母世代と、まだ味覚や咀嚼(そしゃく)が成長しきっていない子どもたち。栄養バランスよく、安全で味が濃すぎないものを食べてほしい、と思えば、作る料理は共通です。
そこで、肩ひじ張らずに親子三代で食べられるレシピをご紹介。お子さんも一緒に作って味わって、会話のはずむ食卓を囲めたら、大成功! ですね。
監修/管理栄養士 鈴木俊美
卵サンドといえば、ゆで卵を刻んでマヨネーズであえてパンにはさむのがスタンダードです。でも、ここのところ静かなブームを呼んでいるのが、卵を溶いて焼くタイプのよう。
バターをきかせたオムレツ風、甘いおやつ風もあるけれど、中でも人気は、だし入り卵焼きをはさむサンド。京都の喫茶店が発祥と言われます。だし入り卵とマヨネーズとパンが、意外なコンビネーションでおいしい!
これ、家で作れないの? とふと思いついて試してみたら、意外にカンタン! 卵は火を使わずに電子レンジで作れます。
「高齢者施設では、卵サンドが大人気。お子さんも食べやすいし、『三代レシピ』におすすめです」と、管理栄養士さんのアドバイスもいただきました。これなら、小さなお子さんから80代のお年寄りまで食べられそう。ソーセージを入れた野菜たっぷりスープも加えたら、家族三代のランチタイム、かなり盛り上がりそうです。
*食パンの大きさと似たサイズの電子レンジにかけられる容器が必要です
カロリー 380kcal/塩分 2.6g
卵をボウルで溶いて、aを入れてさらによく混ぜます。この卵液を、食パンと同じような大きさの容器に入れます。
電子レンジの加熱時間は500Wで2分が目安。でも、一気に加熱しないで! 1分10秒ぐらい経過し、とろっとしてきたところで箸でかき混ぜて均等にします。さらに50秒程度加熱して全体にふわっと火を通します。そのまま電子レンジの中でしばらく放置してなじませます。
あまり火が通りすぎるとおいしくないし、生っぽすぎると切るときに流れてしまうので、あけてみてふんわり感があって火が通っている状態をたしかめてください。容器の大きさや電子レンジの種類によって加熱時間はだいぶ変わりますので、注意してください。
パンにマヨネーズとマスタードを塗り、卵焼きをパンに乗せます。容器の側面に添ってテーブルナイフなどを入れて卵と容器をはがすようにし、底にも少しナイフを入れて底も多少はがします。食パン1枚のマヨネーズを塗ったほうを上にして片手に持ち、卵の容器をえいやっと勇気を出してひっくり返しましょう!
もう1枚を上にかぶせ、手で表面をおさえてなじませてから、4辺の耳を切ります。あとは、食べやすい大きさに切ればOK。写真では6切れになるよう、まず半分に切ってからそれぞれ3等分にしています。切れ端の卵は食べちゃいましょう!
残ったパンの耳はフライパンでバターとともにから炒りし、ちょっとだけしょうゆを落として食べるとおいしい!これはおやつタイムにどうぞ。
*1~4を人数分、繰り返します。
*野菜は種類にあまりこだわらず、写真の量を参考に、残り野菜を刻んで入れればOK。セロリ、大根、ゴボウ、ブロッコリーの芯などもあいます。
タマネギや根菜は1㎝くらいのさいの目切りにします。キャベツは小さめのざく切りに。
鍋に水をはり、その中に1の野菜を全部入れます。ローリエやハーブも入れれば香りがよくなりますが、なければないでOKです。野菜が十分にやわらかくなってきたら、ソーセージを入れて少し煮ます。食べにくいようなら、ソーセージは切って入れてもいいでしょう。スープにソーセージのうまみも塩分も溶け出すので、味をととのえるのはソーセージを入れたあとで。足りない塩分などを塩・コショウで補います。
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野菜のいい味やソーセージのうまみが出るので、このレシピでは、コンソメ顆粒は少なめです。できれば化学調味料なしのものを。野菜の味で食べる、に慣れると、コンソメ顆粒を入れすぎるとかえっておいしくない、と感じるようになるはず。
味は、お子さんやおばあちゃま、おじいちゃまと味見をしながら決めてください。味見してもらうと、「あ、野菜のいい味が出てるね!」「塩はちょっと控えめにしたほうが野菜の味が活きるね」なんていう会話ができて、楽しい。そして、それぞれの好みの味つけがわかり、ほかの料理の参考にもなりますよ。
お皿に盛った卵焼きサンドに、野菜スープを添えて、みんなでいただきます!
写真/大槻茂
女性誌や子ども関連雑誌・書籍の執筆を長年手がけ、現在も乳児や幼児のママ向けフリーペーパーで食育の連載を担当。生涯学習2級インストラクター(栄養と料理)。近年は介護・福祉・医療関連の記事、書籍編集も数多い。社会福祉士資格を取得し、成年後見人も務める。福祉住環境コーディネーター2級。
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