【入居者100人に聞いた】老人ホームに入居する前に不安だったこと
在宅介護から施設介護に切り替える時、どうしてもいろいろなことが不安になります。施設への不安、本人の気持ちに対する不安、そして経済的不安。
実際に介護施設に入居された方のご家族から聞いた、「入居する前に不安だったこと」その本音に耳を傾けてみましょう。
- 【目次】
-
入居前に不安に思ったこと
老人ホームへの入居を考えたとき、ご家族の方が高齢者施設にご入居される前に、不安に思ったことはどんなことだったでしょうか。
全国の有料老人ホームに入居されている方のご家族から、アンケートを取りました。
不安1 施設スタッフの対応(52.5%)
調査によると、入居前に不安だった要因で、5割を超える方が「スタッフ対応」をあげています。
ご家族からすれば、入居者が心配なく生活できるか、不安は尽きません。
このような心配を解消するには、やはり施設スタッフの様子を事前にしっかりと見極めることが大切です。
不安2 本人の施設への入居許諾(42.9%)
4割のご家庭で、本人が施設に入居することに同意してくれるかどうか、心を砕いていました。
やはり本人の同意を取るのは、みなさん苦労されています。では、どうやって納得してもらったのでしょう?
周囲の協力は大きいようです。こんな方もいました。
不安3 本人の入居後の満足度(42.9%)
実家から離れることで、寂しさを感じるのではないか、ご家族の心配はそこにありました。
入居される本人が、ご家族への負担を心配して、本当の気持ちを言わないのでは、という不安もあるようです。
入居前の不安が、入居後、解消された声もあります。
不安4 環境変化による身体や認知症の状態悪化(40.7%)
生活の場の変化は、若者でもナーバスになり、体調を崩すことがあります。ましてや、介護を必要とされる高齢者ともなれば、体調の悪化は心配されることです。
一方、施設入居後、こんな変化を経験した方がいます。
入居前の健康状態に関する心配は、杞憂(きゆう)に終わるケースがかなりあります。実際、統計上、自宅介護より施設介護の方が、認知症の進行は抑えられる傾向があります。
不安5 入居後に実際に払う費用(36.4%)
介護施設入所費用が、事前プランよりも高くなるケースを心配する声が多く聞かれました。
費用の不安は、切実です。先の見えない介護であればあるほど、不安は募ります。
一方、制度の利用などで、不安が解消された意見も。
自宅での介護が難しいための施設入居です。多くの人は、費用負担の不安はあっても、仕方ないことと割り切っているようです。
不安解消のためにチェックしておきたいこと
「施設に入れると体調が悪化したり、認知症が進行したりするのではないか?」という健康面に対する不安は、自宅介護の方が、寝たきりや認知症の進行がはやい、という統計もあるので、医師や施設職員とコミュニケーションを取りながら、本人にとって最適な道を選んであげるのがいいでしょう。
費用面に関しては、公的制度の活用で、かなり負担は軽減されます。
施設スタッフに対する不安は、現場で働く方の声を聞いてみると、不安解消のヒントになるかもしれません。 多くのスタッフは、悩みながらも真剣に介護の仕事と向き合っていることは間違いありません。
施設スタッフの方とご家族が、コミュニケーションを取ることが何よりも大事、ということです。
自宅での介護には限界があります。家族の精神的・肉体的負担を考えると、専門家による介護の方が安心であることは、間違いありません。
介護をする方、受ける方、双方にとって最適な施設介護の方法を選びたいものです。