【入居者100人に聞いた】老人ホームに入居する前に不安だったこと

在宅介護から施設介護に切り替える時、どうしてもいろいろなことが不安になります。施設への不安、本人の気持ちに対する不安、そして経済的不安。

実際に介護施設に入居された方のご家族から聞いた、「入居する前に不安だったこと」その本音に耳を傾けてみましょう。

入居前に不安に思ったこと

老人ホームへの入居を考えたとき、ご家族の方が高齢者施設にご入居される前に、不安に思ったことはどんなことだったでしょうか。
全国の有料老人ホームに入居されている方のご家族から、アンケートを取りました。

ご入居される前に不安だったこと

入居前に不安だったことの棒グラフ

不安1 施設スタッフの対応(52.5%)

調査によると、入居前に不安だった要因で、5割を超える方が「スタッフ対応」をあげています。

  • 「若いスタッフに、年寄りの気持ちが本当にわかるかどうか」(50歳)
  • 「いろんな性格の人がいるので、家族がいない所でどういった対応をするのか不安だった」(48歳)
  • 「親身になって対応してもらえるのかどうか。利用者への虐待など、よくないニュースを聴くこともあったので」(43歳)

ご家族からすれば、入居者が心配なく生活できるか、不安は尽きません。

  • 「親の世話を他人に依存するのだから、当然スタッフのことは気にかける」(58歳)

このような心配を解消するには、やはり施設スタッフの様子を事前にしっかりと見極めることが大切です。

不安2 本人の施設への入居許諾(42.9%)

4割のご家庭で、本人が施設に入居することに同意してくれるかどうか、心を砕いていました。

  • 「自分ではまだ独り暮らしが可能だと信じていたので」(49歳)
  • 「施設のイメージがお年寄りにはよくない感じを持っている」(62歳)
  • 「本人が家族に見捨てられたという気持ちにならないか」(58歳)

やはり本人の同意を取るのは、みなさん苦労されています。では、どうやって納得してもらったのでしょう?

  • 「周りの医療関係、介護関係のお世話になっている方々が説得してくれました」(46歳)

周囲の協力は大きいようです。こんな方もいました。

  • 「すでに友人が入居していたので、自分から進んで行きました」(43歳)

不安3 本人の入居後の満足度(42.9%)

実家から離れることで、寂しさを感じるのではないか、ご家族の心配はそこにありました。

  • 「居心地の悪さはあるだろう。知らない人ばかりの中に放り込まれるのだから」(50歳)
  • 「実家と比較すると満足度は低いのではないか」(42歳)
  • 「家族と離れることの寂しさを味わうかもしれない」(61歳)

入居される本人が、ご家族への負担を心配して、本当の気持ちを言わないのでは、という不安もあるようです。

  • 「家族に心配かけまいとして文句を言わずに飲み込んでしまったり、本音を吐けなかったりするのではと心配」(52歳)

入居前の不安が、入居後、解消された声もあります。

  • 「看護師が24時間体制でいるので、本人の不安感がなくなり、とても安心して過ごしている」(57歳)

不安4 環境変化による身体や認知症の状態悪化(40.7%)

生活の場の変化は、若者でもナーバスになり、体調を崩すことがあります。ましてや、介護を必要とされる高齢者ともなれば、体調の悪化は心配されることです。

  • 「環境が変わることで、認知症や体の状態が悪くならないか心配した」(51歳)
  • 「1人で立ったり歩いたりできない状態だったが、ずっと寝たきりになるのではないかと不安だった」(61歳)
  • 「自宅以外で住んでいたことがないため、環境が変わるとおかしくなるのではないかと」(40歳)

一方、施設入居後、こんな変化を経験した方がいます。

  • 「慣れない共同生活で消耗しないかと思いましたが、実際は卓球やカラオケを施設で楽しんでいますし、お風呂は大好きな温泉ですし、薬の飲み忘れがないよう看護師さんが管理してくれていますので、健康状態は前よりずっとよく見えます」(53歳)

入居前の健康状態に関する心配は、杞憂(きゆう)に終わるケースがかなりあります。実際、統計上、自宅介護より施設介護の方が、認知症の進行は抑えられる傾向があります。

  • 「覚悟していたが逆に良くなった」(63歳)

不安5 入居後に実際に払う費用(36.4%)

介護施設入所費用が、事前プランよりも高くなるケースを心配する声が多く聞かれました。

  • 「実際には毎月いくらの支払いになるかが不安」(59歳)
  • 「おおまかな費用については把握していたつもりだが、細かい備品代や消耗品がどれくらいかかるのかわからなかった」(45歳)
  • 「費用の目安は表示されていたが、その他にかかるものが不安だった」(62歳)

費用の不安は、切実です。先の見えない介護であればあるほど、不安は募ります。

  • 「平均的に年金プラス10万円以上の自己資金が必要で、いつまで払い続けられるかわからない」(53歳)

一方、制度の利用などで、不安が解消された意見も。

  • 「特別養護老人ホームなので、月々の支払が安くてすんだ」(65歳)
  • 「介護保険が使えたので、思ったよりリーズナブルだった」(48歳)

自宅での介護が難しいための施設入居です。多くの人は、費用負担の不安はあっても、仕方ないことと割り切っているようです。

  • 「家にいるよりは費用がかかるが、よく面倒を見てもらっているので仕方ないと思う」(63歳)

不安解消のためにチェックしておきたいこと

「施設に入れると体調が悪化したり、認知症が進行したりするのではないか?」という健康面に対する不安は、自宅介護の方が、寝たきりや認知症の進行がはやい、という統計もあるので、医師や施設職員とコミュニケーションを取りながら、本人にとって最適な道を選んであげるのがいいでしょう。

費用面に関しては、公的制度の活用で、かなり負担は軽減されます。

施設スタッフに対する不安は、現場で働く方の声を聞いてみると、不安解消のヒントになるかもしれません。 多くのスタッフは、悩みながらも真剣に介護の仕事と向き合っていることは間違いありません。

施設スタッフの方とご家族が、コミュニケーションを取ることが何よりも大事、ということです。

自宅での介護には限界があります。家族の精神的・肉体的負担を考えると、専門家による介護の方が安心であることは、間違いありません。

介護をする方、受ける方、双方にとって最適な施設介護の方法を選びたいものです。

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