ソニーフィナンシャルグループのひとつ、ライフケアデザイン株式会社が運営する介護付有料老人ホーム『ソナーレ祖師ヶ谷大蔵』。
「“Life Focus”本当の長生きとは何か、を追求します」というコンセプトのもと、2016年4月1日にオープンしたホームです。
ホーム長である村松才子さんは、看護師として病院で働いた経験をお持ちです。介護とは異なる視点で高齢者の健康を守ってきた村松さんに、介護の世界に入ったきっかけやホームの運営についてお話を伺いました。

 

看護師としての経験を介護の世界で活かす

 
【『ソナーレ祖師ヶ谷大蔵』の食堂内に併設されたくつろぎスペース】

【『ソナーレ祖師ヶ谷大蔵』の食堂内に併設されたくつろぎスペース】


――村松さんはもともと看護師さんだったそうですね。

村松さん:はい。13年ほど前に看護師として、同系列の介護付有料老人ホーム『ぴあはーと藤が丘』に転職しました。それまでは病院勤務の経験しかなかったので介護の世界はとても新鮮でした。病院は「かかってしまった病気を看る」のが仕事です。ご入居者の生活全体を見ながら病気を予防するという発想にとても驚きましたし、やりがいを覚えました。


――どんなところにやりがいを覚えたのでしょうか。

村松さん:病気の予防は介護の質に密接に関連しているという点です。また、介護現場で看護の技術や知識が活かせたのも大きなやりがいになっていました。

――実際に役に立ったと感じる経験はありますか?

村松さん:ホームの近所に自宅があるご入居者が外泊で戻られていたときのエピソードです。その方はご家族とのお食事中に突然、意識が低下してしまいました。救急車を呼ぼうか迷った末に、24時間看護師が常駐する当ホームにタクシーを飛ばして戻ってこられたのです。その決断に私たちに対する医療的信頼度がどれだけ高いかを知り、とてもうれしく思いました。その後、無事に回復されています。

――看護・介護と、人間の健康に携わるお仕事をしてきた村松さんですが、ご自身の人生観にはどんな影響を及ぼしていますか?

村松さん:常日頃から、ご本人やご家族の「人生」や「命」に関わる重みのある仕事だと思っています。ですから毎日緊張の連続です。ですが、みなさんに寄り添うことで人生の喜怒哀楽を一緒に感じることができ、おかげさまで「生きる」ことの大切さを日々教えられています。

 

一人ひとりの意思を尊重した生活環境を整えたい


――「介護の質が病気を予防する」と経験を通じて実感した村松さんですが、『ソナーレ祖師ヶ谷大蔵』はどんなホームを目指していらっしゃいますか?

村松さん:高齢者のライフスタイルを提案できるホームでありたいと考えています。大切にしているのはご入居者の多様性を尊重すること。精神的な健やかさが身体と密接につながっているので、ご自身らしい暮らしを叶えたいと思っています。その実現のため、お一人おひとりのライフスタイルに沿って選択可能な環境整備に取り組んでいます。

――もう少し詳しく教えていただけますか?

村松さん:まずご自宅の生活をそのままホームに取り入れていければと、起床時間や就寝時間などのご希望を伺っています。また、食事時間や入浴時間、散歩時間はいくつかの選択肢をご用意しております。ひとりで行動したいこと、誰かと一緒にやりたいことを自らの意思で選んでいただくことに意味があると思っています。ご自身にあった無理のないライフスタイルで、健康な生活が送れるようご支援しています。


――ライフスタイルという点では、生活の質(QOL)を向上する提案として、スリープマネージメントをされていますよね。

村松さん:はい。ご入居者の睡眠の質を高めるための取り組みをしています。たとえば、日光を浴びることで朝の目覚めがよくなるので、午前中の散歩をお勧めしています。また、レクリエーションを夕方の16時から行ったり、夜風呂を提案したりすることで、入眠までの準備を整えています。

 【お一人おひとりの身体状態に合わせてカスタマイズできるマットレス】

【お一人おひとりの身体状態に合わせてカスタマイズできるマットレス】


――睡眠環境にもこだわりがあるのですよね。

村松さん:寝心地の良さを追求してオリジナルマットレスを作りました。独自に用意したマットレスを複数組み合わせて、体圧が分散できる工夫をしています。居室のドアも特注で遮音ドアを取り付け、静かな居室空間で生活いただいております。現在のところ、不眠で悩んでいる方はいらっしゃいません。


安心安全を感じる環境を提供するために


――ホーム長として大切にしていることはなんでしょうか?

村松さん:笑顔ですね。私にとって笑顔はご入居者への愛情表現であり、安心感を持っていただけます。もちろん、ご入居者を守り、健康で楽しく安全に過ごしていただけるように、設備上、業務上の予想されるリスクを意識し、日頃のチェックを怠ることなく実行していくことや、健康管理が行き届いていることが前提です。


――よりよいサービスにつながる、スタッフの働きやすさに配慮した職場環境作りを掲げていますよね。

村松さん:スタッフとの信頼関係は、お客様を迎えるにあたってベースとなるものです。積極的にコミュニケーションをとって情報共有を図り、風通しを良くするよう心掛けるとともに、業務上の負荷を軽減できる仕組みづくりに取り組んでいます。

――たとえば、どんな業務の負荷に対して対策を取っているのでしょうか?

村松さん:『ソナーレ祖師ヶ谷大蔵』では、スタッフの腰痛予防対策として「持ち上げない。抱えない。」介護を推進しています。たとえば立位が取れない方の移乗介護には床走行リフトや天井つりさげリフトを取り入れ、機械が人を持ち上げます。

 【大浴場に設置された天井走行式リフトと大型テレビ「ブラビア」】

【大浴場に設置された天井走行式リフトと大型テレビ「ブラビア」】


――「人の温もりを感じられない」などの意見もありそうですが、実際ご入居者の反応はどうでしょうか?

村松さん:リフトを利用していただく際には、2人のスタッフが付き添い安全に十分注意し、使用中は人としての温かさが伝わるようにお身体に触れ、話しかけを行ないながら不安除去に努めています。現在天井走行式リフトは大浴場で活用しており、ご入居者に好評です。また、浴場内にあるソニーの85インチの4Kの大型テレビ「ブラビア」を見ながら入浴を楽しんでいただいていますね。


――まだスタートして年月の浅い『ソナーレ祖師ヶ谷大蔵』ですが、今課題に感じていることはなんでしょうか?

村松さん:まだ1年を通して運営を経験できていないことが課題です。一度やってみないことには課題を発見すること自体が難しい部分があります。これまでの取り組みも結果が出るにはまだ時間がかかると感じていて。焦らずにやっていこうと思っています。


――最後にこれから入居される方へひとことお願いします。

村松さん:これからの人生、ご一緒に楽しみましょう。私たちは最後まで寄り添います。どうぞ安心してお入りください。


 

ソナーレ祖師谷大蔵:ホーム長インタビューの取材を終えて


24時間看護師の常駐する老人ホームは少しずつ増えています。しかし、ホーム長が看護師のホームはなかなか見つからないのではないでしょうか。看護師経験のある人が責任者になることによって得られる安心感、特に緊急時の意思決定における信頼は計り知れないと思いました。

また、『ソナーレ祖師ヶ谷大蔵』は、ソニー・ライフケアグループの一員であるだけあって、新しい考え方を積極的に取り入れながら、一人ひとりの多様性を尊重できるホーム環境を整えている印象を持ちました。さまざまな取り組みにチャレンジをしている様子を見て、これからの老人ホームのあり方を大きく変えてくれそうな予感がしました。