今回は神奈川県横浜市青葉区にある介護付き有料老人ホーム『未来倶楽部美しが丘』を訪問しました。こちらでは、入居者に充実した生活を送っていただくためレクリエーションに力を入れています。外部から講師を呼ぶのではなく、レクリエーション専門スタッフを社内に抱えていることが大きな特長のひとつ。入居者が生き生きと参加する、魅力的なレクリエーションの様子をご覧ください。

暮らしを彩る多彩なレクリエーションプログラム

音楽レクリエーション

体操や楽器を取り入れた音楽レクリエーション。

【体操や楽器を取り入れた音楽レク。リズムに合わせて身体も自然と動きます】

取材当日は音楽とフラワーアレンジメントのレクリエーションを行っていました。20数名が参加し、合唱を楽しんでいました。明るい歌声が会場に響きます。

ピアノレッスン


【入居者の稲原さん。居室には立派な電子ピアノもあるそうです】

入居者の稲原さん。居室には立派な電子ピアノもあるそうです

希望者にはピアノの個人レッスンも行っています。入居者の稲原さんは、ご家族の勧めでこのレッスンに参加することになったそうです。稲原さんは「ピアノを習うのは初めてなんです。指がなかなか動かなくてへたくそだけど、とっても楽しいですよ」と、はにかんだ笑顔で答えてくれました。 レッスンが終わったあとも自分の居室で練習しているそうです。

フラワーアレンジメント






フラワーアレンジメントの参加者は女性がほとんど。講師の指導のもと、自由に生けていきます。やはり花は女性の心を華やかにするのでしょうか、みなさんとても良い表情をしています。


普段から接することで、一人ひとりに合わせたレク対応ができる

講師のみなさんは、プログラムの中でどんな工夫をしているのでしょうか。音楽レクリエーションを担当する松村さんにお話を伺いました。【音楽療法を担当する未来設計の松村さん】

−−みなさん、とても楽しそうに歌ってらっしゃいましたね。

松村さん:「歌は心の体操」と言います。歌うことで楽しかったことを思い出したり、うきうきしたり、自然と心が弾んで表情が明るくなるんです。歌い終わったあとに「あぁ、楽しかった!」と満足げにされている様子を見ると、こちらも嬉しくなります。

−−歌うことにはどんな効果があるのでしょうか。

松村さん:脳にも良い刺激になりますし、咀嚼(そしゃく)・嚥下(えんげ)といったものを噛む力や肺活量を鍛える効果もあるようです。また、先日医療スタッフの方に聞いたのですが、糖尿病の方の血糖値を測ると、歌ったあとには血糖値が下がったことがあったようです。激しい運動ができなくても、歌は歌えますよね。そういった部分でも皆さまのお役に立てたら、と思っています。



——楽しく歌ってもらうための工夫を教えてください。

松村さん:歌いたい気持ちはあるけれど、歌詞カードを上手く持てない方や目で追うのが難しい方もいらっしゃいます。そのため、サブスタッフにいま歌っているところを指差してもらったり、リズムを叩いて誘導してもらうこともあります。みなさん一緒に歌えるよう、できるだけお力になりたいと思っています。

また、私たちは未来設計の社員なので、空いている時間はご入居者さまのお食事の手伝いや見守りもします。普段から接しているとお一人おひとりの体の状態、できることとできないことがわかるので、それに合わせてレクリエーションを進めることができる、というのも特長ですね。


−−今日は童謡が多い印象でした。

松村さん:未来倶楽部は一都三県に複数あり、施設ごとにカラーがあるんです。昭和の歌謡曲を好む施設もあれば外国の歌が盛り上がる施設もあるので、最初にいくつか試して反応を見て、歌う曲を決めています。
幼い頃の思い出の曲、女学生時代に習った曲、子どもに歌って聴かせた曲。最初わからなくても、ピアノの音を聴いているうちに自然と歌詞が出てくるんですね。「回想法」と言って、昔のことを思い出してもらうのは脳の刺激にもなるんですよ。

−−松村さんは、以前子ども向けに音楽を教えていたということですが、高齢者に教えるときとの違いはありますか?

松村さん:一番は、上手くいかなくても否定しないことです。上達することよりも、楽しむことを優先しています。施設内ではピアノの個人レッスンも行っていますが、その時間を「楽しかった」という満足感、達成感を感じられる時間にしたいと思っています。「孫とどっちが上手に弾けるか競争なのよ」とおっしゃる方もいらっしゃるんですよ。微笑ましいですよね。
人生の最期の時間をより豊かにするお手伝いができることが、この仕事のやりがいです。



未来倶楽部美しが丘の取材を終えて

松村さんのお話を伺って、音楽の専門家としての知識・経験と、介護に関する知識・経験、両方揃っているからこそ入居者に質の高いプログラムが提供できるのだな、と思いました。自社にレクリエーション部門を持つのは、コストだけ見ると大きな負担になります。しかし、それ以上に入居者の満足度につながっているようです。

『未来倶楽部美しが丘』では、ほかにも楽しみながらリハビリができる「遊びリテーション」、「習字」「園芸」「美術」「手工芸」「脳トレ」など、さまざまなレクリエーションを日替わりで行っています。「ずっとやってみたかった習い事に初めて挑戦する」という入居者も多いのだとか。
レクリエーションの様子も見学可能です。みなさんも、ぜひこの充実した雰囲気を見に行ってみてください!