「キツい」「汚い」と言われる介護の仕事。しかし、神奈川県横浜市青葉区にある介護付有料老人ホーム『未来倶楽部 美しが丘』の施設長・伊藤世志樹(いとうよしき)さんは、この仕事が大好きで毎日が充実していると話します。その理由を教えていただきました。

ご入居者様との関係が構築できれば、排せつ介助なんて苦ではない


【介護業界に転職し、充実した日々を送る施設長の伊藤さん】

——まずは、伊藤さんが介護業界に入ったきっかけを教えてください。

伊藤さん:もう亡くなってしまったんですが、以前病気の姪を預かり育てていたんです。当初は主に家内が姪を介護をしていたんですが、ひとりでは大変だろうと思い、私も当時のヘルパー2級の資格を取りました。

そうして自宅で姪の介護をするうちに、いっそこれを仕事にしようと考えるようになりまして。一番の決め手は家内でしたね。家内も介護業界で働いていたんですが、毎日「楽しかった!」と笑顔で帰ってくるんです。体調が悪そうな日に「今日は休んだら?」と声をかけても、「仕事が楽しいから休みたくない」と。

僕はそのとき営業職をしていたんですが、正直なところそれほど楽しいとは思えなかったので、「そんなに充実した仕事ってどういうものなんだろう」という興味を抑えきれず、思い切って転職しました。

——実際に転職してみて、いかがでしたか?

伊藤さん:最初は介護士として現場の仕事をしていたのですが、すごく楽しかったですね。人生の先輩であるご入居者様と接することができて、普通だったら知り得ないようなこと、たとえば戦争を経験した方にエースパイロット時代のことなども教えていただけるんです。そういった話をしていくうちに、ご入居者様と信頼関係ができていく。そんな仕事ってほかにないと思います。

——よく、介護業界は「キツい」「汚い」と言われますが…。

伊藤さん:排泄介助を行うとき、ご入居者様に恐縮されてしまうことがあります。そんなときは、「そりゃ◯◯さんだけ人と違うものが出るなら私も嫌だけど、出るものはみんな一緒なんだから気にしないよ」と冗談交じりに言うんです(笑)。そうやって笑い合うことでご入居者様も安心するし、私も仕事が楽しくなるんですね。介護する相手が自分の親、家内、子どもだとしたら、「汚い、触りたくない」なんて思いませんよね。人間関係ができると、自然と苦にならなくなるんです。



【ホーム内各所に、入居者の作品が飾られていました。】

−−スタッフにはどんな教育をしていますか?

伊藤さん:たとえば、今月は「整容(せいよう)」、身なりを整えることに力を入れています。スタッフが普段どれだけ丁寧に接していても、ご入居者様の髪がはねていたり服に汚れがついていたりすると、ご家族がいらしたときに「ちゃんと見てくれているのかな」と不安になってしまうでしょう。それは双方にとって不幸なことです。

そのため、「朝、起床介助をした後に鏡の前で立ち止まり、ご入居者様とお話をしながら身なりを整えてもらいましょう」と伝えています。そうすると鏡の中で目が合って、自然と会話も生まれますよね。「今日は顔がむくんでいる」「どうしたの」って。

そうやって会話をして一人ひとりと関係性を築いておくと、たとえばご入居者様が認知症になったときも対応に苦慮しません。私たちが誰なのか、具体的にどんな会話をしたのか忘れてしまったとしても、良い印象やイメージは何となく残るから、信頼して身の回りのお世話を任せていただけるんです。ホーム内ではスタッフと入居者が明るい笑顔を見せてくれました。【ホーム内ではスタッフと入居者が明るい笑顔を見せてくれました。】


多彩なレクリエーションで生活の質を高める

老人ホームでは珍しい、100㎡を超える広い中庭菜園

【老人ホームでは非常に珍しい、200㎡を超える広い中庭菜園】

——『未来倶楽部 美しが丘』の特長を教えてください。

伊藤さん:一番は中庭菜園です。定員70名というこのホームの規模だと、ご入居者様を頻繁に外にお連れするのは中々難しいのですが、中庭なら安全に外の気分を味わっていただけます。

ご入居したばかりの頃はみなさん不安がって「家に帰りたい」とおっしゃるものですが、ご家族の方と一緒に自分のスペースに花を植えると愛着が湧くのでしょうね。「これは娘が植えた花なのよ」と私たちスタッフに笑顔を見せてくださるんです。

イチゴを収穫し、満面の笑みを浮かべるご入居者様

【イチゴを収穫し、満面の笑みを浮かべるご入居者様】

伊藤さん:また、これは会社全体としてですが、レクリエーションの豊富さも自慢です。未来設計ではレクリエーション専門のスタッフも採用しています。

私の同期もネイリストとして活躍し、女性のご入居者様から喜ばれていますよ。介護の資格も持っているので、手が空いているときは食事介助なども行っています。レクの時間だけではなく日頃からご入居者様とも接する時間をもつこと。私は他の介護施設で勤めた後、未来設計に転職しましたが、「こういう介護の仕方もあるんだな、すばらしい取り組みだな」と思いました。

——入居者やご家族の方から言われたことで、印象に残っていることはありますか?

伊藤さん:2週間に1度、ご入居者様を外食に連れ出していたご家族の方がいらっしゃるんですが、あるとき「もう外食は止めようと思います」と言われました。「どうしたんですか、ご本人も楽しみにしていらっしゃると思いますよ」と聞いたところ、「ホームで食べたほうが楽しくて美味しいって言うんです」と。

ご家族の方には申し訳ないのですが、すごく嬉しかったです。ここでの食事や暮らしを楽しんで、ほかのご入居者様やスタッフと良い関係を築いているからこそ、ですよね。結局、3食はここで食べて、ご家族の方とは時々おやつを食べに外へ行くということで落ち着きました。

——最後に、老人ホームへの入居を迷っている方へメッセージをお願いします。

伊藤さん:私たちは「彩りのある生活」を大事にしています。ご入居者様がご家族様に「こんなことがあったんだよ」と笑顔で話してくださるような、「ここに入ってよかった」と言ってくださるような、そんな暮らしを提供したいと思っています。

ぜひ、ご入居者様の表情や、スタッフと話をしている様子を見に来ていただきたいです。みなさん、とても明るい笑顔をされていますから。

未来倶楽部 美しが丘の取材を終えて

明るい笑顔で質問に答えてくれた伊藤さん。介護業界は「労働環境が過酷」というイメージがありましたが、お話を聞いているうちに、「責任重大で大変ではあるけれど、人とじっくり向き合い、信頼関係を築くことができる仕事なんだな」と思いました。

入居者とスタッフの距離が近く、家庭的な雰囲気も『未来倶楽部美しが丘』の魅力です。ぜひ一度足を運び、その暖かい雰囲気を感じてみてください。