JR横浜線、東急田園都市線「長津田」駅より徒歩10分。「和楽久シニアレジデンス長津田」は、閑静な住宅地のなかに佇むサービス付き高齢者向け住宅です。


優れた取り組みを行う高齢者住宅として「リビング・オブ・ザ・イヤー」で優秀賞を受賞するほか、1階に併設の小規模多機能型居宅介護シニアサロン デュランタは、かながわベスト介護セレクト20を2回受賞するなど、数多くの専門誌でも取り上げられた実績を持ち、ユニークかつ確かな介護技術を誇っています。


注目される理由について、施設長の新間満さんにお話を伺いました。


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最後は人の役に立つ仕事をという決意とともに、介護業界へ

――新間さんは現在72歳とお聞きしました。いつ、どのようなきっかけで介護業界に入られたのですか?

新間さん:54歳のとき、役員をしていた金融機関が破綻したんです。私が責任者というわけではありませんでしたが、たくさんの人にご迷惑をかけたという意識がありました。

今後の身の振り方を考えたとき、最後は人の役に立つ仕事をしたいと思ったんですね。自分の最後の仕事は生きがいを感じられるものを、と、それが介護でした。


――50歳を過ぎてから未経験の業界へ転職するのは、いろいろとハードルもおありだったのではないでしょうか?

新間さん:17年前ですから、介護施設もまだ充実しておらず、また、介護現場で働く中高年の男性は少なかったので苦労しました。でもあるとき、名門といわれる施設で訪問介護2級(現在の初任者研修)資格取得研修の募集を見つけて受講しました。採用に直結するものではないと言われましたが、施設の責任者の方に研修時の熱意を認めていただき入社、64歳までそこで働きました。


65歳のときに現在の会社の社長に「私の相談相手になって欲しい」とお声掛けいただき、和楽久シニアレジデンス長津田でケアマネージャーとして働き始めました。たまたまそれからすぐだったのですが前任者が退社することになりまして、要望を受け管理者、施設長になり7年になります。



職員の8割が国家資格保有。要介護5が1に下がった方も


――和楽久シニアレジデンス長津田は、2014年に「リビング・オブ・ザ・イヤー」で優秀賞を受賞されるなど、多くの表彰歴をお持ちですね。多方面で注目されるこちらの施設ならではの特長を教えてください。

新間さん:この施設の最大の特徴はサービス付き高齢者住宅の1階部分に、小規模多機能型居宅介護施設を併設したことですね。その為、自由な行動を約束しながら、高い介護力も維持できます。

認知症ケアに、超コミュニケーション法「バリデーション」を取り入れています。認知症の方が穏やかに過ごせる介護技術で、全国的にもかなり優れた施設といえるのではないかと自負しております。


併設の小規模多機能型居宅介護には約20人いる職員のうち8割が介護福祉士、国家資格を持っていることも特長です。実は、国家資格を有する人をはじめから採用したのではなく、入社してから勉強して資格を取った職員も多くいます。施設の中から人材が育っている、教育が行き届いているという理由で神奈川県から表彰されたこともあります。


――日ごろ、どのような職員教育を行っているのでしょうか?

新間さん:月1回2時間、専門の先生にレクチャーいただく「バリデーション」研修を5年間続けています。繰り返し研修を受けることで、全員のレベルが向上しているのを感じますね。また、私を含めて何人かは「バリデーションワーカー」の資格を取得していますから、日常的に指導も行います。「バリデーション」は認知症の方だけでなく、すべての方が幸せにお過ごしになるために、私は有効だと考えています。



それから、こちらでは共用部の至る所にビデオカメラが設置されております。一定の期間映像は保存されますから、事故が起きた場合はビデオを見返して同じトラブルを起こさないための教育を行っています。ビデオカメラに関しては、ご入居者さまのご家族からも万が一の時ご自分の目で確認できるから安心だとご好評をいただいています。


私は凝り性なものですから(笑)、高齢者に対する運動研修の資格「マスター上級介護予防運動スペシャリスト」を取得するなど、リハビリの勉強は長く続けてきました。その経験を活かして歩行訓練のやり方などを職員全員に伝授しています。専門家による実際の訓練の様子を撮影し、スタッフみんなで研究することも多いですね。


――なぜ、そこまで熱心に教育されているのですか?

新間さん:やはり、職員のレベルが上がることで、どんな方でも受け入れられるようになるからです。認知症やマヒが原因でほかの施設へのご入居が難しかった方も、何人も受け入れてきました。それも、ただ受け入れるだけでなく、ご自身でできることが少しでも増えるようにお手伝いもします。


たとえば、要介護5でご入居され、当初は車いすで自走できなかった方がいらっしゃいました。その方に、ご自身での扉の開閉や歩行の訓練等を続けたところ、6か月後の認定で要介護1になったんです。他にも、97歳で入院し、寝たきりの状態で戻られた方が、現在は歩いて食堂まで来られるようになったり、階段歩行が難しかった方が、最近は階段をスムーズにのぼれるようになったとお喜びになっています(2014年~2020年までの和楽久シニアレジデンス長津田ご入居者さまの実績より)




――それはすごいですね! では、ハード面についてはどうでしょうか?

新間さん:車いすでご入浴を楽しんでいただける、機械浴槽があります。各居室にもお風呂があり、そのほかに普通の浴槽と機械浴槽、3種類あるのが特長です。団体浴はしないので、衛生面でも安心です。



ほかには最近、テレビ電話を導入しました。ボタン一つで職員と繋がるのはもちろん、ご家族の方のスマホと連携させることもできます。ご家族のお顔を見ながらいつでもお話しできるのは嬉しいですよね。



ご入居者さま、ご家族、職員、3者のバランスをとることが大切


――「和楽久シニアレジデンス長津田」には、ほぼ毎週と言っていいくらいボランティアが訪れるそうですが。

新間さん:現在59組、184名以上のボランティアの方がいらしてくださっています。この人数はたぶん日本でもトップクラスなのではないでしょうか。きっかけは地域からの紹介や私がメールなどでご依頼させていただいた方ばかりです。一度訪問してくださった方は、ほぼ必ずまた来てくださるので、ここまで充実させることができました。


内容も芸能関係ならヴァイオリン、ハープ、サクソフォン、尺八などの楽器から語り部や新舞踊、手品まで、ありとあらゆる方がいらっしゃいます。




――ご入居者さまは楽しみにされているでしょうね。

新間さん:芸能のボランティアさんの中には、現役で活躍されているプロの方が名前を伏せていらしてくださることもあります。本物の芸術に触れ、皆さん熱心に聞きほれていらっしゃるのを見ると私も嬉しいですよ。


そのほかにもお話を聞いてくださる傾聴ボランティアさんや、屋上庭園のお手入れをしてくださる園芸のボランティアさんなどがいらっしゃり、日々の生活にアクセントをつけてくださっています。



――新間さんのお話をお伺いしていると、ご入居者さまと職員の方、「和楽久シニアレジデンス長津田」にかかわるすべての人の絆を大切にされていらっしゃると感じます。

新間さん:職員が働きやすい環境をつくることで、施設全体の雰囲気が良くなります。ボランティアの方に敬意を持って対応し、またいらしていただく。それらはご入居者さまのくらしやすさ、日々の楽しみにつながりますから。


――すべてはご入居者さまのために、ということなのですね。

間さん:経験豊かな職員が多くいるからこそできることはたくさんあります。言い換えれば長く勤めた職員が辞めると、施設の質の低下につながってしまうことがあるわけです。


ですから、バランスを取ることが大事だと考えています。例えば「歩きたい」というご入居者さまのご希望、「怪我はしてほしくない」というご家族のご意向、そして過度の負担なく「ここまではできる」という職員の能力。この3者のどこかに偏ることなく、ぞれぞれの思いや事情を尊重してバランスを取り、より良い方向へいくよう努めています。


私も人生で最後の仕事ですから(笑)、最後にいい仕事をしたと思えるようにしたいですね。ですから、すべてのご入居者さまやご家族に「本当に良いところに入れたな」と思っていただきたい。そのためにはどんな苦労も厭わないですし、どんな知恵でも使いたいと思っています。


(記事中のサービス内容や施設に関する情報は2020年8月時点の情報です)