ケガで自立が難しくなったのをきっかけに、介護付き有料老人ホーム『グッドタイムホーム・三郷』に入居なさった平原清恵さん(86)。

まったく動けず記憶喪失にもなり、一時期は生死の境をさまようほどだったそうですが、今では元気に食事をとり、車いすで自由に動けるほどに回復されています。

これまでの人生を振り返りながら、現在の心境や施設での暮らしについて伺いました。

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子どもとのふれあいが楽しくて、80歳まで駄菓子店を経営

──平原さんは現在86歳でいらっしゃいますが、80歳まで現役でお仕事をされていたそうですね。

平原さん:ええ。私は新潟県の出身なのですが、27歳で千葉の人と結婚して千葉県で暮らしはじめ、義母が経営していた小さな雑貨店を手伝っていました。昭和44年に義母が他界してからは、そのままお店を引き継ぐことになって……。途中、店舗の広さや業態を変えるなどの変化はありましたけど、それから80歳になるまでの40年以上、ずっと同じ場所でお店をやっていたんです。


──お1人で経営されるようになってからも雑貨店でしたか?

平原さん:いいえ。時代の変化でスーパーやコンビニが増え、雑貨店でやっていくのは厳しくなったので、平成元年あたりに駄菓子店にしました。



──駄菓子店、いいですね! 地域の子どもたちに親しまれていたのでは?

平原さん:そうねえ。近所の学校のお子さんたちはもちろん、遠くからわざわざ来てくれるお子さんも多くて、とても楽しかったですよ。でも80歳になったとき、さすがに体力的にもきついのでそろそろお店をやめよう、と決意したんです。

そうしたら、閉店のときに「おばあちゃん、お疲れさま!」って、卒業した子たちが花束をもって会いにきてくれました。あのときは本当にうれしかったですね。


──お店をおやめになってからは、どのように過ごしていらしたのですか?

平原さん:週に2回、市が運営するデイサービスに行っていました。手芸や工作の教室でいろいろなものをつくって、それも楽しかったですね。

入居したときは動けず、食べられず、何もできなかった


─『グッドタイムホーム・三郷』に入居されるまでは、ご家族と一緒に住んでいらしたのですか?

平原さん:うちは二世帯住宅で、1階に夫と私が住み、2階には息子一家が暮らしていました。平成17年に夫が亡くなってからは1階に私1人で住むようになったのですが、息子一家とはお台所もお風呂も別だったから、のんびり暮らしていましたね(笑)



──こちらの施設に入居することになったきっかけは?

平原さん:それが私、覚えていないんです。去年の11月に転んで骨折し、動けなくなって手術を受けたんです。それから記憶喪失になってしまい、覚えているのは今年の3月以降のことだけです。

ただ、子どもから聞いた話だと3月まではかなり状態が悪く、一時期は生きるか死ぬかのレベルだったみたいです。お葬式の手配までしたと言っていましたから。


──今こうしてお話を伺っていると、「何年に何があった」などの記憶も明確で、生きるか死ぬかの時期があったとは思えません。

平原さん:うーん……。でも3月~4月はほとんど動けなくて、食事も普通のごはんは食べられませんでした。

その後、また少し体調を崩して1カ月ほど入院し、6月にここに戻ってきて、そこからリハビリを始めました。そうしたら、だんだん足が動くようになってきたんです。



──今は車いすをお使いですが、職員に押してもらわず、自走していらっしゃいますね。

平原さん:施設内なら自分でどこにでも行けるようになりました。昼間はトイレも自分で行きますよ。夜は、ベッドから起き上がらなくちゃいけないので職員さんの手をお借りしますけど。


──入居されてから、できることがすごく増えたんですね。

平原さん:職員さんやリハビリの先生のおかげです。職員のみなさんはすごく親切ですよ。自分の子どもでもやってくれないようなことまでやってくださるんだから、本当にありがたいです。

でも、まだキリッと立てなくて……。早く歩けるようになりたくてリハビリをがんばっていたら、「無理はしないでゆっくりやっていきましょう」と、先生にいわれちゃいましたが(笑)

快適で楽しみもたくさんある。ここは天国です。


──今は、お食事も普通に召し上がっていらっしゃいますか?

平原さん:ええ。私は食べることが大好きだから食事の時間が楽しみで楽しみで(笑)。とくに、週に3回、朝食にパンが出るのが楽しみなんです。今までずっと、朝はパン派だったから。ロールパンを手で半分に開いておかずをつめて、サンドイッチにして食べています。

先日、子どもが来たときは、外出してとんかつ店に連れて行ってもらいました。おいしかったですねえ。


──ほかに、楽しみにしていらっしゃることは?

平原さん:ピアノの先生がいらして歌を歌う時間が好きですね。仕事をしていたときはカラオケなんて行ったことがなかったんですけどね。音痴ですけど歌うのは大好きです(笑) 


──自由時間はどんなことをして過ごされますか?

平原さん:自分の部屋でテレビドラマを見るのが楽しみです。あと、朝起きてから、自分の部屋の中を自由に動いてウロウロするのも楽しみね。そのときもテレビはつけています。



──ここでの暮らしはいかがですか?

平原さん:もう、天国ですね(笑)。だって、ごはんの支度をしなくていいし、お買い物にも行かなくていいし、洗濯も掃除も全部やってくださる。何もしなくても食事が出てきて、きれいなところに住めるんですから。

今までは家事や仕事に追われて、こんな生活できませんでしたからね。私にとっては、今が一番いいときだと思っています。


──でも、最初は不安などありませんでしたか?

平原さん:全然なかったです。記憶をなくしていたから、気づいたときにはここに私の荷物が全部あって、「私は最後までここにいるんだな」と思いました。職員さんと話すのは楽しいし、子どもも定期的に会いに来てくれるし、悲しいと思ったことがないですね。


──お話していても表情がとても明るくて、おきれいです。

平原さん:そんなこといわれると恥ずかしいわね(笑)。でもうれしいですね、ありがとう。きっと今、幸せだからだと思いますよ。本当に私、ここでの生活にとても満足してるんです。


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