坐ることを肯定する椅子

「芸術は爆発だ！」で有名な岡本太郎の作品に『坐ることを拒否する椅子』というものがあります。
「山で歩き疲れてほんの束の間、切り株に腰を下ろすイメージ」というだけあって、信楽焼のツルツル・ゴツゴツしたアーチ型の座面に、原色でぎょろりとした目玉が睨みつける、挑戦的で座り心地の悪さにこだわった椅子です。
「椅子はゆったりと寛ぐためのもの」という概念を覆す、突拍子の無い発想のようですが、なるほど確かに椅子には「動作と動作の小休止」という役割もある事に気付かされます。

ヴィラージュリーシュ上石神井のエントランスロビーのソファーも、場所柄、お客様やご入居者様の、待ち合わせや時間調整に使われる事が多く、「動作と動作の小休止」の椅子に当てはまります。
ただし、こちらは「坐ることを肯定する椅子」です。
小ぶりの丸みをおびた優しいフォルムに、「衝撃の吸収」「立ち居の際の膝や腰への負担の軽減」「清潔を保ちやすい素材」等の、こだわりを随所にちりばめたソファーです。

こだわりを内包しながらも、周囲との融和を重んじるのが『旭化成流』。
コンセプトの『クラシカルで落ち着きのある、箱根の某老舗ホテルに迷い込んだような上質な大人の空間』に、さり気なく溶け込んでいます。
そして、ここからまたお客様、ご入居者様が主役のドラマが続いていくのを見守っているのです。

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