ハウス長インタビュー「入居者同士のちょうどよい『お互い様』関係」3
(「2」からの続き)
――入居者とスタッフとの信頼関係がきちんと築けているからこそ、ここで亡くなりたい、助言をしたいという方がいらっしゃるのだと思います。
フロントが勝手に決めないでほしいという方もいるし、こちらが出した情報に対して考えて助言してくれる方もいる。いろいろな意見が出て苦慮することもありますが、そういうところがいいなと思います。そこも含めて、ゆいま~る伊川谷。それが「参加型のサ高住」のあり方だと理解しています。
――今後の抱負を聞かせてください。
ゆいま~る伊川谷では、これからは要介護の割合が増え続けるのでは、と心配されています。でも、私は、増えたり減ったりしながらも、すべてが要介護になることはないと思っています。ただ、常に何割かは要介護の方がいる、ということは想定して動いていかなければならないのは確かです。
具合が悪くなって急に介護度が進む、病院から退院したけれどこれまでのような暮らしは難しいという方もいます。そういう場合は、ケアマネジャーや介護事業者と情報共有や連携をとりながら、入居者に何ができるのか考えていきたいです。介護保険でできること、私たちの有料サービスでできること、ご家族がいれば家族ができること、というように役割分担を考え、本人の意思を尊重する。
伊川谷のスタッフは、5年以上勤務されている方も多いので、入居者について共有している部分が多く、いろいろと意見やアイデアを出してもらえるのが強みです。そこは今までの経験というか、ああでもない、こうでもないと言いながら、その人についてどうしたらよいか、どう対応すれば希望に沿うのか、話し合います。「前にいらした○○さんみたいな感じでいけるかな」というように。
ここではなくて手厚い介護付有料老人ホームに行った方がいいかもしれません。でも、「ここにいたい」という場合は、可能な限り力になりたい。どこまでできるか、その方のまわりの社会資源をどう活用するか、話し合い考えていきたいです。
(2022/8/8 インタビュー)