ハウス長インタビュー「入居者同士のちょうどよい『お互い様』関係」2
(「1」からの続き)
――入居者同士のちょうどよい「お互い様」関係が築けているのですね。
もちろん、全員ではなくて、してもらうのが申し訳ないからスタッフに有料でお願いする、という方もいます。ただ、初期に入居した入居者同士は10年以上という長いコミュニティを育んできているので、元気なころからお互いを知っていて、困っていたらちょっとお手伝いするという流れが出来ているのかなというのはありますね。
――地域のふつうのご近所さんみたいな関係が築けているのですね。
そういう関係を築いてほしいから、「お元気なうちに住み替えよう」というのがゆいま~るの理念ですからね。
また、自分の居室だけでなく、共用部も自分のおうちという意識があるようです。図書室の本をきれいにしてくださったり、ギャラリーの絵を掛け替えてくださる、お花を定期的に活けてくださる、こまめに水を変えてくださる、庭の草抜きなど、なんとなく自分のテリトリーみたいなところがあって、スタッフの手を煩わせないようにしてくれているんです。
地域交流の一つとして、駅前の花壇の水やりが持ち回りであるのですが、ゆいま~る伊川谷は入居者が行ってくださっています。自分の生活だけでなく、ハウスのこと、地域のことも暮らしの一部として参加してくださっているのもありがたいです。
――印象に残っている入居者はいらっしゃいますか。
みなさん、それぞれ印象に残っているのですが、ここで亡くなりたいと言って、リスクもありながら遂行する人はすごいなあと思います。ここは、サ高住ですから、介護付施設や病院に比べたら、夜は関われないし、朝の安否確認で転倒していた、というリスクもあるかもしれない。ですが、そこは本人も承知して、リスクも理解したうえで、「最後までここで」というのは、すごいと思う。ふつうは手厚く看護・介護してもらえるところへ行く人が多い中で、自分らしくありたいというゆいま~るの入居者ならではかなと思います。
また、ハウススタッフを心配して助言してくれたり、判断に困った時にさりげなく聞いて意見してくださる入居者もいます。そういう方たちの存在はありがたいですね。
(「3」につづく)