特別養護老人ホーム(特養)の費用・料金

特別養護老人ホーム(特養)は、介護を必要とする人が、家庭の代わりとして暮らすことのできる公的な施設です。介護保険が適用され、自己負担額が比較的安い介護施設となっています。有料老人ホームのような入居一時金はなく、負担は月々の利用料のみ。さらに施設介護サービス費は介護度と収入によって決定するなど、所得が低い方でも利用できるよう配慮されています。
この記事では、特別養護老人ホームの費用内訳や、介護度別または施設の種類別にどれだけの費用がかかるかを解説します。
なお特別養護老人ホームには、施設在住地の市町村民のみが利用できる『地域密着型施設』と、どこに居住していても入居できる『広域型施設』がありますが、費用負担の考え方は基本的に同じです。

特別養護老人ホームの費用の内訳

特別養護老人ホームでは、負担は入居後の月額費用のみであり、入居一時金などの初期費用は必要ありません。月額費用の内分けは下記の通りです。

要介護3 ユニット型施設に入所の月額費用(例)
介護サービス費 居住費 食費 日常生活費
施設介護サービス費 介護サービス加算
22,860円 1,567円 59,100円 41,400円 10,000円
総額:134,927円

…介護保険が適用される部分  …全額自己負担の部分

※日常生活費、サービス加算の金額は一例です。

以下より、内訳の項目について説明します。

施設介護サービス費

施設介護サービス費は介護を受けるための費用です。サービス費は要介護度などによって異なり、要介護度が高くなるほど、高額に設定されています。また、居室のタイプによっても異なっています。それぞれの居室タイプ別に、要介護1~5の方の施設介護サービス費を以下の表にまとめました。

介護度・居室別自己負担額(30日間)
居室タイプ 要介護1 要介護2 要介護3 要介護4 要介護5
多床室 16,410円 18,420円 20,460円 22,470円 24,420円
従来型個室 16,410円 18,420円 20,460円 22,470円 24,420円
ユニット型準個室 18,750円 20,730円 22,860円 24,840円 26,820円
ユニット型 18,750円 20,730円 22,860円 24,840円 26,820円

※居室タイプについて
多床室・・・複数人で1室を利用するタイプ
従来型個室・・・1室を1名で利用するタイプ
ユニット型個室・・・1名1室のうえ、ユニット(10名前後)単位で共同スペースが設置されているタイプ

※ユニット型準個室は、ユニット型個室で個室同士が仕切りで分かれており壁になっていないタイプを指します。

介護サービス加算

施設の設備や職員の体制、施設で対応する処置やサービスなどに応じて基本料に加算される施設介護サービス費のことです。施設によって加算徴収内容は異なりますが、加算が多いほど手厚い人員配置やサービスを行っていると考えてもよいでしょう。

主な介護サービス加算
初期加算 入所後30日まで加算
サービス提供体制強化加算 介護福祉士の配置割合や勤続年数に応じて加算
看護体制加算 看護師の人数や体制による加算
介護職員処遇改善加算 介護職員の処遇を改善するための加算
外泊時加算 1か月に6日以上外泊する場合に加算

居住費

いわゆる「家賃」に相当する費用です。有料老人ホームにおいては、ベッドや家具などを自分で用意しなくてはなりませんが、特養はあらかじめ備品として用意されているのが特徴です。

食費

食費は一日3食分が含まれているため、「外出及び外泊によって昼食のみ停止した」などの場合でも一日分とみなし請求されます。ただし、外泊や入院などにより、数日施設に戻らない場合は食事を止めることができ、請求されません。

日常生活費

医療費、理美容、被服費、入場料などが発生するレクリエーション費、嗜好品などは自己負担になります。
ただし、クリーニングを必要としない私物の洗濯や、おむつ代(尿取りパッドなども含む)は施設の負担となります。

特養の費用の仕組み・費用負担を軽くする制度

特養は、介護保険制度の「介護老人福祉施設」、老人福祉法の「特別養護老人ホーム」の二つの名称が掲げられているとおり、高齢者保護の機能があります。そのため、有料老人ホームなどへの入居が困難な低所得者や生活保護受給者でも入居できるよう、利用者の負担が軽くなる「社会福祉法人等による利用者負担の軽減制度」が設けられていたり、個人の収入や年金に応じて利用負担が軽くなる「特定入所者介護サービス費」という制度が存在します。

※「社会福祉法人等による利用者負担の軽減制度」を実施していない法人もあります。

特定入所者介護サービス費(負担限度額認定)とは?

所得や資産等が一定以下の方に対して、その方の負担限度額を超えた分の居住費と食費の負担額が介護保険から支給される制度です。なお、特定入所者介護サービス費の利用には、事前に市町村に負担限度額認定を受ける必要があります。

食費・居住費の負担限度額

利用者は、その収入や年金に応じて、「利用者負担段階」が定められます。この段階別に、特養老人ホームの負担限度額が決定されます。以下は、利用者負担段階別にまとめた1ヶ月(30日)負担限度額の一覧表です。

利用者負担段階 居住費(滞在費)の負担限度額 食費の負担限度額
ユニット型個室 ユニット型準個室 従来型個室 多床室
第1段階 生活保護受給者、老齢福祉年金受給者で本人及び世帯全体が市民税非課税 24,600 14,700 9,600 0円 9,000
第2段階 本人及び世帯全体が市民税非課税で合計所得金額+課税年金収入額が80万円以下の方 24,600 14,700 12,600 11,100 11,700
第3段階 本人及び世帯全体が市民税非課税で第2段階に該当しない方、市民税課税層における特例減額措置の適用を受けた方 39,300 39,300 24,600 11,100 19,500
第4段階 住民税課税世帯の方 59,100 49,200 34,500 25,200 41,400

(単位:円/月)

入居した場合の月々の費用

前項でもお伝えした通り、特別養護老人ホームの費用は、入居者本人とその配偶者・子供(扶養義務を負っている人)の合計所得によって負担限度額が決定します。合計所得とは、年間収入から公的年金控除や給与所得控除、必要経費を引いた後で、基礎控除や、本人や扶養家族の状況による所得控除をする前の所得金額です。課税所得ではないので注意してください。

以下より、介護度、居室タイプ別に月々に支払う金額の目安をご紹介します。介護サービス加算は施設や入居者の方の状態により変動するため、この表では省略しています。

特別養護老人ホームの月々の費用の目安(利用者負担第4段階(住民税課税世帯)・30日間の場合)

多床室
介護度 要介護1 要介護2 要介護3 要介護4 要介護5
施設介護サービス費 16,410円 18,420円 20,460円 22,470円 24,420円
居住費 25,200円 25,200円 25,200円 25,200円 25,200円
食費 41,400円 41,400円 41,400円 41,400円 41,400円
日常生活費 10,000円 10,000円 10,000円 10,000円 10,000円
合計 93,010円 95,020円 97,060円 99,070円 101,020円
従来型個室
介護度 要介護1 要介護2 要介護3 要介護4 要介護5
施設介護サービス費 16,410円 18,420円 20,460円 22,470円 24,420円
居住費 34,500円 34,500円 34,500円 34,500円 34,500円
食費 41,400円 41,400円 41,400円 41,400円 41,400円
日常生活費 10,000円 10,000円 10,000円 10,000円 10,000円
合計 102,310円 104,320円 106,360円 108,370円 110,320円
ユニット型準個室
介護度 要介護1 要介護2 要介護3 要介護4 要介護5
施設介護サービス費 18,750円 20,730円 22,860円 24,840円 26,820円
居住費 49,200円 49,200円 49,200円 49,200円 49,200円
食費 41,400円 41,400円 41,400円 41,400円 41,400円
日常生活費 10,000円 10,000円 10,000円 10,000円 10,000円
合計 119,350円 121,330円 123,460円 125,440円 127,420円
ユニット型
介護度 要介護1 要介護2 要介護3 要介護4 要介護5
施設介護サービス費 18,750円 20,730円 22,860円 24,840円 26,820円
居住費 59,100円 59,100円 59,100円 59,100円 59,100円
食費 41,400円 41,400円 41,400円 41,400円 41,400円
日常生活費 10,000円 10,000円 10,000円 10,000円 10,000円
合計 129,250円 131,230円 133,360円 135,340円 137,320円

※日常生活費は目安の金額です。

以上の表は、介護サービスの自己負担が1割だった場合の金額ですが、合計所得金額が160万円以上、単身で年金収入のみの場合、年収280万円以上ある場合は、介護サービスの自己負担割合が2割になります。

※2018年(平成30)年8月からは、一部の高額所得者の自己負担が3割になることが検討されています。

「特養の費用の仕組み・費用負担を軽くする制度」で説明したとおり、本人および世帯全員が生活保護の対象であったり、収入が少なかったりすれば、居住費や食費は低く設定され、介護サービス費についても高額介護サービス費などの補助金が自治体から支給されます。そのため、実際の自己負担金額については、入居を希望している施設に確認しましょう。

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