近年、異業種からの参入が活発化している介護業界。株式会社LIXILシニアライフカンパニーは、住まいと暮らしの総合住宅生活企業である株式会社LIXILが展開する住宅・サービス事業です。同社が運営する介護付き有料老人ホーム『フェリオ』シリーズには、総合住生活企業ならではのノウハウを活かしたこだわりが詰まっています。その魅力を体感すべく、東京都世田谷区にある『フェリオ成城』を見学しました。

フロアごとにインテリアを変え、「自分の家」という感覚を高める

フェリオ成城は、数人のグループでキッチンやリビングダイニングを共有するユニット型の老人ホームです。まずは、各ユニットの共有部分を見せてもらいましょう。

 すっきりと洗練された印象のインテリア

【すっきりと洗練された印象のインテリア】

こちらは2階WESTユニットのリビングダイニング。さすがはLIXIL、スタイリッシュでお洒落な内装です。

優しい色使いを採用したフロア

【優しい色使いを採用したフロア】

一方、4 階WESTユニットのリビングダイニングは家庭的で温かい雰囲気の内装です。印象ががらりと変わりますね。

一般的に老人ホームの内装は、コピー&ペーストしたかのように、全てのフロアで同じ家具を配置し、同じ壁紙やカーテンを採用していることがほとんど。ともすれば、自分がどの階にいるのかわからなくなってしまいそうです。

でも、こんな風にフロアごとに雰囲気が違うと、より「自分の家だ」という意識が芽生えるのではないでしょうか。認知症の方が間違えて別のフロアに来てしまったときも、「ここは違う」と気づくはず。住まいを通してより良い暮らしを追求してきたLIXILだからこその工夫だと感じました。

備え付けはベッドのみ。自宅と同じ心地よさを感じてもらうため、愛用の家具など持ち込みを推奨

【備え付けはベッドのみ。自宅と同じ心地よさを感じてもらうため、愛用の家具など持ち込みを推奨】

続いて、個室のモデルルームを内覧しました。中に入ってまず驚いたのは、窓の大きさ。一面の4分の3ほどを占めていて開放感があります。晴れた日は光や風が入って心地良いことでしょう。広いバルコニーからは緑いっぱいの中庭を見下ろせるようになっていました。

プライバシーに配慮し、ドアを開けてもすぐにベッドが見えないようになっています

 【プライバシーに配慮し、ドアを開けてもすぐにベッドが見えないようになっています】

老人ホームにしては珍しい正方形の造り。家具の配置がしやすいと好評だとか。足腰の弱い方でも壁や家具に掴まりながら自分で移動できるよう、リハビリを担当する機能訓練スタッフがどこに何を置くといいかアドバイスするそうです。

個室内にはシャワールームとトイレを完備【個室内にはシャワールームとトイレを完備】

個室内にはトイレ・シャワー・ミニキッチン・洗面台といった、通常の家と同じ設備がついています。老人ホームに入っても、自宅にいた頃と同じような生活サイクルを維持したい。そう願う方にとっては嬉しい配慮ではないでしょうか。このような浴室やミニキッチンを備えている老人ホームは、実は全体のほんの一部しかありません。

広々とした中庭

 【広々とした中庭】

敷地内には中庭があり、テーブルやベンチが置かれています。食事の後に気の合う友人同士でひなたぼっこやお喋りを楽しむ人もいるそう。桜の木が十本植えられていて、春にはお花見も楽しめます。秋はサンマの炭火焼など、四季折々の食事イベントが開かれているのだとか。クリスマスが近づくとイルミネーションも登場。近隣の人も見に来るといいます。遠出が難しい人も、季節の移り変わりを感じることができ、良い刺激になるのではないでしょうか。

 中庭で行われるお花見の様子

【中庭で行われるお花見の様子】

製造現場で培った「改善」の姿勢を活かして

ここまではハード面の話でしたが、ソフト面にも「LIXILならでは」の点が見られます。それは、製造現場で長年取り組んできた「QCサークル活動」を取り入れていること。QCはクオリティコントロールの略で、QCサークル活動とは小グループで製品やサービスの品質管理・改善を行うことを意味します。

LIXILシニアライフカンパニーではこの考え方を取り入れ、日々の業務でもPDCAサイクルを回しています。問題が生じたときは現状を把握して原因を特定し、改善してその結果を評価する。スタッフにそうした姿勢が染み付いているため、同じ失敗を繰り返すことなく、業務やサービスを見直していけるそう。これまでにどんな改善が行われたのか、ホームマネージャーの山下健一さんに聞いてみました。

『フェリオ成城』ホームマネージャーの山下さん

【『フェリオ成城』ホームマネージャーの山下さん】

山下さん:ひとつの事例として、アクティビティの改善があります。ご入居者から「楽しいアクティビティを増やしてほしい」という要望をいただき、まず現状のアクティビティの数と性質を把握しました。その結果わかったのは、介護度が重い方を対象としたアクティビティが極端に少ないということ。そこで、どんな方でも楽しめるアクティビティをご用意しました。”

フラワーアレンジメントのアクティビティ

【フラワーアレンジメントのアクティビティ】

「アクティビティを増やしてほしい」という声にそのまま対応していたら、介護度が低い入居者向けのアクティビティを増やしていたかもしれません。QC活動で培った改善意識が根付いていたから、本質的な解決につながったのですね。

フェリオ成城:住環境の取材を終えて



「異業種から参入した企業が運営する老人ホームってどうなの?」——そんな風に不安を抱いている方もいるかもしれません。けれども、フェリオ成城を訪問して、異業種だからこそ気づける視点や工夫があるのだな、と感じました。興味を持たれた方は、一度見学に行かれてはいかがでしょうか。きっと、「こんなホームで暮らしたいな」と思うはずです。