自立期〜軽度要介護期の方にとって、老人ホームは“介護サービスを受ける場”というよりも、“セカンドライフを楽しむ場”という側面が強いのではないかと思います。

埼玉県蓮田市にある『蓮田オークプラザ駅前温泉館』は、お元気な高齢者の方にぜひご紹介したい介護付有料老人ホームです。名称通り天然温泉があることはもちろん、カラオケや映画上映会ができるプライベートルームに卓球場、クリニックまで揃っています。

実はここ、創設者である会長が「自分が暮らしたくなるホームをつくりたい」と開設したホームなのです。今回は、そのこだわりの設備の見学レポートをお届けします。

会長自ら入居し、サービス内容を改善していく

JR蓮田駅から徒歩2分。手前に足湯のある、高級マンションのような建物が現れました。ここが2011年にオープンした『蓮田オークプラザ駅前温泉館』です。

近隣には姉妹施設の『蓮田オークプラザ介護館』があり、本人や家族がより手厚い介護を望む場合は介護館に追加料金なしで住み替えることができます。

足湯『オーク足の湯治場』は近隣の人も利用可能。入居者と交流を深めているのだとか

【足湯『オーク足の湯治場』は近隣の人も利用可能。入居者と交流を深めている】

運営するのは株式会社ITC(伊奈・トータルケア・コミュニティ)。医学博士でもある会長の王増富さんは、複数の医療機関を経営するかたわら、介護が必要となった患者の受け入れ先として、特養などの福祉事業や介護事業を開始しました。

それから20年、最後に自分が入りたくなるような少し贅沢な施設として作ったのが『蓮田オークプラザ駅前温泉館』です。実際、創業者である会長が第1号の入居者になったとか。設立者と入居者が一緒に暮らす老人ホームなんて、全国的に見ても珍しいと思います。

通勤時に駅に向かう近道として地域住民に開放されているテラス

【通勤時に駅に向かう近道として地域住民に開放されているテラス】

では、さっそくホーム内を案内してもらいましょう。まずはモデルルームを拝見しました。

会話が弾むカウンターキッチン

【会話が弾むカウンターキッチン】

寝室は広々としていて、収納もたっぷり

【寝室は広々としていて、収納もたっぷり】

こちらは夫婦ふたりで暮らせるAタイプのお部屋。1LDKにシャワー・トイレ・納戸付きで64㎡。普通のマンションと変わりありません。Bタイプも32㎡あり、ひとり暮らしには十分な広さです。

次は1階のレストランへ。地元の人気店『AJIICHIBA』を誘致し、地場産素材を使った専用食を提供しています。レストランには独立した入り口があり、一般の人が利用することも可能です。

AJIICHIBA の正面玄関

【AJIICHIBA の正面玄関】

入居者は事前に配られる献立を見て前日までにオーダーする方式で、プリペイド式ICカードでその都度支払います。レストランで食べずに自炊や外食をしてもOKですし、入居者用メニューではなく『AJIICHIBA』の通常メニューをオーダーしてもOK。好きなものを自分で選択して食べることができるのです。

広々として開放感のあるレストラン

【広々として開放感のあるレストラン】

朝食は洋食・和食の2種類。昼食は味市場ランチ・定食・麺類の3種類から選択可能

【朝食は洋食・和食の2種類。昼食は味市場ランチ・定食・麺類の3種類から選択可能】

入居者用メニューを味見させていただきましたが、ボリュームがありしっかり味がついていて、通常食と全く変わらない印象でした。それでいて、ちゃんと栄養バランスも配慮されています。もちろん、塩分調整食や刻み食などにも対応しているそう。

また、館内には王さんが院長を務める『オーク在宅ケアクリニック』があり、入居者は具合が悪くなったらすぐに診てもらうことができます。ちょっとした風邪や怪我のときでも外の病院に行くと数時間待つことになるため、「それならホームの中にクリニックつくろう」とオープンしたのだとか。

薬の処方や点滴といった基本的な処置を行うほか、曜日ごとに肝臓や腎臓を専門とする医師が診察に来ます。入居者はもちろん、職員、特に看護師からも「身近にお医者さまがいると安心」と好評だといいます。

こちらは今年春に建てられた別館にある『シアター・カラオケ・ラウンジ』。高級感あるシックな内装で、キッチンやバーカウンターもついています。事前予約をすれば入居者は無料で借りることができ、家族や友人を呼んでもいいとのこと。

「サークルの発表会後の打ち上げに使いたい」「法事の後に家族だけで食事をしたい」と、さまざまな相談が寄せられているそう。

お孫さんの運動会のビデオを上映したり、映画サークルを立ち上げて鑑賞会を開いたり、ひとりでカラオケの練習をしたり……色々な使い方が想像できますね。

卓球や麻雀ができる『カルチャールーム4』

【卓球や麻雀ができる『カルチャールーム4』】

景観を楽しみながら運動できる『カルチャールーム5』

【景観を楽しみながら運動できる『カルチャールーム5』】

最後に案内してもらったのは、『蓮田オークプラザ駅前温泉館』の一番の特長である天然温泉『琥珀の湯』。ナトリウム-塩化物温泉で、神経痛や関節痛、慢性消化器病、冷え性などに効能があるといいます。遠くの温泉地に行かなくても、毎日お風呂に入るだけで湯治の効果が得られるのですね。

ゆったりと入れる内湯

【ゆったりと入れる内湯】

温泉は入居者にとても好評で、朝・夕・夜と1日3回入る人もいるとか。友人や家族が入ることができるのも嬉しいところ。温泉があると思うと、訪問者が増えそうですね。

15時から16時は貸切にすることも可能です。こんなに広いお風呂を独占できるとは、なんて贅沢なんでしょう。病気や手術を経てあまり人に体を見せたくない場合でもこれなら安心して入ることができるはず。必要な方には入浴介助も行っています。

開放感ある天然温泉の露天風呂

【開放感ある天然温泉の露天風呂】

温泉は王さんや奥様も利用していて、入居者と文字通り“裸の付き合い”を楽しんでいるそう。「ここにこれを置くといいんじゃないか」「女性はこういうところが気になるんですよ」と、入居者目線で気づいたことを職員に伝え、どんどん改善していくのだとか。

入居者にとっては、これ以上ないほど心強いのではないでしょうか。

蓮田オークプラザの取材を終えて

自立期〜軽度要介護期の方を対象とした『蓮田オークプラザ駅前温泉館』は暮らしの自由度が高く、老人ホームというより高齢者向けマンションのような印象を受けました。

けれども、介護や医療のサポートは万全。その上、温泉にシアタールーム、卓球場と豪華な設備が整っているのです。ここなら安心してセカンドライフを楽しめそうですね。

『蓮田オークプラザ駅前温泉館』では、入居を検討している方に向け、通常の見学会(無料)以外にも日帰り温泉ツアー(食事込み1,000円)を開催しています。温泉旅行気分で参加してみてはいかがでしょうか。

(記事中の内容や施設に関する情報は2016年12月時点の情報です)